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2022年1月31日月曜日

sanguine

新型コロナウィルスの変異株であるオミクロン株が猛威をふるっていますが、その亜種と考えられる存在が明らかになったようです。

BA.2と呼ばれる亜種は英国やインドなどで急増しているようですが、日本国内でも確認されたと邦紙でも伝えています。

この亜種は感染力が強いなどとも言われ、新たな感染拡大への懸念が高まっていますが、専門家は冷静に分析を進めているようです。


Evidence is mounting that Omicron’s new sister variant, known as BA.2, is more transmissible than the original strain but at this stage does not appear to be more vaccine-evasive.

The subvariant BA.2 is one of at least three sub-lineages of Omicron, the strain of COVID-19 first spotted in Africa in late November and now dominant around much of the world.

While rare in Australia and most other countries – the virus is found in about 2 per cent of local samples – BA.2 has started to gain a serious foothold in England, India and Denmark, where it has out-competed Omicron and now makes up most viruses sampled.

(中略)

“Nothing ominous has come out so far. There is no reason to panic,” said Professor Seshadri Vasan, who has been tracking COVID-19’s variants at the CSIRO.
(Liam Mannix. ‘No reason to panic’: Scientists sanguine about Omicron’s new sister. The Sydney Morning Herald. January 31, 2022.) 


変異株やその亜種が出てくると人々がパニックになる恐れもあるからでしょうか、各紙の報道は総じて、専門機関での現時点までの分析として、然程恐れるほどのものでは無いということのようです。

引用した記事のタイトルに注目してみましょう。


‘No reason to panic’: Scientists sanguine about Omicron’s new sister


ここで使われている、"sanguine"とは、楽観的な、という意味の形容詞です。

フランス語を勉強したことのある方は、フランス語で血うを意味するsangをこの単語に見てとることができるでしょう。

血色が良い、という意味の形容詞でもあります。

ところで、血色が良いということがどうして楽観的という意味になるのでしょうか?

これは古い生理学の考え方である、四体液説(humoral pathology)に因んでいます。

"humor"と言えば、日本語ではカタカナのユーモアになってしまっていますが、気質、気性という意味が元にあります。

古い医学者、生理学者は人間が持つ4つの主要な体液(the cardinal humors)を想定し、そのバランスにより人の気質や性格、また健康状態が決まると考えていました。

その1つが血液(blood)で、生命維持に不可欠な血液は、人間を元気にする、また機嫌良くする効果を持つものと考えられていた訳です。

他の3つについては、粘液(phlegm)、黒胆汁(black bile)、黄胆汁(yellow bile)で、良く知られているのは人を憂鬱にさせるメランコリー(melancholy)、すなわち黒胆汁でしょう。



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