バイデン米大統領とカタールの首長の会談が報じられています。
ウクライナ問題でロシアとの軋轢が高まる中で行われた、非NATOの中東湾岸諸国であるカタールとの会談にはロシアを牽制する意図があるようです。
President Biden met with Sheikh Tamim Bin Hamad Al-Thani, the emir of Qatar, at the White House on Monday and told him he's strengthening the U.S. alliance with the kingdom as the West faces a potential energy crisis if Russia invades Ukraine and cuts off gas supply to Europe.
"Qatar is a good friend and reliable partner," Biden said. "And I'm notifying Congress that I will designate Qatar as a major non-NATO ally to reflect the importance of the importance of our relationship."
(Jon Brown. Biden receives emir of Qatar, strengthens alliance amid fears Russia will close gas spigot to Europe. Fox News. January 31, 2022.)
カタールのタミム首長について、他紙では、"representative"、"head of state"などと表現しているものが多いのですが、引用したFox Newsでは、
emir
という呼称を用いています。
この"emir"という単語を初めて見たのですが、クェート、バーレーン、カタール、及びアラブ首長国連邦構成諸国の君主を意味する「首長」(研究社新英和大辞典)とあります。
なるほど、アラブ首長国連邦は英語名でUnited Arab Emirates (UAE)ですが、"emirates"とは"emir"から来ているのだなと得心した次第です。
ところで、"emir"については、"amir"と綴られる場合もあるそうで、語源欄には、"admiral"を参照せよ、とあります。
そこで、"admiral"の項を引くのですが、興味深いことに、海軍大将を意味する"admiral"は"emir"、すなわち遡ることアラビア語に由来するのでした。
少々複雑な語源をかいつまんでみますと、アラビア語amirはそもそも軍の指揮官を意味する言葉でした。
アラビア語で敬称に付ける-al-という接辞が付いて、amir-al-となった後、ラテン語に入り、admirabilis(現代英語のadmirable; admire)といった単語のスペルに影響を受けて、"admiral"となった、とあります。(つまり、dの綴り字は元は無かったのです。)
「艦隊の司令官」という意味のadmirallusは12世紀のイタリアに始まるそうで、その後、イギリスやフランスなど西ヨーロッパ諸国を中心に広がったということです。(Merriam-Webster Dictionaryの解説による。)
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