今日の単語は"grifter"です。詐欺師という意味です。
ドリフター(ズ)、ではありません。「グリフター」です。
ハリウッドを舞台にした巨額の詐欺事件(6億5000万ドル!)で、首謀者が逮捕され、20年の実刑判決が出ました。
The tale of Zachary Horwitz made headlines this week after he was sentenced to 20 years for bilking investors out of $650 million by peddling bogus licensing deals with HBO and Netflix.
Ironically, it is just the kind of juicy swindler story you might binge watch on those platforms: Horwitz, a 35-year-old actor who had bit roles in a handful of low-budget films over the past decade, pleaded guilty last fall to committing federal securities fraud and running an illegal operation known as a Ponzi scheme. For years, prosecutors say, Horwitz used his investors' money to fund a lavish Hollywood lifestyle — until his scam unraveled.
(Allison Morrow.Hollywood actor's Ponzi scheme, explained: Why investors keep falling for scams. CNN. February 16, 2022.)
その詐欺の手口はというと、ハリウッド映画のライセンスに出資すれば将来にネットフリックスなどのストリーミングサービスでの収益でリターンが得られるというような話を持ち掛けて金を集めていたというものですが、ライセンスにしても、ストリーミングサービス会社とのビジネスも全て架空のもので、いわゆるネズミ講の類であったということです。
ハリウッド映画を地で行くような詐欺事件だと記事中にもありますが、うっかりその罠に嵌ってしまう人は後を絶たないものだと思わされます。
それについては、記事中、以下のようなくだりがあります。
It's not hard to imagine how an investor might be sucked into such a scam in the era of meme stock rallies and overnight cryptocurrency millionaires. The fear of missing out is a powerful tool for grifters.
(ibid.)
騙される側の心理として、儲け話には乗り遅れたくない、という心理があるといいます。詐欺師はその心理につけ込むのです。
さて、"grifter"です。
記事中も詐欺、ペテン、騙す、といった表現が多数出てきますが、"grifter"については初めてお目にかかりました。
"grifter"は"grift"という動詞(イカサマで儲ける)から来ているのですが、その"grift"は"graft"が転化したものと辞書にあります。
"graft"というと、接木とか移植という意味が思い浮かびますが、その"graft"の特殊用法として、不正利得とか収賄、またその手口、といった意味があります。
"grifter"を辞書で引くと、縁日などで出店を出しているいかさま師という訳語が見えるのですが、秘密裏に詐欺を働く詐欺師というよりは、白昼堂々と相手を騙すぺてん師というような含みがあるようにも思われます。
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