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2022年7月4日月曜日

owe

先日、新型コロナに係る特別給付金の誤支給がニュースになりましたが、同じような事件が海外でも起きたようです。

こちらは給与の誤支給で、なんと330か月分に相当する給与を一度に振り込んでしまったというものです。

支給を受けた従業員は上司に報告、一旦は返金を約束したものの、その後退職願を一方的に送付し、行方知れずということのようです。


An unnamed Chilean worker resigned and became uncontactable after he was paid approximately 330 times his salary due to a payroll blunder, according to a report.

The dispatch assistant received 165,398,851 Chilean pesos ($180,418) in his monthly paycheck from the cold meats manufacturer CIAL Alimentos on May 30, the Santiago-based financial newspaper Diario Financiero reported.

He was only owed about 500,000 Chilean pesos ($545), the newspaper said.

The worker approached the deputy manager of his distribution center, notifying them that he had received 330 times his owed salary, Diario Financiero reported.
(Joshua Zitser. Worker who was accidentally paid 330 times his salary offers resignation and vanishes without a trace, report says. The Insider. July 2, 2022.)


さて、引用した記事の文中で目に留まったのが、"owe"という動詞の使い方です。

おさらいですが、"owe"という動詞は、借りがある、返済義務がある、という意味です。

つまり、


You owe me $5.


という文は、君は私に5ドルの借りがある、という意味です。

ところが、記事中、"owe"という動詞は受動態で使われています。つまり、主客(主語、目的語)が逆転しているので、日本語で言えば、借りがある、の逆で、貸しがある、という意味合いになりますが、"owe"という動詞をこのように受身で用いる事例を知りませんでしたので興味深く思いました。

手元の英和辞書にはこのような受身の用法に触れていないのですが、コーパスで検索してみると多くの用例を確認することが出来、実のところ普通に用いられるようです。


When someone dies with a lot of debts, all those people who are owed money are going to be fighting over who gets paid first.
(NBC News, 2009)


If they are owed money by a firm that files for bankruptcy, they could lose millions of dollars.
(Washington Post, 1996)


主客が逆転すると書きましたが、上記2番目の事例に見られるように、受動態ですので前置詞byにより動作主(主語)を示すことができます。

つまり、

You owe me $5.

は、

I was owed by you $5.

と書き換えることが出来、ちゃんとした意味を成すということですが、知ってしまえば何ということもないようですが、新鮮に感じました。




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