先月米国をおよそ18年振りに旅行しましたが、先日も書きましたようにインフレと物価高、また円安ドル高という状況下、食費等には本当に泣かされました。
レストランでの食事は相当の出費を覚悟しなければなりませんでした。さらに追い打ちをかけるのがチップ。
食事が一通り終わるとテーブル会計のため店員が請求書を持ってきますが、チップの「推奨額」が印字されています。しかも、15%、20%、25%など、3段階に渡って食事代トータルに対するチップ金額が計算されており、これは客の計算ミスを防止するのが目的か、はたまた計算の手間を省くための余計なお世話か?
朝食のために立ち寄ったカフェでサンドイッチとコーヒーを注文したら、これも会計の際にスクリーンを示し、チップ金額を選択するボタンが・・・。こちらも3段階の表示設定なのですが、もうひとつ“Custom”というボタンがあり、客がチップのパーセントを自由入力できるようになっていました。
ということで今日の単語はチップ(心付け)を意味する“gratuity”です。
今日はたまたまチップを話題にした記事が目に留まりました。
Furthermore, New York mag madly declares 25 per cent as a now standard tip-rate in restaurants and anything under 20 (once considered generous) as unethical and 'rude' - whether the service you received was worth it or not. And that really goes to the crux of this transatlantic culture clash.
Because, far from mechanically following industry-set rules, us Brits prefer to tip on our own terms and be a little more discerning. We like to reward the extra mile, as opposed to overcompensating someone simply doing the job they're paid to do.
Yes, Brits now more commonly see a gratuity charge automatically added to bills on meals – usually around 10 per cent – but servers also know not to expect blind compliance.
The UK tourist board, Visit Britain, notably advises people to question any establishment asking for more than this – though we don't need encouragement. Many Brits will quibble about a compulsory surcharge not because of an inherent meanness or unwillingness to tip at all, but because we prefer to decide these things for ourselves.
(Caroline Bullock.Americans think we crazy Brits are bad tippers. But wait - why ARE you paying up to 25 per cent extra to help millionaire restaurant bosses pay their servers less? The Daily Mail. April 23, 2023.)
一般に、イギリス人はチップをけちる傾向がある(!?)と思われているそうです。NYCが一律25%などという「業界標準」を勝手に決めるからには、反発したくなるのも分かるというものです。
小生はかつてNYCのレストランでチップが少なすぎると突き返された経験があります。
そもそも“gratuity”とは、ラテン語gratus(感謝している)から来ています。つまり、客がウェイターへの謝意として自発的に手渡すものですが、最近のチップは価格に組み込まれているきらいがあるように思えます。特にカード決済や電子決済が普通となった今日、ウェイター個人への心づけという意味が薄れているのではないでしょうか。
先月の旅行では、ちょっと奮発してステーキハウスで夕食をしゃれこんだところ、テーブル会計にて渡された請求には“gratuity”が計上されており合計金額に含まれていました。(上に引用した記事にあるのと同じ状況。)さらに下の方には“チップ”の欄があり、こうしたレストランでは“gratuity”とチップは別物ということになります。
The restaurant industry is littered with multi-millionaire owners bemoaning soaring operating costs and making ever more cuts while still personally reaping the rewards with their extravagant lifestyles. A blame game targeting customers who they expect to make up the shortfall can be a useful narrative to divert attention from the inadequate wages they pay their staff.
(ibid.)
レストランオーナーは昨今のインフレや原材料価格高騰などを言い訳にしているようですが、客によるチップは好意であるということを“gratuity”の語源と共に思い出してもらいたいものだと思いますが、無理なんだろうなぁ。
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