ニューヨークと言えば摩天楼、摩天楼と言えばエンパイアスタートビルディング、です。
そのエンパイアステートビルのすぐそばに建設中のタワーが物議を醸しているそうです。
54階建て、860フィート(約262メートル)を超す高級マンションだそうですが、5番街から見えるエンパイアステートビルを遮るように聳え立ち、近隣住民や旅行客を憤慨させているというのです。
More than 4 million visitors annually used to revel in the sight of the Empire State Building, but now, due to the encroaching tower, that joy has been marred.
(中略)
The presence of the new tower is even rankling visitors.
Sandra Leite, a tourist from Portugal, expressed disbelief upon learning about the blocked view. “Why would city hall approve something like that?” she asked The Guardian. “But now it’s up there, and nothing can be done.”
(Mary K Jacob. New Yorkers are fed up with a luxury building now blocking their view of the Empire State Building. New York Post. March 5, 2024.)
引用した部分に、
rankle
という動詞が使われています。
苦痛を与える、心をうづかせる、苛む、という意味なのですが、この単語の語源には興味深いものがあります。
スペルはRで始まりますが、遡るとラテン語dracunculusに辿り着き、これは小さな蛇という意味だそうです。
ラテン語dracoが蛇、または竜(dragon)を意味するのですが、小さな蛇(あるいは竜)が人を憤慨させる、苦痛を与える、という意味になるのは不思議ですね。
ここに語源の妙味と言いますか、面白さがあるんですが、小さな蛇というのはそれこそ蛇に噛まれてできた傷、また化膿したり腫れたりした部分を言ったものなんだそうです。ミミズ腫れのようになった傷から小さな蛇の姿を連想したものとか。
そこから動詞rankleは、化膿した傷のように苦痛を与える、うづくような不快を与える、という意味になったということです。
そう言えば今年は辰年でしたね。
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