トランプ元大統領の発言が物議を醸しています。
問題になったのは発言の中で出てきた"bloodbath"という単語。
トランプ氏は、自身が大統領に選出されずバイデン氏が勝つようなことがあれば、"bloodbath"になるだろう、と発言。
映像などを見た訳ではありませんが、議論が白熱して、同氏が激高している様子が想像されます。
Rep. Mike Turner said Sunday it was clear that former President Donald Trump’s reference to “a bloodbath” should he lose the November election pertained to the auto industry, not to a surge of political violence.
At a rally in Ohio on Saturday, Trump said, “Now, if I don’t get elected, it’s gonna be a bloodbath. That’s going to be the least of it. It’s going to be a bloodbath for the country.”
(David Cohen. Reaction to Trump’s speech: When is ‘a bloodbath’ not a bloodbath? Politico. March 17, 2024.)
それにしても"bloodbath"とは穏やかではありません。血の海、血の池、大量の血を浴びるということです。辞書を引くと、最初に出てくる定義は、
大量殺人、大虐殺
(ランダムハウス英和辞書)
です。
俺が負けたら支持者らの暴動が発生し、多数の死者が出るぞ、そんな風に聞こえても仕方ありません。2021年1月6日に発生したワシントン議事堂襲撃事件を彷彿とさせます。
民主党のペロシ議員らはトランプ氏の発言に強く反発し、11月の大統領選は絶対に負ける訳にはいかないとコメントしたということです。
ところが、引用記事にありますように、トランプ氏擁護の関係者らは、"bloodbath"という言葉はアメリカ自動車産業の保護というコンテクストで出てきたもので、その意味合いは経済の大不況というものである、と援護しています。
なるほど、American Heritage Dictionaryを引くと、
A situation, such as a stock market crash, in which many investors suffer great losses
という定義がみえますし、ランダムハウスにおいては従業員などの大量解雇という意味も載っています。
"bloodbath"という言葉が、著しい経済不況とか、市場の混乱による経済への大打撃、という意味合いで使われるというのは確かなようです。
トランプ氏の発言はアメリカの自動車産業を守るため、海外からの輸入車に100%の関税をかける、という主張を展開する中で飛び出してきたようですが、同氏の過激、苛烈な性格故、人の血が流されるというイメージが先行してしまうのも仕方ないのかもしれません。
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