アメリカ・ニューヨークのJFK空港に向かっていたアリタリア航空機が無人偵察機とニアミスしたというニュースがトップニュースになっています。
(CNN) -- An unmanned drone came within 200 feet of a commercial jet over New York, triggering an FBI appeal to the public for any information about the unusual and potentially dangerous incident.
The crew of Alitalia Flight 608 approaching John F. Kennedy airport on Monday reported the sighting.
"We saw a drone, a drone aircraft," the pilot can be heard telling air traffic controllers on radio calls captured by the website LiveATC.net.
(Aaron Cooper. Drone came within 200 feet of airliner over New York. CNN. March 5, 2013.)
無人偵察機のことを、"drone"と表現しています。辞書で引くと、無人飛行物体という訳語が確認できました。American Heritage DictionaryやMerriam Websterにおいても、"an unmanned aircraft or ship guided by remote control"とあります。
ですので、わざわざ“偵察”と付け加える必要はなさそうなものですが、トップニュースの扱いから伝わってくる緊迫性、また(根拠は全く無いのですが)何となくテロを予感させるインシデントだけに、“偵察”がふさわしいようにも思われます。
さて、"drone"という単語にはいろんな意味があるようで、オスの蜜蜂(a male bee, especially honeybee - American Heritage Dictionary)というのが第一義のようです。そして、そのハチが飛ぶときのブーンという低い音から生まれたのでしょうか、低い単調な音を立てるという動詞の意味もあります。
また、面白いことに、"drone"の名詞の意味に、(他人の労働で生活する)怠け者、という意味があるのですが、これはオスの蜜蜂は巣にずっといるだけで働かず、女王蜂と交尾するためだけに存在するということの連想から発展した意味だという説があるそうです。
では、無人(偵察)機なる意味はどのようにして生まれたのでしょうか?
残念ながらもっともらしい説明を見つけられなかったのですが、無人機が不気味に飛行する様子は、鈍く低い単調な音を立てているようにも思われますし、離れたところで人に操作されているという点では、オスの蜜蜂と女王蜂の関係を彷彿とさせるようにおも思われます。
2013年3月6日水曜日
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