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2013年3月12日火曜日

NYのソフトドリンク規制に無効判決 ― under the guise

つい先日、ニューヨークのブルームバーグ市長が新たに携帯音楽プレーヤーのイヤホン使用を戒める啓発活動に乗り出すというニュースで話題にしたばかりですが、今日は、以前市長が提案したソフトドリンクの規制について、裁判所が無効の判決を下したという一件がトップニュースになっています。

多くの記事で無効判決を支持する論調のものが多く、嗜好品まで規制するのは越権行為だというような主張が多くみられます。


New York City's soft drink sellers celebrated a sweet victory Monday when Mayor Michael Bloomberg's controversial ban on large-size sugary beverages was overturned by a New York state judge.

"We're excited. We're happy," said Russell Levinson, general manager of Movieworld in Queens. He said he is relieved that, at least for now, the theater doesn't have to ditch the four drink sizes that would have been banned under the new regulations.

The size limit had been set to take effect Tuesday.

On Monday afternoon, New York Supreme Court Judge Milton Tingling ruled that the city health board didn't have the authority to limit or ban a legal item under the guise of "controlling a chronic disease."
(Laura Patrecca. Judge blocks NYC large soda ban; Bloomberg vows appeal. USA Today. March 11, 2013.)


問題の“規制”は、ニューヨーク市民の健康を心配した市長が、サイズの大きいソフトドリンク類の販売を禁止するというもので、今週火曜日、つまり今日から発効するものでしたが、ぎりぎりのところで、昨日月曜午後に無効判決が出たということです。

この規制によって影響を被るストアオーナーや映画館の売店担当者らは胸をなで下ろしているようです。

さて、今日取り上げたい表現ですが、


under the guise (of...)


というものです。よくつかわれるフレーズですのでご存知の方も多いと思いますが、"guise"とは外見、外観のことで、"under the guise of..."は、of以下で示した状況や状態を装って、見せかけて、という意味で使われる成句です。

"guise"にはもともと服装という意味があり、身なりやファッションを指す表現でもありました。"disguise"(変装する)という単語を思い出していただけると分かりやすいのではないでしょうか。

判決によると、市長といえども、(ソフトドリンクという)違法でもない食品を、慢性疾患を予防するとの“見せかけの”理由で規制する権限はない、ということで無効とされたようです。

さて、"guise"という表現は、見せかけという日本語からもそうですが、偽装という意味合いが色濃く出てきます。つまり、"under the guise of..."のof以下で示されている状況や状態、主張などは、本来の意図を隠すための偽りのものである、というような意味が含意されています。

とすると、ソフトドリンクを規制しようとしているブルームバーグ市長の本来の意図は何なのでしょうか?

無効判決を受けた市長は、禁止ではない、分量のコントロールを問題にしている、と控訴する構えのようです。


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