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2015年10月16日金曜日

see eye to eye

マクドナルドが朝食メニューを(朝食時間帯だけではなく)終日販売することを決めたところ、店舗側がどうやら反発しているようです。

朝食メニュー提供時間帯を延長することで店舗側はオペレーション上色々困ったことが起きるというのがどうやら理由のようです。


Serving breakfast all day is a lot more complicated than it looks.

McDonald’s might be pleased with its roll-out of an all-day breakfast menu, but its franchisees don’t seem to agree.

According to a report by Japanese finance company Nomura, released on Thursday, which surveyed 29 operators at more than 200 locations, the implementation of the new menu has been a disaster, according to Business Insider. Many franchisees complained to Nomura that the all-day breakfast menu slowed service and dragged down quality.
(McDonald's and franchisees don't see eye-to-eye on all-day breakfast. Fortune. October 15, 2015.)


方針を変更するのは「本社」であり、反発しているのは各店舗という「現場」、という構図なのでしょう。

さて、タイトルに注目したいのですが、


McDonald's and franchisees don't see eye-to-eye on all-day breakfast


"see eye-to-eye"は、目と目を合わせて、という意味ですが、


意見が一致している、同調している


という意味の成句です。

この表現は否定形で用いられることのほうが多く、要は引用した記事のコンテクストと同じく、同調していないことを表現するのに使われるのがもっぱらのようです。

さて、ランダムハウス英和によると、この表現はイザヤ書に出てくるそうです。そのくだりとは、イザヤ書52:8ということになっています。(研究社の大英和でも同様の注釈です。)

どのような使われ方をしているのかと思って、早速、新共同訳の聖書を参照しました。


その声に、あなたの見張りは声をあげ
皆共に、喜び歌う。
彼らは目の当たりに見る
主がシオンに帰られるのを。
(日本聖書協会)


“目の当たりに見る”という部分が相当するようですが、"see eye to eye"は欽定訳(ジェイムズ王訳)とされる版で見られます。


Thy watchmen shall lift up the voice; with the voice together shall they sing: for they shall see eye to eye, when the LORD shall bring again Zion.


(新国際訳(New International Version)と呼ばれる版では、"see it with their own eyes"となっており、"see eye to eye"ではありません。)


日本語訳を読む限り、現代で用いられる意味とは違った意味で使われているのですが、それが“意見が一致している”という意味になった(発展した)背景がよく分からないと思いました。

イザヤ書における当該章は、主がシオンに戻ってくるくだりについて記述しているものですが、そのことを歓喜する民について、


(they shall) see eye to eye


となっています。

これは、ある事を互いに喜ぶというのは、(そのある事について)見方が一致している、つまり同調している、ということであり、"see eye to eye"が今日の意味に発展した背景というのがミソなのではないかと解釈できます。


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