ディーゼルエンジンの排ガス量の不正操作が明るみになり、そのブランドが大きく傷ついた独・フォルクスワーゲン社ですが、今日の朝刊ではリストラの可能性が報じられていました。全世界で何十万人という社員が影響を受ける可能性が指摘されています。
会社組織というものは一旦スキャンダルにまみれるととことんまで貶されてしまいます。VW社についてもその浪費体質が指摘され始めています。
同社経営陣は当面、不要不急の投資は凍結することを決定しました。
Volkswagen AG’s lavish parties typically featured a surprise guest, from the Pet Shop Boys to Robbie Williams to Justin Timberlake. Now the music is about to stop.
The parade of global pop stars was part of a culture of spending at the world’s biggest carmaker. Confronted with billions in repairs and fines from an engine-rigging scandal, Chief Executive Officer Matthias Mueller vowed on Tuesday to put everything that’s not absolutely vital on hold. Addressing 20,000 workers at Volkswagen’s main Wolfsburg factory in Germany, Mueller prepared the crowd for “massive savings,” in what would “not be a painless process.”
(Elisabeth Behrmann. VW Stops the Music as Diesel Scandal Buries Culture of Spending. Bloomberg. October 7, 2015.)
記事のタイトルにある、
VW Stops the Music
という表現に目が留まりました。どうやら特殊な意味で使われていると想像がつきます。
ランダムハウス英和を引いてみると、「やめろ!待て。」という意味の口語として載っていますが、ここではVW社が不要不急の投資を当面凍結する、と発表したことについて言っています。
"stop the music"というのは何か重大なことが発生したことを受けて、今やっていることを止める、という意味だそうです。
"stop the press"という表現としても知られているのだそうですが、ここでいう"press"は印刷機のことです。ネットのオンライン辞書で下記のような説明がありました。
Inf. Stop everything!; Hold it! (Presses refers to the printing presses used to print newspapers. This means that there is recent news of such magnitude that the presses must be stopped so a new edition can be printed immediately.)
つまり、ニュース記事を印刷中に突然重大ニュースが飛び込んできたので、一旦印刷機で刷るのを止める必要がある、ということなんですね。
"stop the music"というフレーズについては、アメリカのテレビ番組のタイトルに由来するという説もあるようです。そのテレビ番組というのは、日本でもよくある(今もあるのでしょうか?)、音楽のイントロを流してそのタイトルを参加者が当てる、というものです。どれだけ早く当てられるかを競うもので、"stop the music"は、曲のタイトルがいち早く分かった回答者が手を挙げる(他者に先駆ける、つまり割り込む)ということと同義になったわけです。
同じミュージックですが、以前に、"face the music"という成句を取り上げました。意味するところがまったく違っていますが、比較してみると面白いです。
2015年10月7日水曜日
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