ある会社(他社)のスタッフの学歴分布を示した円グラフだったのですが、MD、MS、MBA、Other、などと並んで、"Associate"とあったものです。
読者の皆さんは、MDがMedical Doctor(医学博士)、MSがMaster of Science(サイエンス系学部の修士)、MBAがMaster of Business Administration(経営学修士)、をそれぞれ指すということはご存知でしょう。
その場(打ち合わせ中でした)で、出席者の一人がこの"associate"は何を指すのか、という質問をしたのですが、奇妙なことに担当者はその質問に答えられず、「後日回答します」ということになりました。
その"associate"に、再び今日、偶々出くわしたというわけです。
Although this generation of students is often taught that a four-year degree is the gold standard for career success, for many lucrative and stable jobs, the path happens to be just two years long. In other words, there are some professions — especially in the high-demand healthcare and technology sectors — for which an associate degree is your ticket in.
If you’re hoping to get a jump start into the working world, or change careers without having to pursue a full-fledged bachelor’s degree, here are some excellent, in-demand two-year degree jobs to consider:
(6 lucrative jobs you can get with an associate degree. USA Today. November 30, 2015.)
担当者からの後日回答は、「短大卒のことです」、というもので一件落着したのですが、考えてみれば担当者がその場で答えられなかったのは、おそらくそんな質問を予想もしていなかったということもありますが、この"associate"という単語が分かりにくいものであることを物語っているとも言えます。
"associate"の訳語でよく言われるのは、「仲間」とか「同僚」という日本語です。少し大きな辞書になると、「(学会・組織などの)準会員、会友」といった意味が載っています。
Merriam-Webster Dictionaryでは、下記のような定義がされています。
having secondary or subordinate status
この定義は何となくですが差別的に響きます。また、上記の引用記事では、"associate degree"を"four-year degree"と対比しています。この"four-year degree"というのはいわゆる学士号(Bachelor's degree)ですが、学士号については、"full-fledged"という形容をしています。「一人前の」という意味ですが、そうすると短大卒は半人前と貶されているようではないでしょうか。
会社の役職名でも、"associate"という表現が出てくることがよくあります。
“アソシエイト”というのは大抵の場合、部下を持たない一般職(この「一般職」という表現も「総合職」と比較されて、これまたよく分からない奇妙な表現ですが)を指すようですが、企業によっては制度が違っていることもあるかもしれません。
しかしながら、海外の人を名刺交換すると、"Associate Director"というタイトルが付いていたりします。これは、アソシエイトを部下に持つディレクター職(管理職)の人なのか、ディレクターというタイトルが付いているけれども部下を持たない人なのか、訳が分かりません。(経験では、後者のケースが多いように思われます。)
その他、アソシエイト・コンサルタントだとか、シニアアソシエイトだとか、これまたよく分からない表現も存在するのですが、ここまで書いてみて、分かりにくいのは"associate"という単語が悪いのではなく、組織の役職制度が複雑であることに原因があるという気がしてきましたのでこの辺で止めます。
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