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2015年12月2日水曜日

今さら聞けない"trip"の意味 ― trip up

いよいよ師走、12月に入り、街中はクリスマスのイルミネーションが賑やかになりました。尤も、早いところでは11月中旬くらいから商業施設などではクリスマスツリーがお目見えしていましたが、12月に入ってからは一般の住宅でも外壁や窓などでの装飾が目立ちます。私の近所では、わざわざよその地区の人が見に来るほど派手なイルミネーションを施している話題の家があります。

ところで、クリスマスのイルミネーションがWi-Fiの通信に悪影響を及ぼす、といったら意外に思うでしょうか?


Holiday lights are meant to add some cheer to your day, but a British regulator has pointed out that they may have an unwanted side effect: interference with your WiFi network.

On Tuesday, Ofcom -- an agency similar to the Federal Communications Commission -- named holiday lights as one of many electronic devices that can trip up your Internet connection. The agency has released a new app to check for interference that, alas, is only available in Britain.
(Hayley Tsukayama. Are your holiday lights killing your WiFi? The Washington Post. December 1, 2015.)


実はクリスマスのイルミネーションに限らず、一般家庭に存在する色々な装置がWi-Fiの通信速度に少なからず影響を与えるそうです。例えばよく知られているものとして電子レンジがありますが、2.4ギガヘルツという周波数帯がWi-Fiと一致するために、電子レンジを稼働させると通信速度が低下するという問題が発生します。

クリスマスのイルミネーションにしても、多くの電線が周波数に干渉すると言われています。点滅を繰り返すような電飾は影響の度合いが大きいそうです。アメリカではクリスマスの時期にWi-Fiルーターのメーカーや通信会社への問い合わせが一時的に増加するというデータがあるそうです。

さて、今日の表現に話題を変えましょう。

今日取り上げるのは、"trip up"というものですが、ここでは、


妨害する


というくらいの意味で使われていると考え良いでしょう。"trip"には、


よろめかせる、つまずかせる、ひっかける


などの意味があります。階段や石などにつまずいてよろけることを


trip on a stone/a step


などと表現しますが、私たち日本人の多くはトリップ=小旅行、くらいの意味が真っ先に出てきます。

実は、"trip"の語源をたどると、元々はダンスを踊る時の軽やかなステップを指す意味だったということが分かります。その後意味が変化し、つまずく、よろめく、という意味が出てきたそうですが、小旅行を意味する「トリップ」との関連性は定かではないそうです。

ちなみに、薬物中毒者が幻覚症状を経験することを「トリップする」と表現することがありますが、こちらの意味は1900年代半ば以降に見られるようになったものです。


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