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2018年8月23日木曜日

to a crawl

グーグルニュースのヘッドラインを斜め読みしていたら、以下のようなタイトルが目に留まりました。


As California firefighters battled the state's largest wildfire, Verizon throttled their data
(CNN. August 22, 2018.)


少し前にカリフォルニア州で山火事があったニュースは知っていましたが、通信会社のVerizonが何で出てくるのかよく分からず、記事を読んでみました。


A Northern California fire department says Verizon slowed its wireless data speeds to a crawl last month, rendering some of its high-tech tracking equipment almost useless as firefighters battled the largest wildfire in state history.

In an August 20 court filing, Santa Clara County Fire Chief Anthony Bowden said his department relies on internet services to keep track of fast-moving fires and coordinate resources and efforts among emergency personnel.
(ibid.)


読んでみてやっと分かったのですが、山火事対応で消防当局が奮闘する中、Verizonが通信規制を行ったために、対策本部のデータセンターの通信に悪影響を及ぼし、消火活動にも影響が出たたということのようです。

記事の中で、


Verizon slowed its wireless data speeds to a crawl


という部分の表現に注目したいと思います。

"to a crawl"の"crawl"は水泳の泳法の1つであるクロールのことです。

クロール泳法では足、はバタ足で、両手を交互に掻いて進みます。4泳法の中では最もスピードが出る泳ぎですが、"crawl"の動詞の意味は「這って進む」であり、ゆっくり、のろのろ、です。

昔、アメリカで交通渋滞にはまって約束の時間に遅れるという同僚が、運転する車から携帯電話口で、"We're crawling..."と言っていたのを思い出しました。

"crawl"の語源ですが、古ノルド語に遡るようですが、一見何の関係も無い、カニを意味する"crab"とも同根というのは興味深いところです。手で掻き分けて進む(claw one's way)という意味合いがベースにあるようです。

泳法のクロールという意味が生まれたのは20世紀になってからで、英国人スイマーのFrederick Cavillがクロールの泳ぎ方と這いつくばって進む動きに類似性を認めて言い始めたことからです。


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