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2020年6月2日火曜日

insurrection

ミネソタ州で黒人が警官の過剰な拘束により死亡したのをきっかけに勃発した抗議デモが過激化し、全米各地に拡大する状況を受けて、トランプ大統領が、


Insurrection Act


の発動を検討していると報じられています。


President Trump threatened Monday to take military action in American cities if the violent demonstrations that have been taking place in recent days aren't stamped out.

"If a city or state refuses to take the actions that are necessary to defend the life and property of their residents, then I will deploy the United States military and quickly solve the problem for them," Trump said in a short statement in the Rose Garden at the White House.

To do that, the president would need to invoke what's known as the Insurrection Act of 1807.
(Domenico Montanaro. What Is The Insurrection Act That Trump Is Threatening To Invoke?. NPR. June 1, 2020.)


1807年制定の”Insurrection Act”は反乱法と訳されるようですが、”insurrection”というのは、暴動、反乱、謀反、などという意味の名詞です。暴動を鎮圧する目的で、大統領が軍隊を配備することを可能にする法律と言われています。

この単語を知りませんでした。

そのスペルから、接頭辞のin-とsurrect(ion)からなるものだろうとまずは分析、接頭辞のin-は否定の意味合いだろう、ではsurrect(ion)は何だろう、というところで分からず辞書を引くことになったのです。

実のところこの接頭辞in-は強意の接頭辞で、surrectionは英単語の”surge”(to rise up)に相当するものと分かりました。

ほぼ同じ意味合いで、語源的にも、スペルでも近い単語に、


insurgence
insurgency


という2つの単語があります。こちらは、surgeがスペルに見えるという点で違いがあります。意味はやはり、反乱、暴動、といったものです。

使われ方やニュアンスの違いは見出せませんが、“insurrection”の方が古くから存在するらしく、初出は15世紀とあります。(“insurgence”、“insurgency”は19世紀になってから。Merriam-Webster Dictionaryによる。)


1 件のコメント:

  1. 蘭です。
    あまり見たことのなく、あまり使うチャンスもない単語を覚えました(笑)。
    ジョージの死はアメリカで波紋を広げているにつれ、デモも過激化しています。同時、香港の抗議デモで狼煙が上がっている時に、米国の下院議長ペロシ氏は「目を見張る美しい光景」とコメントしました。それで、中国ではメディアから個人のライターや評論家がこの言葉を引用し、香港とアメリカを引き合いにしています。
    これは悲しいことだと思います。責め合いは問題解決になんの役立ちにならないからです。いくら正当な理由があっても、デモが過激化したという時点で、デモを中止するべきのではないでしょうか。加えて、香港のデモはより組織化しています。催涙ガスの対処法、ヘルメット、自己生産の燃焼弾、過激者を庇おうとする記者(これは記者の証明証を持っている人であり、本業が記者だというわけには限らない)など、このように厳密な組織がデモがより恐ろしいものでしょう。どう見ても「美しい光景」ではありません。もちろん、アメリカのデモも同様です。
    勉強になりました。ありがとうございます。

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