日曜日の邦紙朝刊で、新型コロナウィルスワクチンの準備状況を報じていました。
海外ではイスラエルや米国、英国、インドなど諸外国が既に先行していますが、日本でもいよいよ2月後半くらいから接種がスタートするようです。
記事では、厚労省が構築する、ワクチンの流通管理システム「V-SYS」について取り上げていました。
"V"は恐らくは"vaccine"の"V"、"SYS"は"system"のことだろうと思います。(もしかしたら、Victoryの“V”かも!?)
ところで、ワクチン("vaccine")の語源をご存知でしょうか?
"vaccine"はラテン語vaccinusから来ており、このvaccinusは同じくラテン語vacca(雌ウシ)から来ています。
つまり、元々の意味は、(雌)ウシ、なのです。
かつて、18世紀の話ですが、天然痘(疱瘡; smallpox)の予防のために、同種の病気で症状がより軽い牛痘(cowpox)のウィルスを接種し、免疫をつけるということが行われていました。
その背景には、ウシの世話に従事する労働者が牛痘に罹患しながらも、なぜか天然痘にはかからないという事実に着目した医師がありました。
牛痘のことをvariolae vaccinaeと言い、このラテン語は「ウシの」(vaccinae)「天然痘」(variolae)という意味です。(つまり、今日でいう「ワクチン」の意味合いはありません。)
variolate(また、variolation、variolization)という英単語も(天然痘の)接種の意味で使われますが、もっぱら"vaccine"が(予防接種としての)ワクチンとして使われるようになったのです。
奇遇にも今年はウシ(丑)年であります。
厚労省のV-SYSが大きな問題なく稼働してワクチンが予防効果を発揮し、コロナ撃退の丑年(コロナに打ち勝った人類のVictoryを記念する年)となることを願ってやみません。
Carolyn Zain had heard horror stories about the nation’s coronavirus vaccine rollout: long waits, clunky websites, people being turned away. So when her health department announced it was expanding appointments, she armed herself with two phones — cellphone in one hand, landline in the other — and held her breath.
(Sarah Mervosh. How West Virginia Became a U.S. Leader in Vaccine Rollout. New York Times. January 24, 2021.)
以前取り上げた"inoculate"もご覧ください。
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