先日発生した、暴徒による連邦議事堂の占拠をきっかけに、最大級の警備態勢が敷かれています。
ところが、警備に携わる関係者の中に「不適格者」が紛れ込んでいるということで、任務から除外されるスタッフが出ているということですから、念の入れようも半端ではありません。
Twelve Army National Guard members have been removed from inauguration duty in Washington, DC, as part of the security vetting process initiated, in part, to ensure troops tasked with securing Wednesday's ceremony in the nation's capital do not have ties to extremist groups, the Chief of the National Guard Bureau said Tuesday.
(中略)
The nation's capital is on edge ahead of President-elect Joe Biden's inauguration. While much of Washington has been shut down following the deadly riot at the US Capitol on January 6, defense officials have sought to reassure the public that the troops sent to protect the inauguration are being fully vetted.
(12 Army National Guard members removed from inauguration duty. CNN. January 19, 2021.)
12名の警備員が"security vetting process"の結果、外されたということなのですが、"vetting"という表現について取り上げたいと思います。
コンテクストから、この"vetting"はいわゆる身辺調査、バックグラウンドチェックのことだろうな、と想像がつくと思います。引用したCNNの記事では複数個所で"vetting"、"vet"という動詞が使われています。
実は以前にも"vet"を一度取り上げています。その時の投稿で取り上げた意味合いは、(原稿などを)精査する、正確性を吟味する、といったもので、今回のような「身辺調査」といった意味もあるとは認識していませんでした。
改めて辞書を引いてみると、手元のランダムハウス英和、American Heritage Dictionaryでは、この「身辺調査」という類の意味が見当たらないのです。
このような意味で使われる"vet"は、"veteran"という単語を想起させますが、実は無関係です。動詞の“vet”は、"veterinary"(獣医学の意)から来ており、競走馬をレース前に獣医が慎重に検査したことに由来するそうです。
そこから発展して、雇用や取引の前に候補者を詳しく吟味することを意味するようになったもののようです。吟味の内容は、身体検査(健康診断)から経歴(バックグラウンド)のチェックまで様々です。
私事ですが、今日は年1回の健康診断を受けてきました。
健康診断は英語で"medical checkup"ですが、"vetting"といってもあながち間違いではないのでは、などと思いながらこれを書いているところです。
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