G7サミットでイギリスを訪問したバイデン大統領はエリザベス女王に拝謁しましたが、バイデン氏の振る舞いに英国王室で求められる儀礼に反するものがあったという指摘があります。
数日前のものですが、関連する記事から引用しました。
President Biden is being slammed for violating royal protocol in his meeting with the Queen, after he couldn’t be bothered to take off his sunglasses when he greeted the monarch at Windsor Castle, and then went on to spill details to the press about what they discussed over tea.
(Mark Moore. Biden accused of violating royal protocol during visit with the Queen. New York Post. June 14, 2021.)
エリザベス女王を真ん中にして大統領夫妻が両脇に立つ写真などを記事で見ることができますが、大統領はサングラスをしており、儀礼(royal protocol)に反するとされる指摘のひとつです。
また、女王とのお茶会で話した内容をメディアに暴露したとも言われています。
こうした行為が"royal protocol"に反していると指摘されているのですが、今日はこの"protocol"という単語を取り上げたいと思います。
「外交儀礼」という意味の他にも様々な意味で用いられるのですが、そもそも"protocol"とは、
巻物状のパピルス写本に張られていて、内容に関する覚え書きが書かれている紙片ないし札
(ランダムハウス英和辞書)
のことだそうです。
ギリシャ語のprotokollonに由来しているのですが、proto-は「プロトタイプ」などのカタカナでもお馴染みのように、最初の(first)、という意味の接頭辞で、-kollaとは膠(糊)のことだそうです。
つまり、書物などの概要を書きつけておいた紙片を貼り付けておく習慣が昔はあったようです。
そういった書物、文書の類には異国間のやり取り(取引)や外交に関するものが多かったようで、その後、外交上の儀礼を取り決めたもの、というように意味が変容してきたということです。
この「やり取り」という意味合い、つまりコミュニケーションという意味合いは、現代ではコンピュータ間の通信の方式を定める「通信プロトコル」を指すように意味的な発展を遂げていることはご存知の通りです。
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