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2022年4月4日月曜日

a thorn in one’s side

ウクライナの戦況に見通しが立たない中、隣国のハンガリーで議会選挙が行われ、現職のオルバーン氏が首相に再選されました。

既に3期12年在位しているところ、4期目の当選を果たした模様です。

問題は、強権的と言われるオルバーン氏が親露派であるというところで、EU諸国の中でも最もクレムリンに近いとされるところにあります。


Hungary's nationalist Prime Minister Viktor Orban declared victory in Sunday's nationwide election, with partial results showing his Fidesz party leading the vote by a wide margin.

(中略)

Orban, widely regarded as the most pro-Kremlin leader of the 27 nations of the European Union, has spent 12 years in power in Budapest. He is the country's longest-serving leader since the fall of communism in 1989 and has long been a thorn in the side of the EU.
(Matt Clinch. Nationalist Viktor Orban declares victory in Hungary election. CNBC. April 3, 2022.)


オルバーン氏については、記事中、


a thorn in the side of the EU


と表現されています。"a thorn"はとげ(棘)のことですから、何が言いたいかは大体分かるというものですが、この表現は成句で、


苦痛を与えるもの、悩みの種
(研究社新英和大辞典)


という意味です。直訳すると、脇腹に刺さったとげ、ということになるのですが、ランダムハウス英和では、「目の上のたんこぶ」という訳がありました。なお、


a thorn in one’s flesh


という場合もあるそうです。

興味深いことに、この表現は聖書の表現に因むそうで、新訳聖書のコリンとの信徒への手紙においてこの表現が使われています。(以下、聖書からの引用は新共同訳。)


それで、そのために思い上がることがないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。
(コリントの信徒への手紙 12:7)


ここでの英語は、"a thorn in one’s flesh"(King James Version)となっています。

"a thorn in one’s side"については、以下に引用する民数記では「茨(いばら)」と訳されています。


もし、その土地の住民をあなたたちの前から追い払わないならば、残しておいた者たちは、あなたたちの目に突き刺さるとげ、脇腹に刺さる茨となって、あなたたちが住む土地であなたたちを悩ますであろう。
(民数記 33:55)


この他、"a thorn〜"は、聖書中の他の書でも見られるようです。


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