11月も後半、早や年の終わりが見えて来ましたが、今年を振り返ると人工知能(AI)に大騒ぎしたことが思い出されます。
ChatGPTなるAIが手軽に使えるようになり、いよいよ人間に残される仕事や創作活動は何かの議論が沸騰しました。
そして、つい先日、生成 AIの先端を行くOpenAIにおいて、CEOであるサム・アルトマン氏が解任されるという事件が世間を騒がせています。
CNNのオピニオン記事からの引用です。
The biggest tech news this week is the ouster of Sam Altman from his role as CEO of OpenAI, a move that has shaken the company and the industry. Hundreds of OpenAI employees have threatened to resign. Altman has already moved on to a role at Microsoft. And OpenAI, the company behind ChatGPT, is on its third CEO in as many days.
(中略)
OpenAI was founded as a nonprofit, with an explicit mission to harness what may soon be superhuman intelligence “to benefit humanity as a whole.” But that sensibility hasn’t lasted. The company now has a multi-billion-dollar for-profit arm.
(Jill Filipovic. Opinion: The drama around Sam Altman is an urgent warning. CNN. November 21, 2023.)
人間の将来に大きく影響を及ぼす ことは確実と考えられているAIの開発、実用化には一定の規制が必要との議論がある一方、今回の解任劇の詳細やその後のOpenAIの経営陣については分からないことが多過ぎます。
記事は、こんなに重要な技術の開発に携わっている会社やその責任者の素性が不透明なのは如何なものか、と問い掛けているようです。
記事では続けて以下のようなくだりがあります。
But then they fired him without warning, and apparently without involving Microsoft, the company’s largest shareholder. Now, Altman is at the new AI group at Microsoft, and one has to wonder if the oversight and caution there will be on par with that at OpenAI, or if he’ll be handed carte blanche to push as fast and hard as he wants.
(ibid.)
Open AIのCEOを解任されたアルトマン氏は早速マイクロソフト社に移籍したようですが、同氏の今後が注目されます。特に、
if he’ll be handed carte blanche to push as fast and hard as he wants
ということだとあります。
ここで使われている"carte blanche"とは、
白紙委任、全権委任
という意味です。
つまり、移った先のマイクロソフト社でAI開発のタガがはずれてしまうのではないかという懸念です。
スペルからお分かりのように"carte blanche"はフランス語で、英訳すると"blank document"、あるいは"blank note"となります。
署名だけしてあって、条件など細かいことは後から好きなように記載することができる書類、あるいは金額の記載のない小切手のようなもので、事実上制約が無い、という意味で用いられます。
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