まずは、下記に引用する記事を読んでみてください。
China’s manufacturing teetered on the edge of contraction in July, signaling a rebound in economic growth has yet to take hold.
The Purchasing Managers’ Index unexpectedly fell to 50.1 in July from 50.2 in June. The reading today from the Beijing-based National Bureau of Statistics and China Federation of Logistics and Purchasing was the weakest in eight months and compares with the 50.5 median estimate in a Bloomberg News survey. A reading above 50 indicates expansion.
(China Manufacturing Teeters Close to Contraction. Bloomberg. July 31, 2012.)
言うまでもありませんが、経済のニュースです。私は経済学に明るい訳ではなく、特に数字が出てくるとまったくダメなのですが、それはさておいて英語表現の"teeter"に注目します。
"teeter"を辞書で引くと、
動揺する、ふらふら(ぐらぐら)動く;シーソーに乗る
といった訳語が出ています。ランダムハウス英和では、”主に米北部”という但し書きがあるのですが、シーソーのことを"teeter"と表現したっけ?とまず思いました。
そうです、シーソーを言うのに、"seesaw"という単語がちゃんとあります。"seesaw"という単語は、シーソー遊びがのこぎりで丸太を引く行為(saw)を連想させることから来ているそうですが、その"saw"という単語の音声を重複させて、"seesaw"となったもので、いわゆる"reduplication"と呼ばれているものです。
一方、"teeter"ですが、こちらの語源は震えるという意味の古ノルド語(titra)に由来するそうで、ドイツ語のzittern(同じく、震える、揺れるの意)も同語源なのだそうです。
さて、American Heritage Dictionaryによれば、シーソーを表現する単語にかなりバリエーションがあるらしく、アメリカでも地域によって全く違う単語が使われるそうです。少し列挙してみると、
seesaw
teeter-totter
tilt, tilting board
dandle, dandle board
teedle board
などです。
さて、引用した記事における"teeter"という動詞に話題を戻しましょう。シーソーへの連想から、ここでは経済指標が上がったり下がったり、揺れ動いていることを意味していることは分かると思います。
注目していただきたいのですが、ここでは、
teeter on the edge of contraction
となっており、縮小、後退、つまり景気の後退というその部分で揺れている、ということです。
動詞の"teeter"はこのように、"teeter on the edge of..."という形で、"of"以下の危険、危機が差し迫っている、ということを表現するのに使われます。
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