最近30日間のアクセス数トップ3記事

2012年8月24日金曜日

コロンブスの卵? ― second-guess

今日は”second-guess”という単語を取り上げてみたいと思います。

まずは"second-guess"の実例から。米紙・ウォールストリートジャーナルの記事を引用します。


Mayor Michael Bloomberg on Monday said he wouldn't "second guess" the actions of police officers who shot and killed a knife-wielding man on Saturday during a daylight episode that was witnessed by dozens of bystanders near Times Square, some of whom took video that went viral on the Internet.
"I'm not an expert to go second-guess everything that…happened," Mr. Bloomberg said of the officers who killed Darrius Kennedy, 51 years old, adding that under the circumstances, the police appeared to not "have much choice."

The mayor's comments came in response to questions raised about the shooting and whether police could have disarmed Mr. Kennedy. The use of lethal force in the case has been scrutinized because of the time of day and location of the shooting, as well as the widely viewed Internet video.
(Tamer El-Ghobasy. Lethal Force Is Defended in Shooting. The Wall Street Journal. August 13, 2012.)


ニューヨークのタイムズスクウェア、しかも真昼間にナイフ男が暴れていたのを警官が銃殺したという事件があったようですが、日本でもよく取り沙汰される、“正当な銃の使用だったのか”、といった話題になっているようです。このような事件があると、よく警察署長のような責任ある立場の人が記者会見し、“発砲は適正であったと思われます”などというコメントをしますが、そのようなシチュエーションでしょうか。ここではニューヨーク市長のBloomberg氏のコメントとなっていますが、


he (=Mayor Michael Bloomberg) wouldn’t “second guess” the actions of police officer who shot and killed a knife-wielding man


ということですから、結果として警官による銃殺になってしまったことを擁護するコメントであることは大体想像がつきます。

“second-guess”を辞書で引くと、


1.(人や行為などを)後でとやかく言う;後知恵を働かせて批判する
2.予言・予知する;出し抜く、一杯食わせる


といった意味になっています。ここでは1番目の意味で用いられていますが、なぜ、”second guess”(2番目の”guess”?)なのでしょうか?

実はこの単語の語源には諸説あるそうなのですが、いくつかのインターネット上のリソースによりますと”second-guess”という動詞は、”second-guesser”という名詞からの逆成であるということです。では、”second-guesser”とは何でしょうか?

“guesser”を引いてみると、当て推量をする人という意味(”guess”という動詞の意味からは自然に思われます)の他に、“言い当てた人、正しく推測した人”という意味があるそうです。(研究社大英和)

推測する(guess)という行為は未知のこと、将来のことに対するものであることを考えると、“言い当てる、正しく推測する(した)”というのは結果の話であり、”guesser”が“言い当てた人、正しく推測した人”という意味で用いられるのはちょっと変わっています。

ここで、“正しく推測した人”という意味での”guesser”に、”second”(2番手の)という形容がついたと仮に解釈してみますと、2番目に正しく推測した人、ということになりますが、これはどうでしょうか?最初に正しく言い当てた人の次に同じことを言い当てるのはある意味当然の結果だと考えることもできます。そうすると、”second guesser”というのが後知恵でものを言う、という意味につながってくるように思えます。いわゆる、コロンブスの卵、みたいなものではないでしょうか。

以上は私の推測、独自の解釈です。

実はあるインターネット上のリソースによりますと、”guesser”とは野球などのスポーツにおける審判のことを多少の皮肉を込めて呼ぶ場合に使われるのだそうです。その意味から発展して、野球の試合でプレー内容についてあれこれと批判をする人のことを、”second guesser”と言うようになった、と解説されていました。いわゆる、岡目八目的な言動のことを指していると言っていいでしょう。”guesser”が審判ならば、”second guesser”は2番目の審判、つまりゲームの審判に次いで偉そうにジャッジする人たちを批判的に表現したものではないかと思われます。

こうして色々と考えていると、”20/20 hindsight”という表現を以前に取り上げたことを思い出しましたが、”20/20 hindsight”も結果を受けて後から批判する、けちをつける、という意味であり、表現の成り立ち方に共通のものがあるように思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿