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2015年5月26日火曜日

トドメ ― put the nail in the coffin

まずは引用から。


Google has just published research which puts the nail in the coffin of security question-based password protection. We like to think that security questions are reliable because the answers are easy to remember, but research shows this isn't the case. Not only are the answers to security questions often forgotten, but they are susceptible to attacks by simply guessing answers. These reasons contribute to the evolution of two-step authentication and SMS-based verification codes for quicker, more reliable password retrieval and authentication.
(Google research reveals security questions's vulnerability to attack. Slash Gear. May 25, 2015.)


put the nail in the coffin


という表現は初めて見るように思いました。一読して意味が掴めないでいました。

記事の文脈から説明しますと、インターネットにおけるいろいろなサービスの利用にあたってログインパスワードを忘れた場合に、本人かどうかの認証を目的とした、いわゆる「秘密の質問」というセキュリティの脆弱性が話題になっています。ここでは、"security question"と呼ばれていますが、よくある、「ペットの名前は?」、とか「生まれた町の名前は?」といった、本人のみが回答を知りうる質問というのは、実は単純に推測によって当てられてしまい、セキュリティとして役に立たないという調査結果があるということのようです。

今日取り上げる表現に戻りますと、"put the nail in the coffin"とは棺桶(coffin)に釘(nail)を打ち込む(put)、という解釈になりましょうか。

棺桶に入るのは死んだ時ですから、"coffin of..."以下について、それが死に瀕している、あるいはほとんど死んでいる、というような意味になると推測されます。

果たして、辞書を引いてみますと、


(悩み事や不節制などが)寿命を縮める


という訳語が載っていました。

この表現は、


drive a nail into a person's coffin


とランダムハウス英和辞書には載っていますが、いろいろなパターンで使われるようです。

とりわけ、"nail"の修飾語としては、"last"や"another"、"ultimate"など、さまざまな形容詞が用いられています。

こうして書いていると、ここでの"nail"とは言ってみれば“トドメを刺す”というときの「トドメ」に相当するのではないでしょうか。


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