最近流行が懸念されている、サル痘の感染者数についての記事をお読み下さい。
A FURTHER 104 monkeypox cases have been identified in the UK - bringing the total number of infections to 470.
It's a rise of 28 per cent on figures reported on Friday - as new cases continue to be detected.
(Terri-Ann Williams. Monkeypox cases up by a third with 104 new infections – the 11 signs to know. The Sun. June 13, 2022.)
記事のタイトルを見ると、
Monkeypox cases up by a third with 104 new infections
とあります。
"up by a third"が意味するところを理解しようとして一瞬戸惑いました。
"up"が意味するのは増加だろうと分かりましたが、"by a third"の"a third"は3分の1のはずで、日本語にしてみたら「3分の1(ほど)増加する」ということになり、どうにも奇妙な表現のように思われたのです。
本文を読んでみると、先週金曜日の感染者数が366名であったところ、104名の新規感染者、即ち約28パーセントの増加、ということで、"up by a third"が言わんとするところは、やはり約3分の1の増加、ということなのでした。(厳密には28%と3分の1では計算結果に差があるように思われますが。)
日本語的に考えるならば(!?)、増加という表現と分数は取り合わせが悪いと言うか、結びつきにくいように思われます。減少であれば、3分の1(ほど)減った、とか4分の3に減少、といった言い方はすんなり頭に入ってくるのですが・・・。
ところで、"up by a third"のような、増加を分数で表す表現は英語では普通に用いられているようで、実例を多く確認することができます。
Recent statistics from the CDC suggest that the number of people diagnosed with type 2 diabetes in the United States increased by one third between 1990 and 1998.
(Saturday Evening Post, 2001)
The number of arrests, which had averaged around 80 a year, has increased by a third thanks to increased patrols, said police spokesman Sgt. Jeff Bassett.
(San Francisco Chronicle, 2011)
この類いの言い回しはもっぱら"by a third"、"by one third"などに限られるという訳ではなさそうですが、"by two thirds"(3分の2)や"by three fourths"(4分の3)といったパターンは少ないようで、あまり見られません。
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