今日の朝刊で、フランスの映画監督の巨匠、ジャン=リュック・ゴダールの死去を知りました。(小生、大学生の頃、ゴダールの映画にかぶれておりました・・・。特に好きな「気狂いピエロ」の主演女優だったアンナ・カリーナさんが亡くなったのは約3年前でした。)
91歳でこの世を去ったゴダール氏の死因は朝刊の記事では不明とあったところ、海外メディアの記事を拾い読みしていると、本人の意思による安楽死だったと報じられています。
ゴダール氏はスイスの田舎で余生を送っていたようですが、スイスでは安楽死が一定の条件下で認められているということがあります。
Jean-Luc Godard, the maverick French-Swiss director who revolutionised post-war cinema in Europe, died by assisted dying, his lawyer has confirmed.
The medical report on the death of the 91-year-old director said he had chosen to end his life. He “had recourse to legal assistance in Switzerland for a voluntary departure” because he was “stricken with ‘multiple incapacitating illnesses’”, Godard’s legal council, Patrick Jeanneret, told AFP.
The influential director was said by his family to have died “peacefully at home” with his wife, the Swiss film-maker, Annie-Marie Miéville.
(Angelique Chrisafis. Jean-Luc Godard chose to end life through assisted dying, lawyer confirms. The Guardian. September 13, 2022.)
さて、映画界の巨星とも言うべきゴダール氏については、様々に表現されていて、
French cinema legend
A genius
Cinema’s north star
French New Wave icon
など、色々な言葉で言われていますが、引用したガーディアン紙では、
maverick
とあります。
この"maverick"というのは異端者とか反体制派、一匹狼、といった訳語があてられています。
特定の団体やグループに属さない、というのがその根底にあるのですが、"maverick"は元々は人の名前だったそうです。
Possibly after Samuel Augustus Maverick (1803-1870), American cattleman who left the calves in his herd unbranded
(American Heritage Dictionary)
アメリカのテキサス州にいたSamuel Maverick氏は貸した金の弁済に受け取った子牛400頭を、所有者を示す焼き印をすることなく放置していたそうで、大半を他の家畜農家に取られてしまったという逸話で知られます。
そうしたことから氏の名前は、独自のやり方をするひと、普通の人ならやらないようなことをする人の代名詞のように使われるようになったということです。
ゴダール監督は既成の映画文法を破壊したと評されますが、その斬新さは現代にも色褪せることがないとも言われています。
久し振りに、ゴダール作品が観たくなりました。
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