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2024年4月3日水曜日

anthem

先日、といっても3月の話ですが、豚児の高校卒業式に出席しました。コロナ禍に翻弄された3年間、入学式を始め、学校行事なるものにはほとんど参加することは叶わず、卒業式が子の通う校舎を訪れるほとんど唯一最後の機会となったのでした。

さて、開式にあたり、参加者全員起立、国歌斉唱。日本人として当たり前ですが、かつては君が代の斉唱をしない、起立しないという問題が取り上げられたものです。

同じような話はアメリカでもあるものだと思いました。

引用する記事は学生バスケットボール部の試合に際し、試合開始前の国歌演奏の場を無視してその場に居合わせなかったということで、ルイジアナ州立大学のチームの不遜が取り沙汰されているものです。

州知事の怒りを買ったようです。


Louisiana’s top executive joined the conversation on LSU’s national anthem controversy — and he has an idea that could potentially punish players if something similar happens again.

After coach Kim Mulkey’s team was noticeably absent from the playing of the national anthem before the Tigers’ Elite Eight loss to Caitlin Clark and Iowa in Albany on Monday night, Louisiana Gov. Jeff Landry pushed for a move that would punish student-athletes for missing “The Star-Spangled Banner.”

Iowa, however, was on the court, holding hands as the anthem was performed at MVP Arena.
(Andrew Battifarano. Gov. Jeff Landry wants athletes to lose scholarships for avoiding national anthem after LSU controversy. New York Post. April 2, 2024.)


我々日本人の間でもよく知られているように、米国の国歌は星条旗(The Star-Spangled Banner)です。

国歌を、


national anthem


というのも、英語を学ぶ者には基本的な知識であろうと思います。

ところで、"anthem"という単語の語源には興味深いヒストリーがあるのをご存知でしょうか?

そのスペルに着目してみましょう。

"anthem"という語のan-はanti-(アンチ)から来ていると言ったら意外に思われるでしょう。

"anthem"は後期ラテン語antefana、更にギリシャ語antiphonaに遡ると辞書の語源解説にあります。

ギリシャ語antiphonaに接頭辞anti-を見て取れる訳ですが、このギリシャ語の意味するところは合唱音楽における応答歌、交唱と呼ばれるもので、これは賛美歌や聖歌において、2組の歌い手が交互に歌うスタイルの楽曲を指したものです。

ギリシャ語antiphonaはほぼそのままのスペルで、"antiphon"という英単語になり、残っていますが、"anthem"はスペルを変えながらまた別の単語として派生したということなのです。(いわゆる、二重語と呼ばれるものです。)

従って、"anthem"も元々は宗教行事などにおける聖歌を指していましたが、その意味は賞賛や愛国などを内容とした賛歌や頌歌というものに拡張され、さらに国歌(national anthem)ともなった、ということなのです。

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