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2024年4月29日月曜日

reality check

米ドルのクォーター(25セント)という硬貨のデザインは、表面はジョージ・ワシントン初代大統領の肖像ですが、裏面は州独自のデザインになっていることはよく知られています。

同じような話かと思ったのですが、1ドル硬貨にも州独自のデザインが認められているものがあるようです。

米国造幣局のAmerican Innovation $1 Coin Program というものがあるそうで、2026年発行の1ドル硬貨に刻印するデザインが募集されているそうです。

以下に引用するのはこのデザインを巡る、カリフォルニア州でのお話しです。


California Gov. Gavin Newsom, on Thursday, asked for the public’s help in designing a new $1 coin that honors innovation that came from the state, though many of the responses pointed to anything but positive accomplishments the state was once proudly known for.

(中略)

The constituents did not hold back on providing the governor with ideas that they thought seemed fitting for the state’s new $1 coin.
(Greg Wehner. Newsom gets hilarious reality check after turning to public for new state coin design. Fox News. April 28, 2024.)


カリフォルニア州と言えば、IT産業やベンチャー企業を抱えるシリコンバレーが有名で、イノベーションの見本みたいなものです。

Newrom知事がデザインを公募したところ、予想外の反応があったということなのですが・・・。

というのも、インフレによる物価高を背景にサンフランシスコやロサンゼルスなどの大都市では経済格差が進み、ホームレスが増加、上昇の一途を辿る犯罪件数などで、同州から撤退する企業や人が後を絶たないといいます。

知事の公募に対して、ある市民が提出した案はロスの街中に増えるホームレスのテントをデザインしたもので、皮肉以外の何物でもありません。

引用した記事のタイトルには、知事に対する、


reality check


と断じています。

"reality check"というのは、要は現実を直視せよ、というような意味合いで使われる表現です。

American Heritage Dictionaryでは以下のような定義がされています。


1. An assessment to determine if one's circumstances or expectations conform to reality.

2. An event that forces one to reassess one's expectations or one's understanding of one's situation.


記念硬貨のデザインを募集する前に知事は足元を見直すべき、という声が高まっています。


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