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2024年4月16日火曜日

over easy

"American diner lingo"、つまりアメリカのレストランなどで使われる独特の言い回しを取り上げた記事を興味深く読みました。

記事のタイトルにもある、"Burn the British"とは、マフィンのトーストというオーダーを指すそうです。これは18世紀後半から19世紀始めにかけて、アメリカ独立戦争の際にイギリスから焼き討ちを受けたことへの反発と自国への愛国心が込められたものだといいます。


"Burn the British!" was a popular outcry from waiters to cooks in a largely forgotten uniquely American culinary vernacular. That would be diner lingo. 

"'Burn the British' meant toasted English muffins," recalled David Steinmann, who was born in Brooklyn in the 1940s and today is chairman of the Jewish Institute for the National Security of America (JINSA). 
(Kerry J Byrne. American diner lingo existed in patriotic era when 'Burn the British!' meant toasted English muffin. Fox News. April 15, 2024.)


変わって目玉焼きの話です。

海外のホテルで朝食メニューの目玉焼きを注文して、その焼き方を聞き返されたという経験はおありでしょうか?

よく知られているように、いわゆる「目玉焼き」は英語で"sunnyside"と表現します。目玉焼きでお願いします、と言うときは、


Fry eggs sunnyside up.


のように言います。

一方、両面を焼く場合は、"over easy"と言うのですが、こちらはあまり知られていないというか、小生もそうですが目玉焼きで食すことが多く、両面焼きにしないので、馴染みのない表現です。


"Every diner had the counter man and the cooks," said Steinmann, who as a boy in New York City in the 1950s ate each Saturday with his family at their local diner in the Flatbush section of Brooklyn.

"If you ordered eggs sunny-side-up, the counter man yelled out, ‘Give me a pair looking at ya.' You wanted them over easy, he'd yell, ‘Give me a pair and blind ‘em.'" 
(ibid.)


"over easy"というのは辞書にもちゃんと載っていて、「目玉焼きがほぼ焼き上ったところでひっくり返して反対側を軽く焼いた」(ランダムハウス英和辞書)もので、「黄身の表面は硬いが中身はとろっとした状態に焼き上る」(同)、と説明があります。"over"にひっくり返すという意味がありますから、"easy"はひっくり返した後は軽く(焼く)、というような意味合いかと思いますが、"sunnyside up"と"over easy"は目玉焼き注文の定番フレーズなのです。

ところで、上記の引用では、目玉焼き注文を受けたウエイターが厨房のコックに対し、"sunnyside up"は、


‘Give me a pair looking at ya'


と指示し、一方、"over easy"という注文には、


‘Give me a pair and blind ‘em.'


と指示した、とあります。

これなんかも、やはり卵の黄身を目に見立てて、"blind them"とはいささか乱暴な物言いですが、独特な表現方法だと思います。

その他、興味深い"American diner lingo"については記事をどうぞ。

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