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2019年4月26日金曜日

bastard

最近の若い人は(などと言うと私が年寄りのようですが)、非嫡出子、私生子、という言葉を知っているのでしょうか?

庶子、という表現はどうでしょう?

シェークスピアの作品の和訳にはよくこの「庶子」という日本語が見られます。英語の"bastard”を和訳したものです。

つまり庶子というのは正妻ではない女性に産ませた子という意味なのですが、嫡出、非嫡出という表現は法律的な響きがあって、あまり日常生活で聞くような言葉ではありません。

英語の"bastard”の語源を調べていて興味深い発見がありました。

研究社の大英和を繰っていたのですが、フランス語のfils de bastに由来するとあり、これは“illegitimate son”の意であるとありますが、原義は、


son of packsaddle


なんだそうです。“packsaddle”というのは馬の荷鞍のことで、大英和では「らば追いなどがこれを枕がわりにしたことから」と解説が付いています。

フランス語のfils de bastのbastは“packsaddle”ということになりますが、さらに遡ってラテン語bastumを羅和辞典で引いてみると「棒、杖」とありました。らば追いが使う道具を指すのでしょうか。何だか、らば追いを職にする人間は所構わず行為に及んで私生子をもうけるような人とでも言わんばかりで、差別的な表現のようにも思えます。

これだけでは想像の域を出ないというものですが、Online Etymology Dictionaryを検索してみると、fils de bastというフランス語の表現には“packsaddle”を簡易ベッドに仕立てて使うようなシチュエーションで授かった子、という含みがあるようです。

つまり、ちゃんとしたベッドでの(正妻との)営みではなく、ということですね・・・。

ところで、“bastard”の類義表現に“love child”というのがあり、以前取り上げたことがあるのですが、その投稿では“bastard”にも触れていたのです。

その時は、Merriam-Websterのオンライン辞書を参照していて、語源はゲルマン語系で結婚を意味するbostという語に由来する、と書いていました。

ちなみにAmerican Heritage Dictionaryも同様の語源解説となっており、フランス語、ラテン語を語源とする大英和とは異なっています。

個人的には大英和の解説の方が想像力を掻き立てられる(!?)という点では興味深いものがあります。


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