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2019年9月30日月曜日

wardrobe malfunction

有名人ともなるとそのファッションが注目されることはほとんど当たり前のことになっていますが、特に一国の首脳のファーストレディーや王室、皇室の人ともなると注目度は格段に上がるように思われます。

引用した記事は米大統領のFirst Daughterである、イヴァンカ・トランプさんが取り上げられています。


The First Daughter wore a thin blue blouse paired with a Prada skirt with a yellow flower design that reportedly cost $2,130 (£1,733). Since being pictured at the conference, Ivanka’s malfunction began trending on Twitter as social media users attacked her outfit choice. Ivanka made a fashion faux pas at the event as she seemed not to have realised her top was too thin meaning her chest was on show.
(Claire Anderson. Ivanka Trump humiliated: First daughter suffers wardrobe malfunction at UN Assembly. Express.co.uk. September 30, 2019.)


先日ニューヨークで開催された国連のサミットに出席していたイヴァンカさんですが、記事のタイトルで、


First daughter suffers wardrobe malfunction at UN Assembly


とあるのを見た私は、"wardrobe malfunction"を、控室か何かでの着替えの準備にトラブルでもあったのかと勝手に想像しました。

ところが、記事を読み進めていくと、この"wardrobe malfunction"というのは、どうやら下ネタ的な話であることが徐々に分かってきます。

どうやら、イヴァンカさんが来ていた上着が薄手の生地のものだったようで、胸の部分が透けて見えるというようなことを言っているようです。

そこでこの"wardrobe malfunction"を検索してみると、どうやら特別な意味合いを持つ表現として使われているらしいことが分かりました。

Collins Cobuild Dictionaryでは、


an embarrassing situation caused by the clothes a person is wearing


というように定義されており、着ているものが何かの拍子にはだけてしまったり、着ている本人が決して意図していなかったようなセクシャルなイメージを与えてしまっているようなハプニングを意味するようです。

文字にするのが憚られるのですが、いわゆる「胸チラ」とか「パンチラ」とか言うのと同じ意味合いかと。


2019年9月27日金曜日

locked-in syndrome

ロックドイン・シンドローム(locked-in syndrome)という言葉をご存知でしょうか?

日本語では、「閉じ込め症候群」、「かぎしめ症候群」、また「施錠症候群」などとも呼ばれています。


A bricklayer paralysed by a rare condition after an accident at work aims to inspire other sufferers with a book about his miraculous recovery.

Peter Coghlan, then 34, was left with locked-in syndrome after smashing his head into a concrete slab when he stood up in a tunnel.

Damage to his brain stem meant that although conscious, he could not speak or move apart from tiny eyelid flutters.

At his lowest ebb in hospital, Peter came to the grim realisation he could be a human vegetable for the rest of his life.
(Stephen White. Incredible recovery of locked-in syndrome victim who asked mum to kill him. Mirror. August 29, 2019.)


上記に引用した記事は頭部に外傷を負ったことが原因で"locked-in syndrome"となり、絶望の淵にいたれんが職人の男性が奇跡的な生還を果たしたという話です。

インターネットの脳科学辞典によると、


脳底動脈閉塞による脳梗塞などで、主に脳幹の橋腹側部が広範囲に障害されることによっておこる。眼球運動とまばたき以外のすべての随意運動が障害されるが、感覚は正常で意識は清明である。単に意思表示の方法が欠如した状態であり、ほとんど完全に「鍵をかけられた状態」であることからこの命名がされている。


という解説がありました。

医学的な別名は、


psuedocoma


とも言うようですが、pseudo-(偽の)、coma(昏睡状態)、ということで、偽昏睡という訳語が付いています。


2019年9月26日木曜日

cut above

"(a) cut above"というフレーズで、他の物や他人より優れている(物、人)、という意味があるそうです。

実例を引用してみます。


Disney chairman and CEO Bob Iger told "CBS This Morning" on Tuesday that consumers wouldn't need to choose one streaming service over all others, saying people will likely subscribe to two or three. But as Disney Plus joins the ranks of services like Netflix and Hulu, Iger is confident his service will be a cut above the rest.

Iger said Disney Plus, which launches November 12, would be bolstered by Disney's expansive library of content. Since Iger became CEO in 2005, Disney has acquired Pixar, Marvel, Lucasfilm and 21st Century Fox.
(Bob Iger says content library will set Disney Plus apart from other streaming services. CBS News. September 24, 2019.)


上記の例もそうですが、


a cut above the rest


というように、"~the rest"と続く場合が多いようですが、単に"(a) cut above"だけで使われることもあります。


Lots of cheap Chinese restaurants pepper the San Francisco dining scene, but Gourmet Carousel is a cut above.
(San Francisco Chronicle, 2006)


"(a) cut above"がこのような意味で使われるようになった由来に関心が出てきましたが、明確に説明しているものは見当たりません。

American Heritage Dictionaryでは、"cut"の名詞の意味として、


A step in a scale of value or quality; degree: a cut above the average.


という定義を載せており、ここでは評価スケールなどの目盛りのような意味を指していると思われます。

つまり、同じスケールで評価した際に、それが一目盛り分上位にある、ということを言っているとすれば納得がいきます。


2019年9月25日水曜日

on the block

ニューヨークの食肉卸業者が、安い肉に高級肉を偽るラベルを貼って販売し、違法に利益を上げていた疑いで訴えられたそうです。

いわゆる景品表示法違反とかいう類の犯罪になるのだろうと思われますが、スーパーで輸入肉なのに黒毛和牛のラベルを貼って騙されていたと思うと当然腹が立ちます。


Two Brooklyn meat wholesalers peddled bootleg beef to unsuspecting New Yorkers for years — slapping cheaper grades of meat with phony USDA stamps to pack in the profit, according to feds.

Howard Mora, 67, and Alan Buxbaum, 65, are on the block for allegedly loading up on “Choice”-grade beef and selling it as superior “Prime”-grade meat while at the helm of A. Stein Meat Products between 2011 and 2014.

The duo — whose business was once featured on CNBC reality show “The Profit” — ordered their employees to systematically slice the “Choice” stamps off of their stock, and re-stamp them with counterfeit “Prime,” prosecutors said.
(Beef sellers used fake USDA stamps on low-quality cuts: feds. New York Post. September 24, 2019.)


引用した記事の中で、名前も明記されている2人の容疑者らについて、


are on the block for allegedly loading up on “Choice”-grade beef and selling it as superior “Prime”-grade meat


というくだりがあります。

ここでの、"on the block"というフレーズがどのような意味なのか判然とせず、辞書を引きました。

多くの辞書で、"on the block"は、「売りに出されて」、とか「競売にかけられて」という意味が載っていますが、どうもこの記事のコンテクストではそぐわない感じがします。

色々検索していますと、どうやらこのフレーズは、


on the block for...


と捉え、前置詞for以下が原因や理由を示すものと解釈するのが適当のように思われました。

そして、このフレーズは、


put one's head on the block


から来ているらしいことが分かります。その意味合いは、


to risk a bad thing happening to you by doing something or helping someone
(Cambridge Dictionary Online)


ということで、自らの行いのために報いを受ける、というような意味だと思われます。

文字通りにはブロックの上に頭を置く、ということになるのですが、ここで"block"とは首を刎ねるために台として使われたものだということです。

少し前、「怖い絵」のテーマでも取り上げられて有名になった、ポール・ドラローシュ作の「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の絵を思い出しました。


2019年9月24日火曜日

prickly

飛行場の滑走路を横切るハリネズミ(hedgehog)を発見した飛行機の機長が取った行動に称賛が上がっています。

離陸の準備が出来ていたにも関わらず、機長は無事ハリネズミが移動するまで待ってから飛行機を移動させたということです。


A UK pilot was forced to put the brakes on a flight preparing for takeoff in Scotland on Thursday due to a hedgehog on the runway, Metro UK reported.

The Loganair plane was heading down the runway at Stornoway Airport when the baby hedgehog was spotted, the outlet reported.
(Jackie Salo. UK pilot halts plane to allow baby hedgehog to cross the runway. New York Post. September 23, 2019.)


空港の管制責任者は機長の行動を褒め称え、以下のようにコメントしたそうです。

Neil Hughes, Loganair’s director of flight operations, applauded the pilot... (中略)

“The captain safely avoided a prickly situation for the little hedgehog, following procedure until the animal was off the tarmac,” Hughes told the outlet.
(ibid.)


"prickly situation"とあるのですが、この"prickly"という形容詞は、


厄介な、面倒な


という意味です。

そして、そもそもの"prick"とは棘(とげ)や針など先の尖ったもの、またそのようなもので突かれた時のちくちくする痛みを表現する名詞です。

ハリネズミ(hedgehog)だけに、"prickly"とはしゃれが効いています。


2019年9月23日月曜日

straight vs. strait ー straight-jacket

ファッションには疎い私ですが、グッチというブランド名くらいは知っています。

そのグッチが、ファッションショーでの演出により炎上しているようです。ちなみに炎上するのは今回が初めてではありません


A runway model has staged a protest at Gucci's Spring/Summer 2020 show at Milan Fashion Week, describing the fashion house's decision to "use the imagery of straight jackets and outfits alluding to mental patients" as "unimaginative" and "offensive."
Ayesha Tan-Jones, a model in the show, held up their hands while on the runway to display the message "mental health is not fashion."

"As an artist and model who has experienced my own struggles with mental health, as well as family members and loved ones who have been affected by depression, anxiety, bipolar and schizophrenia, it is hurtful and insensitive for a major fashion house such as Gucci to use this imagery as a concept for a fleeting fashion moment," the model said in a statement posted to Instagram.
(Model protests Gucci's 'offensive' mental health imagery at Milan show. CNN. September 23, 2019.)


問題になったのは、”straight jackets”を着用したモデルによる演出です。

この”straight jackets”とは、囚人や精神障害者が暴れてしまうことのないように拘束することを目的とする「拘束服」のことを指しますが、正しいスペルは”straitjacket”であることをご存知でしょうか?

つまり、”straight”と”strait”の違いです。

“Straight”という単語にはまっすぐな、という意味が真っ先に浮かびます。一方、”strait”は狭い、窮屈な、という意味であり、名詞としては海峡という意味もあります。

本来、”straitjacket”だったものが、異綴りの”straight〜”になってしまったのはやむを得ない背景があるようです。

Merrian-Webster Dictionaryのサイトではこの話題を取り上げています。


One reason for the variant spellings might be due to interpretation. A person wearing a straitjacket is essentially forced into a straight position, and straight carries a connotation of discipline—not deviating from a path, as opposed to wandering astray—that could encourage the spellings straightjacket and straightlaced.
(Merriam-Webster.comのサイトから引用)


つまり拘束服(straitjacket)を着せられた人は必然的に真っ直ぐ(straight)な姿勢になってしまうという訳で・・・。

ちなみに今回引用したCNNの記事では、”straitjacket”のスペルも見られ、記事を書いたライター自身、スペルを混同していたのではないかと思われます。


The fashion house also pointed out that the straitjacket-inspired garments were just one part of its Spring/Summer 2020 collection.
(ibid.)


最後に、”straight”と”strait”は語源を全く異にする単語です。

“Straight”は古英語streccan(stretchという単語と同根)に由来するのに対し、”strait”はラテン語stringere(strictやstringentという単語と同根)に由来します。


2019年9月20日金曜日

cut the mustard

昨日は、"pass muster"という表現を取り上げましたが、似たような表現で、


cut the mustard


という表現があるということを偶然に知りました。

きっかけは、"pass muster"という表現をMerriam-Websterのオンライン辞書で調べていて、出くわしたのです。

興味深い記事ですので、こちらを読んでみてください。

さて、"cut the mustard"は"pass muster"に言い回しも似ていますが、意味も似通っていて、


(選手、芸能人などが)期待通り(以上)の成績をあげる
(研究社新英和大辞典)


という意味だそうです。

Collins-Cobuild Dictionary of Idiomsにも載っているのですが、"not cut the mustard"というエントリで、つまり否定のコンテクストで使われる前提でした。

つまり、期待に沿わない、というような意味になります。


If you say that someone doesn’t cut the mustard, you mean that their work or performance is not as good as it should be.


例文です。(同じく、Collins-Cobuild Dictionary of Idiomsから。この例文は肯定の意味合いで使われています。)


The first backstage reports are that Sarah is okay. She has great presence and can really cut the mustard.


"Pass muster"との混同によるものか、"pass the mustard"やら、"cut the muster"といった表現も実例として存在するなどしているそうですが、正しくは"cut the mustard"ということです。

なお、この表現の由来については諸説あるそうですが、はっきりしたことは分かっておらず、語源不詳とされています。

2019年9月19日木曜日

pass muster

相次ぐ銃乱射事件の悲劇を受けて、米国内では銃規制を強化すべきという世論がこれまで以上に高まっているようです。

具体的には民主党を中心にして、銃売買の際に購入者のバックグラウンドチェックを強化するという法案が提出の動きがあるようです。


Washington (CNN) — Discussions around legislative fixes to mass shootings heated up Wednesday as the attorney general returned to Capitol Hill to meet with lawmakers about proposed gun bills, including a measure that would expand background checks for buyers.

The pitch -- outlined in a document that was obtained by CNN -- would expand background checks to all advertised commercial sales, though it's not clear whether it would pass muster with lawmakers. The White House on Wednesday made clear that President Donald Trump had not signed off on any plan, and GOP leaders have indicated they are awaiting word from Trump before taking action.

The outline, which was first reported by the Daily Caller, is a Justice Department document.

In the wake of a series of mass shootings over the August congressional recess, there has been talk on Capitol Hill about what, if any, gun legislation could pass. But on the divisive topic of firearm regulation, Congress has repeatedly failed to enact stricter gun control in the aftermath of shootings, despite calls for action.
(Proposal to expand background checks floated on Hill but Trump has yet to sign off on it or any other gun plan. CNN. September 18, 2019.)


今後法案の審議に入るのだろうと思われますが、記事では、


it's not clear whether it would pass muster with lawmakers


というくだりがあり、どうやら議会審議以前にハードルがあるようです。

ここでの、"pass muster"という表現ですが、


通り一遍の検閲に通る; 一応の標準に達する
(ランダムハウス英和辞書)


と、辞書に載っています。

"muster"というのは、兵士を検閲、点呼などのために召集するという動詞の意味、また閲兵のために召集された兵士という名詞の意味があり、ここでは検閲、閲兵という目的が重要らしく、故に"pass muster"というのはその検閲をパスする、という意味合いで元々使われ、以降、


To be judged as acceptable.
(American Heritage Dictionary)


の意味で一般的に用いられるようになったもののようです。

ちなみにですが、"muster"であり、"master"ではありません。

"muster"の語源をたどると、ラテン語のmonstrare(英語では、to showの意味)に遡り、例えば英単語の"demonstrate"も同じ語源となります。


2019年9月18日水曜日

be onto something

アメリカではこのところチキンサンドイッチが流行っているみたいですが、その流れに乗ってというのか、あるいは対抗してというべきか、フランチャイズ展開する各チェーンが新商品投入でしのぎを削っているようです。

日本でもよく知られたケンタッキーフライドチキン(KFC)は、チキンのバーガーのバンズでドーナツを使った(!?)、これまた奇抜な組み合わせの商品を発表して話題になっています。


(CNN) — In case you missed it, America has been kind of obsessed with chicken sandwiches lately. But KFC's iteration may be taking it a bit too far. Or maybe not.

KFC announced it will be testing a new combination of fried chicken and glazed doughnuts beginning September 16 -- a move that is either genius or insane.

Customers have two options: a chicken and doughnut basket meal for $5.49, which includes chicken tenders or bone-chicken plus a doughnut; or a chicken sandwich for $5.99, featuring a fried chicken patty between two doughnut buns -- the much more exciting option.

And if you just want the doughnut? You can add one to any meal for a dollar.

To be honest, the combination of salty and sweet is a little enticing. It's basically like chicken and waffles, right? And that doughnut hamburger is already a staple at state fairs across the country.

Maybe KFC is onto something.
(Leah Asmelash. KFC is testing some kind of Chicken & Donuts sandwich and we're ready for it. CNN. September 18, 2019.)


チキン(鶏肉)の食感に、砂糖をまぶしたドーナツというのはどのような味覚体験になるのか全く想像がつきません。

ちょっと普通では考えられない発想ではないでしょうか。

引用した部分の最後のところで、


Maybe KFC is onto something.


とあるのですが、ここでの"be onto something"というフレーズは口語表現で、


have an idea or information that is likely to lead to an important discovery
(New Oxford American Dictionary)


という意味です。ランダムハウス英和では、


気づいて、~をよく心得て(通じて)


というような日本語になっています。

ここでは、めくらめっぽうに奇抜なことをやっているのではなくて、勝算があってのことだ、ということを言わんとしているのでしょう。


2019年9月17日火曜日

off to a good start

アップルのスマートフォンの新型機種である、iPhone 11が先日発表されました。

このところ成長の鈍化もささやかれるアップルのビジネスですが、新型機種の発表の市場受けは良いらしく予約も好調のようです。


Somewhere in Cupertino, Apple executives are probably breathing sighs of relief — if not celebrating — as demand for the new iPhone 11 appears to be off to a good start.

Apple announced three versions of the new model at its annual media event last week: the more basic iPhone 11, and the premium iPhone 11 Pro and iPhone 11 Pro Max. The iPhone 11 looks largely the same as its predecessors, with functional improvements such as longer battery life and more cameras. But analysts say early demand for the new phone has been stronger than last year since Apple and several retailers began accepting preorders on Friday.
(Clare Duffy. Demand for the new iPhone 11 appears to be off to a good start. CNN. September 16, 2019.)


引用したCNN Businessの記事で、


off to a good start


という表現が使われていますが、これは「滑り出し好調」というような意味の慣用句です。

辞書には、


get off to a good start


という慣用句で、”start”の項に載っていました。(研究社新英和大辞典)


2019年9月16日月曜日

2つの「ポリシー 」ー policy

中学生の時だったか、高校生の時だったか、忘れてしまいましたが(大学だったかもしれません)、英語を教えてくれた教師が言った言葉が記憶に残っています。

「辞書は読み物です。」

(英和)辞書を引くのは分からない単語がある時というのが普通
ですが、辞書をパラパラとめくってみたり、ある単語の定義を読んでそこに引用されている別の表現に関心が出てきてそのエントリにジャンプしてみたり、語源解説を読んでみたり、というように、辞書は読み物になる、というのです。

爾来、私も暇な時や時間がある時にはハードカバーの辞書をパラパラとめくってみたりしています。

このような辞書の醍醐味はやはり電子辞書よりも、紙の辞書ならではと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、そんなことをきっかけに蒙を啓かれるということは本当によくあるもので、今日は"policy"という単語を取り上げます。

「あの人にはポリシーが無い」というような感じで、この「ポリシー」(policy)という単語を使うことは日本語でも多いのですが、外交政策(foreign policy)などという時の“policy”も同じです。

一方、保険証券のことは、“insurance policy”と言いますよね。

不勉強を晒すようですが、私はどちらも同じ単語だと思っていたのですが、全く語源を異にする単語だと先日知りました。

まず、政策などの意味がある“policy”ですが、研究社新英和大辞典によると“police”や“polity”という単語と二重語、という解説があり、遡るとギリシャ語で都市を意味するポリス(polis)に因みます。

一方、証券を意味する“policy”ですが、こちらは、ギリシャ語のapodeixisから来ており、これは“proof”の意味だそうです。接頭辞apo-は分離して、とか離れて、という意味ですが、動詞deiknunaiは見せるとか提示するという意味(to show)です。「証券」が契約書的な役割を果たすことを考えると納得です。

余談ですが、証券を意味する“policy”のエントリを眺めていると、最後の方に興味深い意味が載っています。


(場末などで行われる)回転抽選機から出る数にかける一種のばくち


そして、参照として、“number”という単語が載っていますのでさらにそちらを参照してみますと、


the numbers (米俗)数当て富くじ


とありました。

これって街中やスーパーマーケットの入り口付近でよく見かけるあの「ナンバーズ」のことと同じ!?

辞書は読み物、を改めて実感した三連休でした。


2019年9月13日金曜日

「デバイス」の意味 ー left to your own devices

「デバイス」(”device”)と聞くと、すぐにスマホとかタブレット端末をイメージしてしまいがちです。

それくらい今の世の中は「デバイス」が席巻しているということですが、英単語の”device”には意思、望み、という意味があることをご存知でしょうか?

正確にいうと、このような意味合いの「デバイス」は複数形で、”devices”です。

成句の類に入ると思いますが、


leave (someone) to his/her own devices


というフレーズは、人に思うように(勝手にさせる)という意味になります。

Collins Cobuild Dictionary of Idiomsでは下記のように解説されています。


If someone is left to their own devices, they are left to do what they want, or to look after themselves without any help.


最近の記事から実例を引用してみます。


And traversing the emotional realities can be a solitary journey. “All too often, individuals are left to their own devices when it comes to finding a new sense of purpose in a post-retirement period that could be as long as the middle years in duration,” said Mr. Freedman, author of “How to Live Forever: The Enduring Power of Connecting the Generations.” “Many feel like they are all alone in navigating the new terrain, practically and emotionally.”
(Kerry Hannon. My Work Life Is Over. What’s Next? New York Times. September 12, 2019.)


“device”の語源を辿ると、古フランス語devisは意思(will)の意味であり、この単語が元々はそのような意味であったことが分かります。

その後、”device”は意匠やデザイン、仕掛けとか装置、そして現代の情報端末というように意味を発展させてきたのですが、”leave (someone) to his/her own devices”には何となく、1人1台のスマホ時代に個人個人が思い思いに端末画面に注視している状況とイメージが符合するようで、面白いですね。


2019年9月12日木曜日

out of line

今日の朝刊でまず目に留まったのが、「ボルトン氏解任」のヘッドラインでした。

トランプ政権が発足して以降、多くの高官がトランプ氏との意見の相違などを理由に解任されていますのでまたかという感があります。

国際面の記事を読むと、ボルトン氏は「辞職を申し出た」とコメントしているのに対し、トランプ氏は「解任した」と、双方の言い分が食い違っています。


WASHINGTON – President Donald Trump said his former top national security adviser was "way out of line" with his administration's foreign policy goals and repeatedly slammed the veteran diplomat for advocating for U.S. military engagement in Iraq.

In his first remarks on John Bolton since his dismissal, Trump said the two "maybe" split on good terms. Bolton, Trump's third national security adviser in as many years, had disputed Trump's characterization Tuesday that he had been fired.

"I hope we left on good stead, but maybe we haven’t," Trump told reporters gathered in the Oval Office. "John wasn’t in line with what we were doing."
(Trump slams former top national security aide John Bolton, calling him 'way out of line.' USA Today. September 11, 2019.)


ボルトン氏は大統領補佐官として外交問題、主に対イラク政策などを担当していましたが、強硬路線を貫く姿勢は政権内の他の高官ともそりが合わない状況を生んでいたようです。

トランプ氏のコメント、


way out of line" with his administration's foreign policy goals


で、ボルトン氏が政権の外交政策目標に対して"out of line"であったということですが、辞書で引くと、ランダムハウス英和では"step out of line"という項目で、


(集団・政党などの)方針に反した行動をとる、行儀悪く振る舞う


とありました。

"line"という単語の意味は言うまでもなく「線」ですが、方針や構想といった意味もあり、特に米語としては政党・党派の路線、政治的立場、という具体的な意味合いがあります。


2019年9月11日水曜日

get the best of

海外ではウーバーイーツなどのフードデリバリーサービスが流行っていますが、デリバリーに従事するドライバーの4人に1人以上が顧客に届けるべき料理を「つまみ食い」をしているという衝撃の統計が明らかになりました。


The smell of a mouthwatering meal is hard to ignore — especially when it belongs to someone else. At least that's the suggestion of a recent study that found nearly 30% of drivers are snacking from the food they're responsible for delivering.

The survey conducted by US Foods, which supplies food to restaurants, gathered information from about 500 food delivery drivers and more than 1,500 customers in America who order through apps such as DoorDash, Postmates, Grubhub and UberEats.

Respondents ranged from 18 to 77 years old, with a median age of 31. Drivers who reported working for at least one food delivery app had a median age of 30. In an effort to better understand the process of ordering and delivering meals, the company asked both groups about their "habits and pain points."

Of the drivers surveyed, 54% admitted to being tempted by the smell of a customer's food, and about half of those people actually took a bite.

"We're sorry to report that sometimes, impulse gets the best of deliverers, and they violate their sacred duty by taking some of the food!" US Foods said in a statement.
(Dani Matias. 1 In 4 Food Delivery Drivers Admit To Eating Your Food. NPR News. July 30, 2019.)


サービス利用者からすればとんでもない話ですが、記事ではドライバー寄りというのか、料理のいい香りに唆られてつまみ食いもしたくなるのは仕方がない、といったような、ややユーモラスな取り上げ方です。

今回の事実は米国内のレストランに食材等を卸しているUS Foodsというサプライヤが実施したアンケートによるもののようですが、そのUS Foodsからしてのコメントがふるっています。


...sometimes, impulse gets the best of deliverers...


というものなのですが、”impulse”は衝動、”get the best of...”というのは慣用句の類で、主語がof以下の目的語に勝る、勝つ、という意味です。

つまり、食欲に駆られた衝動がドライバー(の理性)に勝る、ということを言っている訳で、確かに人間の欲望というものは時に抑え難いものではあるものの、デリバリー業者としては失格ですよね。


2019年9月10日火曜日

imbroglio

台風15号が週末日曜日夕刻から関東を直撃しました。週明け月曜日の通勤通学に難儀したという人も多かったと思われます。

折しもアメリカでは、ハリケーンのDorianが北米大陸を縦断し、そちらの被害も甚大であったと報じられています。

そのハリケーンに関する記事から引用します。


WASHINGTON — The Secretary of Commerce threatened to fire top employees at the federal scientific agency responsible for weather forecasts last Friday after the agency’s Birmingham office contradicted President Trump’s claim that Hurricane Dorian might hit Alabama, according to three people familiar with the discussion.

That threat led to an unusual, unsigned statement later that Friday by the agency, the National Oceanic and Atmospheric Administration, disavowing the National Weather Service’s position that Alabama was not at risk. The reversal caused widespread anger within the agency and drew accusations from the scientific community that the National Weather Service, which is part of NOAA, had been bent to political purposes.
(Commerce Chief Threatened Firings at NOAA After Trump’s Dorian Tweets, Sources Say. New York Times. September 9, 2019.)


ハリケーンの進路予想を巡って、アラバマ州には大きな影響はない模様と発表していた海洋・大気庁(NOAA)の見解がトランプ政権の圧力で歪められたのではないか、という疑惑に発展しているという報道です。

トランプ氏はツイッターでアラバマ州に被害が及ぶ可能性に言及していたそうなのですが、このツイートを受けて、アラバマ州に影響がないとしていたNOAAの予測がひっくり返るという奇妙なことが発生しました。

上級官庁にあたる商務省が介入したのではないかという疑惑になっているわけです。

商務省長官のWilbur Ross氏はトランプ政権の重要閣僚ですが、NOAA の人事に介入することをほのめかすことで影響力を行使したのではないかと疑われています。


The accusations against Mr. Ross are the latest developments in a political imbroglio that began more than a week ago, when Dorian was bearing down on the Bahamas and Mr. Trump wrote on Twitter that Alabama would be hit “harder than anticipated.” A few minutes later, the National Weather Service in Birmingham, Ala., posted on Twitter that “Alabama will NOT see any impacts from Dorian. We repeat, no impacts from Hurricane Dorian will be felt across Alabama.”
(ibid.)


上に引用した部分で、


a political imbroglio


という箇所がありますが、この"imbroglio"はスペルから察するにイタリア語だと思って辞書を確認したところ、やはりそうでした。

ランダムハウス英和では、


もつれ、紛糾、ごたごた


という訳語が載っています。

この「ごたごた」に関しては、海洋・大気庁がそもそもトランプ氏がアラバマに被害が発生するリスクを指摘していることを把握しておいた上で、敢えて相反する見解を発表することで、反トランプを演出したという見方もあるようなのですが、真相は如何に。


2019年9月9日月曜日

グル ー in cahoots

ここのところ英国のEU離脱問題に関する記事を取り上げることが多いですが、今日も関連記事からの引用です。

少し古いですがどうぞ。


Boris Johnson: EU is in cahoots with MPs to block Brexit

BORIS JOHNSON has accused MPs and the EU of collaborating to block Brexit, as he warned of the increasing risk of leaving without a deal.

The prime minister claimed Brussels is ‘not moving in their willingness to compromise’ and warned a no-deal Brexit becomes more likely the longer it goes on.

He urged the UK’s ‘European friends to compromise’ but said their position is likely to harden the more they believe Westminster can block Brexit.
(Richard Wheeler. Boris Johnson: EU is in cahoots with MPs to block Brexit. Metro News. August 15, 2019.)


記事のタイトルで使われている、


in cahoots


という表現ですが、これは、


グルになって、共謀して、結託して


という意味で、この”cahoot”という単語が使われるのはほとんどこの”in cahoots”というフレーズに限られるという、非常に興味深い表現です。

語源に目を向けると、フランス語のcahuteから来ているということですが、”cabin”、”hut”を元々意味しているようです。

つまり小屋のことなのですが、”in cahoots”は日本語からもお分かりのようにネガティヴな意味合いで使われ、小屋に共犯者が集って何か企んでいるイメージでしょうか。


2019年9月6日金曜日

big girl's blouse

EU離脱問題で混迷が続く英議会で、ジョンソン首相が放った、


big girl's blouse


という言葉が話題になっています。


Boris Johnson’s first Prime Minister’s Questions was immediately embroiled in controversy after footage appeared to show him gesticulating towards Jeremy Corbyn, saying: “Call an election, you great big girl’s blouse.”

The theme of the exchanges between the two had centred around the Labour leader asking Johnson to publish details of the government’s no-deal planning documents, while the prime minister repeatedly challenged Corbyn to support his plan for a 15 October election.

As Corbyn was saying of the new prime minister: “He’s desperate, absolutely desperate to avoid scrutiny”, Johnson appeared to make the insult.
(Martin Belam. 'You great big girl’s blouse' – Johnson appears to insult Corbyn during PMQs. The Guardian. September 4, 2019.)


先日も取り上げたところですが、ジョンソン首相が目指すEU離脱は造反もあってほとんど暗礁に乗り上げた状態となり、対抗して議会の解散総選挙に打って出ようとしたところがこれも否決され、八方塞がりのような状況になっているようです。

首相は相当フラストレーションが溜まっているというところでしょうか、離脱プランの開示を求める労働党議員に対しての発言となったようです。

この"big girl's blouse"という表現をもちろん知りませんでしたが、ランダムハウス英和を引いてみると、


弱々しい(無能な、哀れな)男


という意味だそうです。北部イングランド地方の俗語ともあります。

首相のこの発言はSNSなどで取り上げられ、侮辱的であることは元より、女性差別的だとの批判が沸騰しています。

ジョンソン首相はこの表現を過去にも使ったことがあるということで、お気に入り(!?)なのでしょうか。


It was immediately seized upon on social media, with users suggesting the comment was sexist and not fitting for the prime minister to say in parliament.

Johnson has form for previously using the phrase. In June 2017 he called Labour’s election campaign chief a “big girl’s blouse”. And in 2007, when Gordon Brown was tipped to be on the verge of calling a general election in an era before the Fixed-Term Parliaments Act, he reportedly told a fringe meeting at the Conservative party conference in Blackpool that if Brown didn’t act: “We will say he’s wimped out, we will say he’s a big girl’s blouse.”
(ibid.)


2019年9月5日木曜日

pescetarian

菜食主義者(ベジタリアン)の方が肉食の人よりも脳梗塞発症リスクが高い、というヘッドラインに釣られてアクセスしたCNNの記事が以下です。


(CNN) — Non-meat diets have soared in popularity with many people ditching beef, pork and chicken in pursuit of health and environmental benefits and concerns about animal welfare.

However, a new study suggests that vegetarians and vegans may be at a higher risk of stroke than their meat-eating counterparts -- although those who don't eat meat have a lower chance of coronary heart disease, according to the new paper, published in the medical journal the BMJ on Wednesday.
(Nina Avramova. Vegetarians might have higher risk of stroke than meat eaters, study says. CNN. September 5, 2019.)


肉食に比べて、ベジタリアンの方が健康なイメージがあるのになんででしょうね?

記事によると、肉食でしか補えない栄養に欠けるためではないかという考察があります。


The exact reasons for this higher risk found in vegetarians are not clear, said Tong. It is possible that this is due to "very low cholesterol levels or very low levels of some nutrients," she said.
(ibid.)


また、心血管系の疾患については、ベジタリアンの方が肉食よりも低いということだそうです。

今回の研究の結果についてはさらなる調査を必要とするということらしいですが、さらに以下のように続きます。


No significantly higher rate of stroke for pescetarians

Tong's research team followed more than 48,000 people in UK with an average age of 45, who were grouped into meat eaters (24,428), pescetarians (7,506), and vegetarians, including vegans (16,254). Participants were tracked on average for 18 years and during the study period there were were 2,820 cases of coronary heart disease and 1,072 cases of stroke.
(ibid.)


肉食とベジタリアンの中間に置かれた、


pescetarian


という分類です。

初めてこの単語を見たのですが、コンテクストもあって、スペルからピンときました。

魚のことをイタリア語でpesceと言いますが、これを"vegetarian"にかけて、"pescetarian"としたものです。("pescatarian"というスペルもあるようです。)

つまり、菜食に加えて魚の肉は食べるという人を指します。

Merriam-Webster Dictionaryによると初出は1993年だそうです。

また、肉食の人については"meatatarian"、菜食主義だけれども場合によって魚や肉も食べる人は"flexitarian"というそうです。


2019年9月4日水曜日

dither

イギリスのEU離脱が益々混迷を深めているようです。

昨日から今日のトップニュースはこの話題でもちきりですが、英議会では離脱反対派と与党の造反組が多数を占め、離脱に反対する法案を提出したことから、ジョンソン首相は議会を解散し総選挙する意思を明確にしました。

CNNの記事で、ジョンソン首相の声明全文が紹介されているのですが、そこから引用します。


"Let there be no doubt about the consequences of this vote tonight. It means that Parliament is on the brink of wrecking any deal we might be able to strike in Brussels.

"Because tomorrow’s bill would hand control of the negotiations to the EU. And that would mean more dither, more delay, more confusion.

"And it would mean that the EU themselves would be able decide how long to keep this country In the EU.

"And since I refuse to go along with that plan ... we are going to have to make a choice, Mr Speaker. I don’t want an election. The public don’t want an election.

"But if the House votes for this bill tomorrow, the public will have to choose who goes to Brussels on October 17 to sort this out and take this country forward.
(Boris Johnson dealt blow as Brexit rebels vote to seize control. CNN. September 4, 2019.)


前職のメイ首相が果たせなかったEU離脱を履行するのがジョンソン首相に課されているミッションであることは論を待ちませんが、反対派が多数となることが明白な今、EU離脱の道のりが改めて不透明な状況です。

首相の立場からすると、これ以上EU離脱問題で混乱が続くことは避けたいところです。


And that would mean more dither, more delay, more confusion.


という発言の、"dither"という単語は見慣れないものでした。

Merriam-Webster Dictionaryを検索してみると、


a highly nervous, excited, or agitated state


という定義がされていました。

ランダムハウス英和では、


(興奮・恐怖による)取り乱し、うろたえ、混乱


とあります。


2019年9月3日火曜日

wayの用法 ― way

以前から気にはなっていたのですが、"way"という単語の用法について、以下のような言い回しを耳にしたり、目にした方は多いのではないでしょうか。


way too long
way too heavy


などなど、枚挙にいとまがありませんが、この"way"は道や方法という意味の"way"ではないことは確かです。

上記のような表現は、言わんとするところは大体のところコンテクストで分かります(もしくは、分かったつもりになります)から、そのままになってしまうのですが、今日は思い切って辞書を検めてみたというところです。

まず、ランダムハウス英和辞書(電子版)。

道や方法を意味する"way"とは別エントリで、副詞としての"way"のエントリがあり、「すごく、とっても」といった強調表現とされています。

研究社の新英和大辞典も概ね同じ扱いです。

American Heritage Dictionaryには、下記のようなUsage Noteがあります。


Usage Note: Way has long been an intensifying adverb meaning "to a great degree," as in way over budget. This usage is both acceptable and common but has an informal ring. Way is also used as a general intensifier, as in way cool and way depressing. This usage remains a hallmark of casual speech and is not appropriate for formal contexts. · In American English ways is often used as an equivalent of way in phrases such as a long ways to go. This usage is considered nonstandard by most editors, though it appears occasionally in less formal texts.
(American Heritage Dictionary)


この解説によると、このような強意表現としての"way"はインフォーマルな用法で、スラングとも見なされているようです。

すっきりしました。


2019年9月2日月曜日

run-up

アメリカでは超巨大級のハリケーン「ドリアン」が接近しているということで、トップニュースのヘッドラインはこの話題でもちきりです。

甚大な被害が予測される地域では備えを急いでいるようですが、トランプ大統領はその間もゴルフに興じているという報道があり、批判を呼びそうです。


President Donald Trump appeared to be playing golf Saturday, just days before states on the southeast coast were set to be battered by Category 5 Hurricane Dorian, which the National Hurrican Center has called catastrophic.

Official communications from the White House and statements from the president himself ahead of the weekend trip suggested that Trump would be spending his time at Camp David in Maryland monitoring and preparing for the storm.

According to press pool reports, however, Trump traveled to his Sterling, Virginia golf course Saturday morning by helicopter from Camp David. Press Secretary Stephanie Grisham reportedly told reporters that someone from FEMA was briefing him on the hurricane every hour.
(Benjamin Goggin. Video appears to show Trump golfing in Virginia in the run-up to catastrophic Hurricane Dorian. Business Insider. September 1, 2019.)


日本の政治家だったら辞任要求に発展することでしょう。

さて、本日の1語としては、


run-up


という表現を取り上げました。

記事のタイトルで使われているのですが、


Trump golfing in Virginia in the run-up to catastrophic Hurricane Dorian


という部分です。

"run-up"(もしくは、ハイフン無しで"runup")は、


the period immediately before an action or event
(Merriam-Webster Dictionary)


という定義がされています。

つまり、何か重大なイベントや出来事が起きる直前を指しています。

準備期間というような意味もあるようですが、コーパスで検索してみると、"run-up to the presidential election"のような、選挙といったイベントに関連した用例が多くみられ、単に重要イベントを控えた期間のことを指すとも捉えられます。