中学生の時だったか、高校生の時だったか、忘れてしまいましたが(大学だったかもしれません)、英語を教えてくれた教師が言った言葉が記憶に残っています。
「辞書は読み物です。」
(英和)辞書を引くのは分からない単語がある時というのが普通
ですが、辞書をパラパラとめくってみたり、ある単語の定義を読んでそこに引用されている別の表現に関心が出てきてそのエントリにジャンプしてみたり、語源解説を読んでみたり、というように、辞書は読み物になる、というのです。
爾来、私も暇な時や時間がある時にはハードカバーの辞書をパラパラとめくってみたりしています。
このような辞書の醍醐味はやはり電子辞書よりも、紙の辞書ならではと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなことをきっかけに蒙を啓かれるということは本当によくあるもので、今日は"policy"という単語を取り上げます。
「あの人にはポリシーが無い」というような感じで、この「ポリシー」(policy)という単語を使うことは日本語でも多いのですが、外交政策(foreign policy)などという時の“policy”も同じです。
一方、保険証券のことは、“insurance policy”と言いますよね。
不勉強を晒すようですが、私はどちらも同じ単語だと思っていたのですが、全く語源を異にする単語だと先日知りました。
まず、政策などの意味がある“policy”ですが、研究社新英和大辞典によると“police”や“polity”という単語と二重語、という解説があり、遡るとギリシャ語で都市を意味するポリス(polis)に因みます。
一方、証券を意味する“policy”ですが、こちらは、ギリシャ語のapodeixisから来ており、これは“proof”の意味だそうです。接頭辞apo-は分離して、とか離れて、という意味ですが、動詞deiknunaiは見せるとか提示するという意味(to show)です。「証券」が契約書的な役割を果たすことを考えると納得です。
余談ですが、証券を意味する“policy”のエントリを眺めていると、最後の方に興味深い意味が載っています。
(場末などで行われる)回転抽選機から出る数にかける一種のばくち
そして、参照として、“number”という単語が載っていますのでさらにそちらを参照してみますと、
the numbers (米俗)数当て富くじ
とありました。
これって街中やスーパーマーケットの入り口付近でよく見かけるあの「ナンバーズ」のことと同じ!?
辞書は読み物、を改めて実感した三連休でした。
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