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2021年5月26日水曜日

breakthrough infection

物事に「絶対」はありません。新型コロナウィルスワクチンも100%効果があるとは誰も保証はできません。

ワクチン接種が進み、国民の約半数がワクチン接種を終えたとされる米国においては、ワクチン接種者はマスク着用は不要という判断も出されているようですが、ワクチンを接種してもウィルスに感染してしまう事例は出ています。

そのような感染事例のことを、


breakthrough infection


と表現するそうです。


Julie Cohn was fully vaccinated when she went to cheer at her 12-year-old son’s basketball game in March. Midway through the match, he asked to remove his mask because he was getting so hot. She thought little of it.

Three days later, he had a sore throat. He tested positive for the coronavirus, as did his younger brother a few days later. Ms. Cohn cared for them, thinking she was protected, but she woke up with what seemed like a head cold on March 28. The next day, she, too, tested positive.

No vaccine provides perfect protection, and so-called breakthrough infections after coronavirus vaccination are rare and unlikely to lead to serious illness. Federal health officials have told fully vaccinated people they no longer need to wear masks or maintain social distance because they are protected, nor do they need to be tested or quarantine after an exposure, unless they develop symptoms.
(Roni Caryn Rabin. C.D.C. Will Not Investigate Mild Infections in Vaccinated Americans. The New York Times. May 21, 2021.)


"breakthrough"は日本語でも「ブレークスルー」と表記されるように、カタカナになって浸透している感がありますが、そこにはポジティヴな響きがあって、これまでには成し得なかったことが、新しい技術や発明によってできるようになったという意味合いで使われるというのが大方の印象ではないでしょうか。

"breakthrough infection"の場合の"breakthrough"は、逆にネガティヴな意味合いであり、ワクチンによる免疫抗体の産生にも関わらず、それを「突破して」感染に至ってしまう、ということです。

記事中では、"breakthrough cases"という表現も使われています。

この"breakthrough infections"、あるいは"breakthrough cases"という言葉は新型コロナウィルス感染症に限らず、インフルエンザや疱瘡などの従来の感染症に関しても使われてきたのですが、こと新型コロナウィルス感染症に関連してワクチン接種が進んでいる最近になって目立つようになってきました。

ちなみに、たまたま目についたのですが、グーグル翻訳では「画期的な感染症」という日本語訳が出てきており、これはNGですね。

折しも上に引用したニューヨークタイムズ紙の記事を読んでいたところ、つけていたラジオからは、米国でワクチンを接種したにも関わらず新型コロナウィルスに感染してしまう事例が0.01%というCDCの統計があるというニュースが流れていました。

今後日本でもワクチン接種が進むでしょうが、気になる数値ではあります。



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