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2021年9月8日水曜日

lift the lid

サンドイッチのSubwayは日本でもフランチャイズ展開していますが、その売りは、パンの種類から野菜やチーズなどのトッピングに至るまで、客の細かい好みに応じてカスタマイズされた商品を提供するところにあります。

そして、全ての食材には新鮮なものを使っているということなのですが、ファーストフードチェーンというからには新鮮とはうたっているけれども、実際のところどうなのか?と思うのは誰しもでしょう。

記事のタイトルにつられて読んでみました。


The trend for a behind-the-scenes peek at how fast food restaurants make our favorite meals shows no sign of stopping, as workers armed with cameras spill store secrets.

While we still haven't figured out KFC's infamous 11 herbs and spices blend, one woman, claiming to be a Subway worker, has lifted the lid on how the chain preps its veggies.
(Rebecca Flood. People Shocked to Discover How Subway Preps Its Vegetables for Sandwiches. Newsweek. September 7, 2021.)


記事のタイトルで、


shocked to discover


とありますが、そこから受ける印象は、「実態は(ひどいものだった)~」、故にショッキング〜、という想像をしてしまいます。

私もそのような内容を半ば想定して読み始めましたところ、アメリカの店舗に勤務すると思しき従業員がネットに投稿した動画が話題になっているとの事。

そして、その従業員による投稿の内容が、


has lifted the lid on how the chain preps its veggies


ということですから、まさしく内部告発的な内容ではないかと思った次第です。

結論から言いますと、Subwayで提供される野菜は、ピクルスを始め、レタスやホウレンソウなど一部は事前にカットされたものが各店舗に配送されていますが、それ以外は店舗で新鮮な食材をカットして提供しているというものです。(記事はこちら。)

さて、今日取り上げます慣用句の"lift the lid"というのは辞書を引くと、


(醜聞・不法行為(をした人)などを)暴露する
(ランダムハウス英和辞書)


とあり、悪い実態を明るみにする、という意味合いです。

"lift"という動詞以外にも、"take the lid (off)"などとも表現されますが、元々は蓋(lid)をして隠していたものを、その蓋を取り去って明らかにする、ということからも、本当はひた隠しにしておきたいことを暴露するという意味合いになるものです。

記事の内容は、そのタイトルや"lift the lid"の意味合いからはむしろ相反するもので、(こと野菜に関しては)新鮮な食材をオーダーを受けてからカットしており、顧客は意外にもそうだとは知らなかった、というものです。

こういう記事は、アクセス数を獲得するために、敢えて読者の興味を駆り立てるようなタイトルをつける、いわゆる「釣り」ではないかとも思うのですが、本文中で"lift the lid"という表現を使っていることについてもそうなのか、あるいは単に知らないのか、ニューズウィーク誌ともあろう媒体として果たしてどうなのか、興味あるところです。

Subwayに関しては、これまでにバンズの長さを巡る問題や、材料に使われているツナが本物かどうかといった疑惑など、醜聞に近いものが多かったので、今回もその類の話かと思ってしまいました。

私自身、Subwayのサンドイッチは嫌いではありません。



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