記事の引用からお読み下さい。
With more New Yorkers back behind the wheel, carjackers are putting the pedal to the metal.
The number of carjackings as of Sept. 19 are up 81 percent, with 324 reported so far this year, compared to 179 in the same 2020 timeframe. The number is a whopping 277 percent spike from 2019, when NYPD data showed just 86 such incidents.
(Dean Balsamini. Carjacking cases skyrocket in NYC. New York Post. September 25, 2021.)
米・ニューヨークで自動車の強奪(carjacking)が相次いでおり、事件数が急増しているそうです。怖いですね。
今日取り上げる表現ですが、
put the pedal to the metal
という表現です。
なんだかよく分からない表現ですね。
アメリカ英語の俗語表現らしいのですが、
(車の)アクセルを目一杯にふかす、(車を)全速力でぶっとばす
(ランダムハウス英和辞書)
と載っていました。
"pedal"はアクセルペダルのことであるのは間違いないと思われます。では"metal"とは?
私は、put "the metal" to "the pedal"ではないかと思いました。つまり、金属(製の重い物を)アクセルペダルに載せる、それがアクセルを踏み込むことになる、と思ったのです。その発想は、以前取り上げた"lead-footed"が頭にあったからです。
ところが、語順と解釈はどうしても「ペダルをメタルに置く」ということのようなのです。
このフレーズの由来についてネット検索してみると、どうやら"the metal"とは自動車の床部分(floor)のことを指すらしいということが分かりました。
つまり、アクセルペダルを床につくほど踏み込む、ということです。
このフレーズはアクセルを踏み込んで全速力で移動することを意味していますが、その後自動車に限らず、物事に対して全力で当たる、迅速に取り組む、ことを広く指すのに用いられるようになりました。
"Carjacking"に全力で、あるいは迅速に取り組む(!?)というのはおかしな表現ですが、自動車の強奪が急増しているのは明らかであり、組織的なものか否かは分からないところですが、事件数が加増している状況を、自動車に因むこの表現を使って言い表したものでしょう。
Merriam-Webster Dictionary Onlineでは、この表現の由来が1970年代のカントリーミュージックの歌詞だとしています。
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