「デカール」って何のことかご存知でしょうか?
プラモデル世代、などというものがあるのか知りませんが、子供の時、ガンダムのプラモデルが流行った私には懐かしい響きがあります。
デカールというのは、エンブレムやロゴなどのデザインが印刷されたシートなんですが、これをプラモデルの本体の指定位置に綺麗に貼り付けるのは子供には難しい作業でした。
シールみたいなものですが、デカールの場合は転写する仕組みになっています。
さて、ガソリン価格高騰に喘ぐアメリカで、バイデン大統領を揶揄する「デカール」が給油所に貼り付けられるケースが相次いでいるそうです。
Outraged motorists are sticking it to Joe Biden at the gas pumps.
Decals of a finger-pointing President Biden, with the words "I did that!" in big, bold print, have been appearing on fuel pumps across the country — including New York City — as gasoline prices skyrocket.
(Stickers blast Biden at gas pumps — Outraged motorists are sticking it to Joe Biden at the gas pumps. Fox News. March 12, 2022.)
スタンドの価格表示部分に貼り付けられたデカールには、ガソリン価格高騰はバイデン政権のせい、という嫌味が込められています。(ロシア問題と原油調達、ガソリン価格の高騰問題は政争の具と化しており、バイデン大統領に直接の責任があるか否かは難しいところです。先日の記事もご覧下さい。)
さて、「デカール」の英語は"decal"というスペルです。
実のところ、"decal"は、"decalcomania"という長い単語のスペルが短縮されたものです。
この単語はフランス語に由来しており、複写するという意味の動詞decalquerから来ています。ラテン語calcareは踏む、踏みつけるという意味の動詞で、踵を意味するcalxという名詞とも関連があります。(少し話が逸れるようですが、英語のinculcateやrecalcitrantといった単語もこれらラテン語のcalcare、calxに由来しています。)
では、後半部の接尾辞、-maniaとは?
日本語でもマニアと言えば何かに熱狂的に取り憑かれた状態を言いますが、デカールもそうした流行りがあったそうです。
デカールを発明したのはフランス人だそうですが、イギリスでその技術を確立、後にアメリカにも広まってかなりの人気を博したようです。
バイデン氏批判のデカールはアマゾンで注文できるそうですが、1日に80セットの注文が入ることもある、結構な人気商品(!?)だとか。
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