アップル社がiPhoneの"subscription service"の導入を検討しているという記事を見かけました。
iPhoneの端末は他機種に比べて高額というイメージがあります。"subscription service"の中身が気になるところですが、"subscription"とは具体的に何を意味するのでしょうか。
Apple is preparing a hardware subscription service for iPhones that could launch as soon as the end of this year, Bloomberg reported Thursday.
The service would allow customers to buy an iPhone through monthly payments, similar to how users currently subscribe to iCloud, according to the report. Apple declined to comment.
(Kif Leswing. Apple is reportedly preparing an iPhone subscription service that could launch this year. CNBC. March 24, 2022.)
引用した記事にもありますように、端末を購入するのに、(一括払いではなく)月次の分割払いで支払う(through monthly payments)ことであると解釈できます。
そうすると、"subscription"とは分割払いのことなのか、という疑問が。
"subscription"という名詞は、動詞の"subscribe"から来ており、そもそもは下に(sub-)書く(scribe)という意味です。書類の一番下に署名して、内容に同意する、というのが原義です。
これが転じて、商品やサービスを一定期間購入する(という契約に同意する)、という意味で使われるようになりました。
Merriam-Webster Dictionaryでは、
to enter one's name for a publication or service
to receive or have access to something (such as a periodical or service) as part of an arrangement to receive a certain number of regular deliveries or a certain period of continuous access especially by prepayment
と定義されています。
新聞や雑誌などの「定期購読」(予約購読)というのが代表的な"subscription service"ですが、最近では「サブスク」なるカタカナの日本語が浸透しており、飲食店のサービスや自家用車、衣料品までもが"subscription service"を導入して話題になっています。
これらは全て、あらかじめ料金を支払った上で、一定の期間サービス提供を受ける権利を得るというものです。
iPhoneの"subscription service"に関しては、端末代金の分割払いということではなく、端末を利用する権利を一定期間契約して、その料金を月次で払うというもののようです。
投資家の間では、"subscription service"の導入によりアップル社の収益構造が改善すると期待されているらしく、同社の株価が2%程度上がったそうです。
最後にどうでもいいような話です。
クラシックの定期演奏会のパンフレット(プログラム)を見ると、この「定期演奏会」を"subscription concert"と表記しているのをよく見かけます。昔から疑問でした。
"subscription"の意味するところから考えるならば、予め演奏会(複数回に渡る定期的なイベント)の代金を払い、全ての演奏会を聴きに行けるという趣旨だと考えるのが妥当でしょう。
しかしながら、多くの定期演奏会というのはそのうちの1回の演奏会のチケットを購入するもので、これは"subscription"とは言えない(つまり、"subscription concert"というのには無理がある)のではと思う次第です。(勿論、プロのオーケストラ演奏会などで、複数回の定期演奏会の"subscription service"というのも存在はしますが。)
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