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2020年12月29日火曜日

ordeal

米国カリフォルニア州でベテランナースとして働いていたMerlin Pambuanさんは今年の春に新型コロナウィルスに感染しました。

患者をケアする立場からケアされる立場へと一転、人工呼吸器の装着を余儀無くされ、集中治療室で死に瀕する状況も一度や二度ではなかったようです。

しかし、遂にウィルスに打ち勝ち、およそ8ヶ月に渡る苦難(ordeal)を乗り越えて元気な姿で退院、帰宅を果たしたと記事では取り上げられています。


As a veteran ICU nurse whose job is to care for the most critically ill patients at her hospital in Long Beach, California, Merlin Pambuan was well aware of the deadly ravages COVID-19 can inflict on the human body.

Last spring in a tragic role reversal, Pambuan became one of those patients - admitted to the intensive care unit of St. Mary Medical Center, her workplace for the past 40 years, where she was rendered unconscious by paralysis-inducing sedation and placed on a ventilator to breathe. A feeding tube was later added.

(中略)

On Monday Pambuan beat the odds of her eight-month ordeal by walking out the front door of the hospital, drawing cheers, applause and exhilaration from colleagues lining the lobby to rejoice in her discharge.
(Steve Gorman. 'My second life': California nurse walks out of hospital after 8-month COVID-19 ordeal. Reuters. December 22, 2020.)


“ordeal”という単語を取り上げました。

試練とか、苦難、辛い体験などと訳されますが、元々の意味は裁判、判決といった意味で、古くは11世紀以前に行われていた、おどろおどろしい裁判方法に因むものだそうです。(「試罪法」とか「神明裁判」などという言葉が辞書に見えます。)

その内容はというと、罪人の有罪無罪を判定するのに、水中に沈めたり、焼けた金串を押し当てたり、熱湯の中に置いた石を取らせたりするなどして、無事であった場合に無罪とする、というもので、そうした無茶苦茶な事が普通に行われていた時代から来ているものです。

なお、“ordeal”のスペルに見える“deal”は偶然の一致ではなく、(打撃などを)加える、(応分を)与える、という意味の動詞“deal”と関連があります。

無茶苦茶な「試罪法」は、神がもたらすもの、すなわち有罪無罪を決定するもの、という理論に基づいていたようです。

“ordeal”という単語は病気に関連して使われることも多いようですが、とりわけ大きな病気に罹ってしまった場合など、(自身の不摂生が招いた病はさておき)何故自分がそのような苦しみ、試練(ordeal)にあわなければならないのか、といった表現を闘病記などに見ることがあります。

神が与える試練かどうかはさておき、自分自身のコントロールでは如何ともし難い、というようなニュアンスが“ordeal”にはありそうです。

幸いなことに私自身は大病をしたことも入院をしたこともありません。


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