イギリス人によく見られる恐怖症(phobia)のトップは?という見出しに釣られました。
人それぞれ、忌み嫌うものがあって、女性だと蜘蛛(クモ)が嫌いだとか、人によっては閉所恐怖症といったものがあります。
英国人の"phobia"のトップは高所恐怖症でした。
"phobia of heights"(もしくは、fear of heights)と言いますが、専門用語は、
acrophobia
と言います。
Lots of us have a fear of something, whether it be spiders, the dark or needles.
And a survey by YouGov has revealed that, of the 10 phobias asked about, almost a quarter of Brits (23 per cent) say they have a phobia of heights.
(中略)
The medical term for fear of heights is acrophobia, and it doesn’t need to be a skyscraper building to trigger panic.
(Vanessa Chalmers. The UK’s most common phobia revealed – and it’s not spiders, needles or the dark. The Sun. August 8, 2023.)
"phobia"というのは、ある対象や事象に過剰とも言える恐怖感や嫌悪感を催すことで、当人以外の人間にはさして気にもならないのに、当人には激しい動揺を引き起こし、時に嘔吐などの身体症状をもたらすものです。
According to the Cambridge Dictionary, a phobia is “an extreme fear or dislike of a particular thing or situation, especially one that is not reasonable”.
(ibid.)
高所恐怖症という意味の"acrophobia"という単語は、先端、始点、頂点を意味する接頭辞acro-と"phobia"が結合したものです。
高所の綱渡りをものともしない曲芸をアクロバット(acrobat)、一連の単語の頭文字だけを取って略したものを"acronym"、身体の末端が肥大化する疾患をアクロメガリー(acromegaly)と言いますが、これらの単語に見られる接頭辞acro-はギリシャ語akrosから来ているものです。
ところで、同じく恐怖症に先端恐怖症というのがあります。こちらは針など鋭い先端(尖端)に言いしれぬ恐怖感を覚えることですが、先述のacro-に先端の意味があるところ、先端恐怖症は何というのか、ふと疑問に思いました。
調べてみますと、
aichmophobia
というそうです。
実のところ、手元の研究社新英和大辞典には載っていないのですが、Merriam-Websterによると槍の先端を意味するギリシャ語aichmeから来ているそうです。
ということで、今日は1日1語ならず、1日2語となりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿