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2023年8月30日水曜日

Gadsden flag

ガズデン旗(Gadsden flag)というものをご存知でしょうか?

黄色地にトグロをまいたヘビが描かれている旗で、ヘビの下には"DON’T TREAD ON ME"と書かれています。

この旗を模したワッペンをバックパックに付けて登校した小学生の男児が学校から閉め出されたということで、母親は学校側に抗議、学校側はルールに則った対応したまで、と対立している模様です。

やり取りの詳細はSNS上で公開され、議論を呼んでいます。


A video circulating on social media platform X, formerly Twitter, this week depicted a young elementary school student in Colorado Springs, Colorado, being removed from class for having a Gadsden flag patch on his backpack.

(中略)

According to the staffer at the Colorado charter school, the patch was "disruptive to the classroom environment" and that it has "origins with slavery."
(Gabriel Hays. 12-year-old boy booted from class over Gadsden flag patch on backpack: ‘Origins with slavery’. Fox News. August 29, 2023.)


小生はこのガズデン旗というものを知らず、正直を申しますと初めて見たのですが、アメリカの歴史に根付く旗だとは、不勉強にして知りませんでした。

学校側はガズデン旗が奴隷制度に由来するものであり、人種差別的な主張に関連するものであるから不適切であるとしています。

これに対し男児の母親は学校側の認識は誤っており、ガズデン旗そのものはアメリカ独立戦争において英国への抵抗のシンボルとなったものであり、奴隷制を主張するものでは無いと主張、真っ向から対立しています。

実のところ、このガズデン旗なるものはアメリカ独立戦争時に海軍指揮官であったEsek Hopkinsが用いたもので、植民地化を進める英国への抵抗を示したものです。

ヘビの図柄は、当時流布していた、植民地化に翻弄される米国東部諸州をバラバラに切り刻まれヘビの絵に例えた風刺画に由来するもので、各州が団結することを呼び掛けたものだったそうです。

つまり、ガズデン旗の由来自体には何ら奴隷制度と関係するものは無いのですが、トグロを巻いたヘビのシンボルは抵抗のシンボルとして好んで用いられることとなり、政治的な主張、特に保守層や白人至上主義の色合いを帯びて来ます。

こちらのサイトの説明が詳しいですが、特に最近では、2020年の米国大統領選の結果を不服としたトランプ元大統領の支持者らが議事堂襲撃の際にガズデン旗を翻して集結したという事例からも、特定のイデオロギーとのリンクするものとなっているという事実も否めないようです。


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