ツイッターが名称をX(エックス)に変更したという話題はつい先日も取り上げました。
ネット上では改名について賛否両論(どちらかと言うと否定の意見が多いようですが)が展開されています。小生のケータイのアプリも青い鳥のアイコンは真っ黒な背景のXに置き換わり、漏れなく名称変更が反映され始めた模様です。
サンフランシスコの本社ではTwitterという社名の看板が降ろされ、代わって巨大なXという文字のサイネージが同社屋上に設置されたとメディアで取り上げられています。
ところが、この新しいサイネージが頗る不評らしく、また市当局の必要な許可を得てないといったことで、早くも取り外されたということです。
It is gone. A giant, glowing X no longer marks the spot on the San Francisco high-rise that is headquarters to Elon Musk’s messaging company X, formerly known as Twitter.
The city building department logged 24 complaints after a weekend of the big X, which on Friday was erected on the roof of the company’s downtown San Francisco headquarters, on Market Street, to the chagrin of neighbors who complained about intrusive lights.
(中略)
Locals over the weekend recorded video of the giant X glowing, pulsing and strobing, with some criticizing its intrusive lights.
(Elon Musk’s X sign removed from San Francisco HQ after complaints. New York Post. July 31, 2023.)
周辺で生活する人に不評で、市には複数の苦情が寄せられたとあります。単純にアルファベット一文字のサイネージが苦情を申し立てるほど酷いというのが今一つ分からなかったのですが、記事のビデオを見て合点が行きました。
夜間映像なのですが、屋上のXのサイネージは燦然と光り輝くのみならず、周期的に照明パターンを変化させるようになっており、時に激しく明滅を繰り返しています。まるで、日本のパチンコ屋(!?)を彷彿とさせるのですが、これは苦情になってもおかしくないと思いました。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、記事で、
the giant X glowing, pulsing and strobing
とある部分です。
"strobing"というのは、カタカナで言うところの「ストロボ」を指しているんですね。
"strobe"というのがそのスペルですが、"stroboscope"、"strobe lightning"を短くした単語ということになっています。そして、それが動詞としての意味、
To emit intense flashes of light in rapid succession
(American Heritage Dictionary)
で使われているものです。
ところで、"stroboscope"というのは、我々がストロボと呼んでいる、強い周期的な光を高速回転する物体に当てて観察する装置やそのような照明を指すものですが、strob-という部分はギリシャ語で回転すること、渦を巻くことを意味するstrobosから来ているんですね。
ギリシャ語から遡ること印欧祖語streb(h)-は、ストロボ以外にも、
apostrophe
catastrophe
といった単語につながっており、これらの単語には向きを変えるとか捻る、といった意味合いが含まれているんですね。
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