つい先日ですが、娘が英検の参考書を買いに行くというので近くの書店まで一緒に行きました。
ずらりと並んだ英検の過去問、単語集、リスニング強化、二次の面接対策本・・・。
英検もTOEICもTOEFLEも、およそ試験や検定といったものからご無沙汰している私は、久し振りにこれらの類いの書籍を前に、正直なところアドバイスもできず、どれを買っても同じように思えて戸惑いました。
頼りにならない私をよそに娘は品定めを始めましたが、私は英検1級の過去問集の1冊を手に取ってみました。
単語空所補充の問題は定番中の定番といえます。こういうのは変わらないんだなぁと思いながら見た第1問が以下のようなものでした。
The door was so ( ) that his foot went straight through the wooden panel.
1 musty 2 fuzzy 3 flimsy 4 hazy
正直を言いますと解答に一瞬迷いました。ただ、2のfuzzy、4のhazyでないことは明らかです。
文意は、ドアが非常に〜だったので、木製のパネルを蹴破った、というものです。
答えは4のflimsyです。弱い、薄っぺらな、脆い、という意味の形容詞ですが、これも直ぐに頭に出てきませんでした。(脳の老化が進んでいます・・・。)
カビ臭くて腐ったようなドアも簡単に蹴破れるよなぁ、などと思いながら帰宅し、改めて"flimsy"を辞書で引きます。
"flimsy"という単語は音位転換によりできた単語なのでした。
音位転換というのは、単語における音素が入れ替わってしまうことを指す言語学の用語で、言い間違いなどにより発音が変わってしまったものがスペルにも反映されることがあります。
"flimsy"に関して言えば、この単語は"film"の音位転換であると語源欄に説明があります。
つまり、"flimsy"とは"film"(薄い膜)が*flimへと変化したもので、これを知っていれば"flimsy"の意味合いも想像が付くというものです。
ところで当たり前のことかも知れませんが、試験対策本にこんな音位転換だとか、語源がどうだとかいう説明をしているものはありません。
必修ワードxxx語といった類の参考書はひたすら英単語とその和訳を並べて暗記を促すものです。勿論、暗記することも必要ですが、その努力の一部でも単語の成り立ちに注意関心を向けるならば、より楽しく、また深く理解が進むのではないかと思うのですが。
音位転換については以前取り上げた"tusk"もご覧下さい。
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