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2015年7月1日水曜日

immersive

"immersive"という単語を取り上げたいと思います。最近よく見かけるようになった単語のように思いますが、なんとなくわかったような気になっていて、実はよくわかっていないということがよくありますので、辞書を引いてみました。

すると、驚くことに、"immersive"という単語は辞書に載っていません!

きっかけは下記の記事でした。


Facebook users will one day be able to send messages and posts telepathically, according to founder Mark Zuckerberg.

The social network's chief executive said the "ultimate communication technology" would enable people to send thoughts directly to each other.

"One day, I believe we'll be able to send full rich thoughts to each other directly using technology. You'll just be able to think of something and your friends will immediately be able to experience it too, if you'd like. This would be the ultimate communication technology," he said.

(中略)

"First, people are gaining the power to share in richer and richer ways. We used to just share in text, and now we post mainly with photos. In the future video will be even more important than photos. After that, immersive experiences like virtual reality will become the norm. And after that, we'll have the power to share our full sensory and emotional experience with people whenever we'd like.
(Andrew Trotman. The future of Facebook is telepathy, reveals Mark Zuckerberg. The Telegrah. July 1, 2015.)


フェースブックにあまり興味はありませんが、将来はテレパシーでコミュニケーションできるようにする、と同社CEOのMark Zuckerberg氏がのたまったというタイトルにつられてアクセスしてみたのです。

氏によれば、SNSにテキストを投稿し、写真の投稿が当たり前になり、さらには動画がもっと増えてくる、その行き着く先はヴァーチャルリアリティが普通となる時代である、ということのようです。

そのコンテクストにおいて、


immersive experiences


と出てくるのですが、上述したように、"immersive"が辞書に載っていません。

オンライン辞書にはエントリーがあるようですので、ごく最近生まれた単語なのかもしれませんが、おそらくは"immerse"という動詞から派生したものであろうということは想像がつきます。

動詞の"immerse"は水面や液体に漬ける、浸す、という意味ですが、同時に


没頭させる、夢中にさせる


という意味もあります。

"immersive"とは、人を夢中にさせるような、没頭させるような、という意味の形容詞なのでしょうか?

用例として、"immersive display"と呼ばれるものがありますが、これは一般に「没入型ディスプレイ」と呼ばれており、視聴する人を取り囲んで映像に没頭させるような形をしたディスプレイのことを指しているようです。

このようなディスプレイを始めとする最近のテクノロジーを、"immersive technologies"、とか"immersive digital environment"などと呼ぶようです。

さて、上記の引用に戻りますと、


immersive experiences


とは、ヴァーチャルリアリティと呼ばれる仮想現実体験のこととほぼ同義と考えてよいでしょう。

しかしあえて皮肉を言わせていただくならば、いくら"immersive"ではあっても、それは現実の体験ではなく、仮想(非現実)に過ぎないのですけどね。






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