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2019年8月30日金曜日

piss, pee

欧米の自動車についているナンバープレート(ライセンスプレート)のことを、


vanity plate


と呼ぶことについては以前取り上げました。

ナンバープレートについては日本でも語呂合わせや好みの数字列を好むドライバーが多いですが、欧米では数字とアルファベットの組み合わせのため、より語呂合わせのバリエーションが豊富です。

前回取り上げた記事もそうだったのですが、この語呂合わせは問題になることが多いようです。


Parent: "Go now, you may not get the chance later."

At least for one New Hampshire woman, that was pretty much the ongoing conversation she had with her four kids ... so much that she made it her vanity license plate for 15 years.

Wendy Auger is proud of her "PB4WEGO" plate and told CNN she's never had any issues with it. Until now.

New Hampshire asked Auger, in a letter she received August 16, to surrender her plate because it includes a phrase relating to "sexual or excretory acts or functions," said Auger.
(Alisha Ebrahimiji. A mom with a license plate that reads 'PB4WEGO' wins a battle with the state to keep it. CNN. August 29, 2019.)


ドライバーである4児の母親の自家用車のプレートは、


PB4WEGO


というものだそうですが、これにライセンスプレートを管理する行政側が不適切なナンバーだという理由で返還を求めたそうです。

どういう点で不適切なのか、については、


sexual or excretory acts or functions


である、ということなのですが、果てさてどういう訳でそう解釈されるのか、英語国民でない我々にはやや判じ物の部類に入りますね。

記事の冒頭を読むと想像がつくのですが、4児の母親である女性が子供を車に乗せる前にちゃんとトイレに行ったかを確認するということを考え合わせると、"PB4WEGO"は恐らくは、


Pee Before We Go


を文字(と数字)に写したものと想像します。

"P"の部分について、"pee"というのは"piss"が約まったもので、幼児語の部類に入ります。

ところで、"piss"を改めて辞書でチェックしたのですが、この単語が俗ラテン語由来とは少し驚きでした。

しかも、擬声語だということで、さらにびっくりです。

15年間に渡りこのナンバープレートをつけている女性は行政の返還要求に反発したそうですが、最終的には州知事の肝いりもあって、返還義務は免れたとのことです。


2019年8月29日木曜日

痴漢 ー groping

日本発、痴漢撃退のスタンプが発売後数時間で売り切れ、というニュース記事を見かけました。


Tokyo (CNN)A new device aimed at tackling sexual harassment on crowded trains and public transport has sold out just half an hour after it went on sale in Japan.

The "anti-groping" stamps, manufactured by stamp-maker Shachihata Inc., allow victims of harassment to mark their assailants with invisible ink, and also provide a deterrent to would-be attackers.
A limited run of 500 stamps, which retailed at 2,500 yen (about $24), sold out within 30 minutes of going on sale on Tuesday, a company spokesman told CNN.

In May, Shachihata said it would develop the stamp after discussions erupted on social networking sites about how to discourage groping -- known as "chikan" -- on crowded trains.
(Invisible-ink stamps to identify gropers on Japanese public transport sell out in minutes. CNN. August 28, 2019.)


スタンプの発売元はハンコで有名なあのシャチハタだそうです。

痴漢(行為)のことは英語で、


groping


と表現されています。また、敢えて記事では日本語の痴漢という表現についても、”known as “chikan””と触れられています。

“grope”というのはまさぐる動きをすることを言いますが、特に性的な意味合いで使われるので中尉が必要です。

現職の某大統領も随分とこの”groping”の告発がされていますが・・・。


2019年8月28日水曜日

sammy

記事の引用をどうぞ。


We “ate ’em all.”

After the end of this week, there will be no more Popeyes chicken sandwiches — with the company announcing Tuesday that it had run through its inventory.

“We’re sold out” Popeyes said in a video posted to its Twitter page.

But don’t fret, fried chicken fans.

The fast-food chain plans to have the beloved sandwich back at locations everywhere in the near future, it’s just not sure when yet.

“We are so thankful,” said Popeyes, which launched the $3.99 sammy on Aug. 12.

“You ate ’em all. (Legit proud of you),” the company added. “They’ll be back soon. For. Good. Pinky swear.”

People have been flocking to their nearest Popeyes in recent weeks to try the new menu item after a Twitter feud was sparked between it and Chick-fil-A over who had the best sandwich.
(Chris Perez. Popeyes is ‘sold out’ of chicken sandwiches. New York Post. August 27, 2019.)


アメリカでチキンのサンドイッチをめぐって、競合する2つのチェーン店がしのぎを削っているようです。

どちらのブランドも日本ではなじみがありませんが、Popeyeというチェーンと、Chick-fil-Aというチェーンは多分マクドナルドと似たようなファーストフードチェーンなのだろうと思います。

Popeyeブランドの方は生産が追い付かず、売り切れとなる店舗が続出しているそうです。

記事の中で、


$3.99 sammy


と出てくるのですが、この"sammy"というのは"sandwich"のことだそうです。

一見、"sammy"が"sandwich"の省略形には見えないのですが、"sandwich"を早口で発音していく過程で、-d-の音は脱落し、-n-と-w(ich)-がほとんどつながるように発音されることで、-m-の発音に近くなり、それが文字として"sammy"になったということのようです。

ほとんどの辞書でこの"sammy"はエントリには見られません。


2019年8月27日火曜日

マレー語特集(7)ー agar

マレー語特集は7日目になりますが、今日で最終回です。

英単語の”agar”がマレー語の由来とは知りませんでした。

ご存知の通り、”agar”とは日本語で言うといわゆる寒天、ゼリーのことです。

夏の涼味である「ところてん」(心太)は海藻の一種であるテングサから作られることはご存知でしょう。

マレー語では、agar-agarというそうですが、これは寒天の材料になる海藻の一種を指す名称です。

つまり、英単語の”agar”は、マレー語agar-agarの短縮形なのでした。


2019年8月26日月曜日

マレー語特集(6) ー gong

マレーシア出張は終わり、金曜日の夜遅くに帰国致しました。

人生初の東南アジア訪問は見るもの、聞くもの、食べるもの、全てが初めてのことで、仕事のため観光という訳には行きませんでしたが、大変楽しいものでした。

さて、マレー語特集はもう少し続けたいと思うのですが、6日目に取り上げる単語として、


gong


があります。

日本語でもゴング、どら(銅羅)とも呼ばれる打楽器の一種ですが、東南アジアの音楽には欠かせない楽器のgongはマレー語から来ています。

どうして”gong”になったかについては、擬音語、つまりどらの音をそのまま文字にしたということです。


2019年8月23日金曜日

マレー語特集(5) ― camphor

マレー語特集、5日目です。

今日の単語は、


camphor


です。

日本語でもカタカナで、カンフル、と言います。辞書を改めて引いて知ったのですが、日本語としては、


樟脳(ショウノウ)


といいます。

Merriam-Webster Dictionaryの定義では、


a white substance with a strong smell that is used in medicine and to keep insects away


となっており、白色の、強い芳香を持つ物質で、医療用、虫除けに用いられるとあります。

つまり、タンスに入れるアレのことですね!

その"camphor"ですが、マレー語のkapurに由来しており、これはcamphor tree、東アジアでは樟脳が得られるクスノキのことだそうです。アラビア語、ラテン語、フランス語を経て、英語に入ってきたとの説明が語源解説に見えます。

ところで、「カンフル」と聞くと、強い刺激を与える注射剤というようなイメージがあります。

例えば日本語では、景気浮揚のためのカンフル剤、みたいなコンテクストで使われるのを見ることがあります。

今回"camphor"という単語を改めてチェックして、強い芳香というのが恐らく刺激を連想させるものなのかくらいに思ったのですが、どうやらカンフルはかつて強心剤としての用途もあったらしく、そのことから、「駄目になりかけた物事を復活させるために使用される手段」を比喩的にカンフル剤と例える用法が生まれたようです。(ウィキペディアによる。)

「カンフル」にまつわる、日本語の用法の意外な由来でした。

ちなみにコーパスなどを検索してみたのですが、英語の"camphor"にはそのような意味合い(つまり「刺激策」のような意味合い)での用例は存在しないようなので、日本語特有の言い回しと思われます。


2019年8月22日木曜日

マレー語特集(4) ― durian

マレー語特集、4日目となりました。

マレーシアは熱帯雨林気候に属しますが、東南アジアというと連想するのがトロピカルフルーツではないでしょうか。

多分食べたことがないという人はいない、我々日本人にとっても馴染み深いバナナを始め、高価なのとちょっと敷居が高いマンゴー、ドラゴンフルーツ、私も大好きなココナッツなど、この土地ならではのフルーツは是非現地でも賞味したいものばかりです。

その1つにドリアンがありますが、英語では、


durian


というスペルのこの単語はマレー語に由来します。

皮にとげのある食べ物という意味だそうです。

"durian"のduri-はマレー語で「とげ」(thorn)を意味するそうです。

腐臭のようにも感じられる強烈な香りが特徴だそうですが、その味は人を虜にし、高価で売買されるのだとか。

クアラルンプールにきて、このドリアンを食べなければ!と思っていましたが、遂に今日、それを果たすことができました。

現地の同僚も日本からの同僚も、大丈夫?と心配そうに聞いてくるくらい、好き嫌いが分かれるフルーツのようですが、あまり気にせずトライしてみることに。

仕事が少し早く引けた夕方5時頃に、タクシーに乗ってドリアンを売っているところへ移動、初体験となりました。

店先で、まさに「とげのある」ドリアンを包丁で捌いていました。スチロールのパックに味だけが載せられてラップで包まれており、大きさや量によって値段が違っているようでした。

初めてでしたので一番安い、10リンギットの小振りなのを購入、ビニール手袋をもらってその場で食べます。

腐臭と言われるようなきつい匂いはほとんど気になりませんでした。独特の食感がありましたが、これはいける!と思いましたね。美味しいと感じました。

ドリアンを食べると体が火照ると聞いていたので、あまり沢山の量を食べるのもどうかと思い、後はメロンやヤシの実ジュースなどをいただきました。


2019年8月21日水曜日

マレー語特集(3) ― gingham

マレー語特集、3日目の今日は、


gingham


です。

服飾の用語で、ギンガム(チェック)という言葉がありますね。格子柄になっているデザイン、もしくは生地のことを言いますが、英語のgighamがマレー語由来とは知りませんでした。

American Heritage Dictionaryのエントリでは下記のように定義されています。


A yarn-dyed cotton or cotton blend fabric usually woven in checks, plaids, or stripes.


先日取り上げたorangutanと同じく、オランダ語を経由して入ってきたマレー語ということのようです。

マレー語で、ginggang、もしくはgenggangというのは、隙間がある、空間で隔てられている、というような意味合いだそうですが、そこから縞模様のように見える、ということになり、格子縞を意味するようになったとか。


2019年8月20日火曜日

マレー語特集(2) ― amok

マレー語特集、2日目の今日は、


run amok


というフレーズを取り上げます。

逆上する、暴れ狂うという意味のフレーズなんですが、"amok"というのはマレー語amukから来ているとされます。

邦紙の英字新聞からですが、ちょうど最近話題になったニュースから用例を。


Rats running amok in Shibuya FamilyMart blow up Twitter

Skittering across the floor and creeping along the shelves, rats appeared to have taken over a FamilyMart Co. outlet in Tokyo.

Footage of the vermin went viral online, forcing the major convenience store chain to close the shop's doors Aug. 5.
(Rats running amok in Shibuya FamilyMart blow up Twitter. The Asahi Shimbun. August 8, 2019.)


そもそもマレー語のamukというのは、気が狂った人間のことを意味する名詞だったようで、現代で言う通り魔のような狂人を指していたそうです。(Online Etymology Dictionaryによる。)

amukの他、amuckという異綴りもあるそうですが、元々はポルトガル語のamouco、あるいはamucoに由来するそうです。


2019年8月19日月曜日

マレー語特集(1) ― orangutan

仕事でマレーシアを訪問しています。東南アジアの国を旅行するのは生まれて初めてです。

ということで、今週はマレーシアの公用語である、マレー語(Malay)にちなむ英単語を特集したいと思います。

さすが英語!と思うのですが、英語はゲルマン語族でありながら、フランス語を始めとするロマンス語は元より、全く語族の異なる諸外国語からも数多くの言葉を吸収してきており、マレー語からも多くの言葉を吸収しています。

実はマレー語に由来する単語について、過去に一度取り上げたことがあります。それは、ヤモリを意味する"gecko"です。(マレー語では擬声語だということでした。)

今日取り上げるのは、


orangutan


です。

マレー語では、森の人、という意味で、orangが人を、utanが森を意味します。

ランダムハウス英和等の語源解説によると、このマレー語はそもそもマレーシアのスンダ列島(Sunda Islands)に住む未開人のことを指して使われていたようですが、現地を訪れていたヨーロッパ人はそれがオランウータンを指しているものと誤解し、オランダ語のorang outangを経て英語に入ってきたとあります。


2019年8月16日金曜日

in a vacuum

この数週間における米国内のトップニュースの1つに、未成年者の売春に関与した容疑で訴追されたJeffrey Epstein氏に関する記事があります。

ニューヨークの拘置所に拘留されていたところ死んでいるのが見つかり、自殺したという報道でまたしてもトップニュースの扱いになりました。

Epstein氏は金融界に幅をきかせた大富豪だったそうで、トランプ大統領やクリントン氏、さらには英王室ともコネクションがあったとされ、謀殺説が上がっているのです。

同氏が自ら命を絶ったのか、あるいは他殺されたのか、検死の行方が注目されているところ、今日は以下のような記事が目に留まりました。


Wealthy financier Jeffrey Epstein had broken bones in his neck, an autopsy found, raising further questions about the accused child sex trafficker’s death last weekend while he was held in a Manhattan jail.

Epstein’s demise on Saturday in the federal lockup was originally suspected of being the result of suicide by hanging.

But it remains under investigation by the FBI and the Office of the Inspector General of the Justice Department. And the New York City medical examiner’s office has yet to rule on the cause and manner of the death of the former friend of Presidents Donald Trump and Bill Clinton after performing his autopsy.
(Jeffrey Epstein had broken neck bones — raising questions about the accused sex trafficker’s cause of death. CNBC. August 16, 2019.)


関係者の話によるとですが、死亡したEpstein氏は首の骨を損傷していることが検死により分かったそうです。

首吊り自殺でも首の骨を損傷することはあるだろうと思われますので、"raising further questions~"というのは何を言わんとしているのか気になり、読み進めます。


NBC News medical expert Dr. John Torres said that a broken hyoid “can happen in both strangulation and hanging, but occurs in more often in strangulations.”

Torres noted that studies have found that a broken hyoid occurs in about 1 out of every 3 strangulations, and in 25% of hangings.

New York City’s chief medical examiner, Dr. Barbara Sampson, in a statement to CNBC, said, “In all forensic investigations, all information must be synthesized to determine the cause and manner of death.”

“Everything must be consistent; no single finding can be evaluated in a vacuum,” said Sampson, who noted that the determination of what led to Epstein’s death is pending further study.
(ibid.)


損傷していたのは、解剖学的にはhyoid(舌骨)ということなのですが、専門家によれば首吊り(hanging)よりも絞扼(strangulation)により発生する確率が高いとのことです。

つまり、他殺説を裏付ける可能性が出てきたということで、先の"raising further questions~"の言わんとするところが分かりました。

ところで今日取り上げたい表現は、この後に続く検死担当のドクターのコメントにある、


no single finding can be evaluated in a vacuum


という部分の、"in a vacuum"というフレーズです。

直前のコメントに、


all information must be synthesized to determine the cause and manner of death


とあることから想像がつくように、他殺説を疑わせる検死結果が出たものの、それを決定付けるまでのものではないというのが検死担当の判断と思われます。

それに続けてのコメントですから、舌骨の損傷という一件を以て(他殺であると)結論づけることはできない、というのが趣旨と解釈されます。

この"in a vacuum"というフレーズは、


separated from outside events or influences
(Merriam-Webster Dictionary)


という定義がされていますが、外部からの影響から隔絶された状態で、とか単独で、という意味です。

"vacuum"という単語の意味について以前にもこちらで取り上げていますので、併せてお読みください。


2019年8月15日木曜日

The buck stops...

記事の引用をお読み下さい。


OTTAWA (Reuters) - Canadian Prime Minister Justin Trudeau on Wednesday said he took responsibility for the findings of an ethics report that found he improperly acted to influence a corporate legal case, but he refused to apologize and said he acted to defend Canadian jobs.

“I take full responsibility. The buck stops with the prime minister,” Trudeau told reporters in Niagara-on-the-Lake, Ontario, adding: “I cannot apologize for standing up for Canadian jobs.”
(Trudeau reacts to ethics report, says he cannot apologize for standing up for Canadian jobs. Reuters. August 15, 2019.)


カナダのトルドー首相が、自身に向けられた疑惑に関して、いわゆる第三者委員会のような立場からの報告書が公表されたことを受けてコメントした内容を取り上げた記事です。

背景はよく分かりませんが、国内の建設会社の汚職を巡って司法判断に影響を及ぼすような政治介入を行ったということのようです。

首相のコメントに、


The buck stops with the prime minister


という部分があります。直前で、"take full responsibility"と言っているので、報告書の内容を認めたものと思われます。

この"the buck stops..."というのはいわゆる成句であり、"the buck"とはいわゆる「責任」のことであると辞書に載っています。

以前にも、"pass the buck"という表現を取り上げたことがありますが、この"buck"というのは鹿の角を柄の部分に使ったナイフのことで、ポーカーゲームでは親となるプレーヤーの前にこれを置いたそうです。

そのことから、"the buck stops..."は親の役目が(自分自身に)留まること、つまり他人には回さない、という意味で用いられ、責任を負うという意味になったようです。

研究社大英和によると、"The buck stops here."というのはアメリカ第33代大統領のトルーマン大統領が自身のモットーとして用いていたことで有名だそうです。


2019年8月14日水曜日

下見 ― case out

オハイオ州のバーで起きた銃乱射事件に関するCNNの記事からの引用です。

以下のような記事タイトルで、"case(d) out"という表現が気になってアクセスしたような次第です。

'Strong possibility' Dayton shooter cased out bar in advance, police say


本文は下記のように続きます。


(CNN) — The man who opened fire at a bustling neighborhood in Dayton, Ohio, last weekend left his sister and companion in a bar and went to another nightspot by himself minutes before he got his gun and began shooting, police said Tuesday.

Authorities on Tuesday provided a detailed timeline of the shooting in which 24-year-old Connor Betts used a souped-up assault rifle to fire 41 shots in about 30 seconds, killing his sister and eight others.

Dayton Police Chief Richard Biehl clarified that 17 people were injured by gunfire, three more than a previous count, and more than two dozen were injured overall, including people hurt in the stampede.
(Eric Levenson. 'Strong possibility' Dayton shooter cased out bar in advance, police say. CNN. August 13, 2019.)


事件の経緯は少しややこしく、何度か読み直して理解したのですが、銃を乱射した容疑者の男というのは最初は自らの妹を含む3人連れでバーを訪れていたのですが、途中から2人とは分かれて自分一人で別のバーに行き、その後また引き返して、最初に訪れたバーで凶行に及んだということのようです。凶行に及ぶ直前、自分の車に立ち寄って銃器を準備し、服装も変えていることが防犯カメラの映像を解析した結果分かっているそうです。

容疑者は自分の妹も射殺してしまったのですが、動機は不可解で、解明は今後に委ねられるようです。

ところで、"case out"というフレーズについては、"in advance"という修飾があることからも意味の想像がつきますが、本文中でも以下のように出てきます。


Police said there was a "strong possibility" that Betts visited Ned Peppers by himself to case the place, but Biehl cautioned that he knew the area well and had been there the night before, too.
(ibid.)


ここでは、"case the place"というフレーズですが、改めて辞書を引いてみると、動詞としての"case"には下見(検分)をするという意味があるようです。

また、"case out"という場合には、俗語表現で、銀行強盗など犯罪を実行する前の下見を行う、というような意味合いで用いられることが多いようです。


2019年8月13日火曜日

full steam

記事の引用からお読み下さい。


London(CNN) - National security adviser John Bolton voiced the Trump administration's full-throated support of the new British prime minister's push to leave the European Union, saying the US even supports a no-deal "Brexit' during a visit to London to fortify the once strained US-UK relationship.

"I think if that's the decision of the British government, we will support it enthusiastically and that's what I am trying to convey: We are with you. We are with you," Bolton told reporters on Monday after a series of meetings with top UK government officials.

Bolton, visiting the UK for two days to meet with a whole host of UK leaders, including Prime Minister Boris Johnson, said that he was walking away with the impression that Brexit was going ahead full steam.
(Kylie Atwood. Bolton pushes for Brexit, telling UK officials 'we are with you'. CNN. August 12, 2019.)


最近首相が交代した英国における、ブレグジット(Brexit)の話題です。

前首相はBrexitを推し進めることが出来ずあえなく辞任となりましたが、新しくジョンソン首相の下、改めて試みるイギリスのEU離脱の現実味を国際社会も注視しています。

とりわけアメリカはイギリスのEU離脱を支持する国の1つですが、トランプ政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めるJohn Bolton氏は新首相への支援を鮮明に打ち出しました。

引用した記事の最後の部分で、


the impression that Brexit was going ahead full steam


というくだりがあります。

この"full steam"というのは、前置詞atを伴って"at full steam"と使われる場合もありますが、副詞的に、


全速力で、全力で、全面的に


といった意味です。

もちろん、"steam"は動力としての蒸気を指しています。


2019年8月12日月曜日

サリンジャー著作、ついに電子化 ― holdout

「ライ麦畑でつかまえて」(Catcher in the Rye)の名作で知られるJ.D.Salingerですが、後半生は隠遁生活を送りながら執筆活動を続け、その作品の公表を拒否してきたことはよく知られています。

ちなみに今年は生誕100周年です。

同作品の翻訳を村上春樹氏が少し前に発表したことで話題になりました。その翻訳の舞台裏について同氏が書いた「翻訳夜話」を読みましたが、"Catcher~"の翻訳版刊行にあたっては、前書きや後書きなど、サリンジャーの著作(の翻訳)以外には一切付加しないことが条件だったというような話があったのを記憶します。

そのような次第ですから、同作品の電子書籍版についても、それを頑なに拒否してきたというのは不思議でも何でもないように思われるのですが、今日読んだNew York Times紙の記事では、ついに名作の電子書籍化が実現しそうだということで、ある意味ビッグニュースです。


In the five decades since J.D. Salinger published his final short story, "Hapworth 16, 1924," his smal, revered body of work has stayed static, practically suspended in amber.

Even as publishers and consumers adopted e-books and digital audio, Salinger's books remained defiantly offline, a consequence of the writer's distate for computers and technology. And while Salinger kept writing until his death nearly 10 years ago, not a word has been published since 1965.

That is partly because of his son, Matt Salinger, who helps run the J.D. Salinger Literary Trust and is a vigilant guardian of his father's legacy and privacy.

But now, in an effort to keep his father's books in front of a new generation of readers, the younger Mr. Salinger is beginning to ease up, gradually lifting a cloud of secrecy that has obscured the life and work of one of America's most influential and enigmatic writers.
(Alenxandra Alter. J.D. Salinter, E-Book Holdout, Joins the Digital Revolution. New York Times. August 11, 2019.)


記事のタイトルで、


E-Book Holdout


と出てきますが、この"holdout"というのは、交渉などにおいてほとんど頑なまでに拒否の姿勢を取ることを意味します。"hold out"という動詞句が、よりよい条件を要求する、~を求めて合意を渋る、という意味がありそこから派生しています。


The Salinger estate was among the most stubborn holdouts against digitalization, and the arrival of his e-books will fill a major gap in the digital library.
(ibid.)


サリンジャー氏の版権等の遺産については息子のMatt Salinger氏を始めとする遺族が管理しているそうですが、長く拒否してきた電子化を認めた背景には障害のある読者への配慮もあるようです。


His son, Matt Salinger, said the digital holdout ended because many readers use ebooks exclusively and some people with disabilities can only use them.
(At last! J.D. Salinger's books (including 'Catcher in the Rye') are going digital. USA Today. August 11, 2019.)


晩年に執筆された未公開作品を公開する可能性についても検討しているということで、今後が期待されます。


2019年8月9日金曜日

cop a squat

夏休みにローマへ旅行する予定がある人は要注意です。

小生も20年くらい前にローマに旅行したことがありますが、小ぢんまりした市内は数々の名所を歩いてまわるのにとても印象的でした。名所中の名所にスペイン階段があります。

引用する記事によるとスペイン階段で座り込みなどの行為をすると罰金が科されるようです。最高で280ドルということですから、こんな大金を払う羽目になったらバケーション気分も吹っ飛んでしまうというものです。


It is now illegal to cop a squat on Rome’s famous Spanish Steps — with violators facing a fine of up to $280.

Locals, however, aren’t taking the ban sitting down.

“It seems to me to be a fascist-style provision that the municipality will be forced to review,” said Vittorio Sgarbi, an Italian art critic and former deputy minister of culture.

“Protecting a monument is fine, and obviously you shouldn’t eat on the steps, but the ban on sitting down is really excessive,” he told the ­AdnKronos news agency.
(Chris Perez. Visitors face $280 fine for sitting on Rome’s famed Spanish Steps. New York Post. August 7, 2019.)


記事で使われている表現に、


cop a squat


という、ちょっと変わったものがあります。

"cop"は警察のことかと思いきや、ここでは動詞で、別の単語です。

"squat"はお馴染み、スクワットの姿勢、つまりしゃがむことを指しています。

で、"cop a squat"というフレーズで、座る、腰かけるという意味の俗語表現になっています。この場合の動詞"cop"は語源的にはラテン語capere("catch"の意味)に遡ります。

このような動詞としての"cop"は以前も一度取り上げたことがあります。


2019年8月8日木曜日

profanity

記事の引用からお読み下さい。


Twitter has locked the account for Senate Majority Leader Mitch McConnell's (R-Ky.) campaign after it shared a video of a protester's profanity-laced rant outside the senator's home.

A Twitter spokesperson told The Hill that the @Team_Mitch account was locked because a tweet "violated our violent threats policy, specifically threats involving physical safety."

(中略)

The McConnell campaign on Tuesday shared a video featuring protesters demonstrating outside the Kentucky senator's home. The video included Black Lives Matter Louisville leader Chanelle Helm repeatedly cursing and stating that she wished the GOP leader had "broken his little, raggedy, wrinkled-ass neck" instead of injuring his shoulder last weekend, the Louisville Courier-Journal reported.
(Justin Wise. Twitter locks McConnell campaign account after posting video of protester shouting threats, profanities. The Hill. August 7, 2019.)


記事のタイトルと本文に出てくる、"profanity"という単語はあまり馴染みがない単語かもしれません。

辞書を引くと、


冒涜、冒涜的な言葉(行為)


といった日本語が載っています。

この"profanity"は形容詞の"profane"から来ているのですが、その"profane"の意味もやはり、冒涜的な、とか下品な、という意味です。

根本的には神を汚す、神聖なものを冒す、という意味があるのですが、語源に目を向けてみると、pro-は「~の前に」を意味する接頭辞、そして-faneはラテン語のfano(fanum)から来ており、寺院、神殿という意味だそうです。

つまり神殿の前(にいる)というのが字義通りの意味で、ランダムハウス英和によれば、神聖な神殿の中に入らず外に留まっていることから、神を冒涜するという意味に発展したということです。

ちなみに、同じくラテン語のfanum(寺院、神殿)を語源とする単語に"fanatic"(狂信的な)があります。


2019年8月7日水曜日

seltzer

暑い日が続きますね。

昨日はビールの話でしたが、汗をかくと水分が欲しくなるのは当然の生理現象で、では何を飲むかというのは熱中症対策としてもポイントです。

私はランニングの後などは冷蔵庫で良く冷やした水道水を飲みますが炭酸飲料を飲みたくなる誘惑にも駆られることがあります。

オフィスなどで周りを見てみますと、炭酸水を飲んでいる人を最近は多く見かけるようになりました。

スパークリングウォーター(sparkling water)と呼ばれるものですが、アメリカでは、


seltzer


という名称もよく使われます。


The drink of summer 2019 complies with just about every diet, befits all age groups, can be found in grocery stores across the United States (as has been the case for decades) and won’t get you drunk — unless, of course, it will.

It’s water. More specifically sparkling water, an umbrella term that encompasses club soda and seltzer. This beverage category is attracting millions of dollars in venture capital investment and changing the drinking habits of a people known for colonizing the world with corn-syrup-laden soda and watered-down beer.

“Sparkling water is one of these categories that has exploded, that has been exploding,” like so many bubbles of carbon dioxide, said David Henkes, a senior principal at Technomic, which tracks restaurant and food service trends.
(Sheila Marikar. The Seltzer Bubble. New York Times. July 13, 2019.)


この"seltzer"というのはドイツ語由来の単語です。

ドイツの地名にSeltersというところがあるそうですが、その土地の湧き水でしょうか、ミネラルウォーターのことをSelterser Wasserということにちなむそうです。

ランダムハウス英和辞書では、セルツア炭酸水、起泡性天然鉱水とありますので、普通の水ではなくシュワシュワとする炭酸水なのだろうと思います。

先日の飲み会では同席した同僚が炭酸水を自宅で作れる機械にハマっていると言っていました。

また、そう言えば久しぶりに帰った実家ではオヤジが焼酎を炭酸水で割って飲むのが旨いと言っていました。

アメリカでも健康志向を背景とした"seltzer"ブームが到来しているようです。


2019年8月6日火曜日

beer goggles

昨晩はいわゆる暑気払いの飲み会でした。高気圧に覆われた列島では熱中症で搬送される人が急増しています。猛暑の日中はおとなしくして、暑さが和らぐ夕方からビールで乾杯で凌ぎたいところです。

ところでアルコールが体に入ると陽気になる人が多く、ために酒の席で失敗する人も後を絶ちません。特に異性に対する軽はずみな行動は慎まねばなりませんが、お酒の席では特に異性が魅力的に見えてしまうというのは科学的に裏付けられているそうです。

そのことを言うのに、


beer goggles


という表現があるということを最近知りました。

ビール(beer)を飲んで酔っ払ってしまった人は普段とは違う特別なメガネ(goggles)をかけているのと同じこと、ということですね。

少し古いですが検索して出てきた記事を引用します。


Scientists have finally proved what has been suspected for a long time—the existence of beer goggles.

A study found that beer drinking made it easier for volunteers to view explicit sexual images, and the effect was greater for women than for men.

Another effect was a boost in positive behavior. After downing half a liter of beer, study participants were more attracted to happy faces and social situations.

The findings go some way towards providing an explanation for "beer goggles"—a slang term used to describe how the influence of alcohol can make an unattractive person appear beautiful.
(Lucy Clarke-Billings. Scientists Confirm Existence Of 'Beer Goggles' After Drinking—And They Work Best on Women. Newsweek. September 19, 2016.)


記事によると、スイスの大学による研究ではこうした"beer goggles"の影響は男性よりも女性の方で大きいそうです。

断っておきますと昨日の暑気払いは男ばかり(しかも40代後半のおやじ)が集まったのものです(苦笑)

英語には、


Beauty is in the eye of the beholder.


ということわざがありますね。

日本語では「蓼食う虫も好き好き」と訳されますが、このことわざのパロディーに、


Beauty is in the eye of the beer-holder.


というものがあるそうで、笑ってしまいました。


2019年8月5日月曜日

screed

またもや銃による悲劇が起きました。

アメリカ、メキシコ州のエル・パソのウォルマートで男がライフル銃を乱射し、20名もの人が犠牲になりました。

同時多発的にオハイオ州でも乱射事件が発生しています。


The North Texas man charged with capital murder for killing 20 people in a mass shooting at an El Paso Walmart might face federal domestic terrorism and hate-crime charges as investigators probe his suspected anti-immigrant screed posted online shortly before the attack.

Patrick Crusius, 21, was booked into the El Paso County Jail early Sunday morning on a charge of capital murder. He is accused of walking into a crowded Walmart on Saturday and targeting customers and employees, leaving 20 dead and another 27 injured.

Investigators believe Crusius posted a 2,356-word "manifesto" that appeared on the anonymous message board 8chan less than a half hour before the shooting. The four-page document shared widely online contains anti-immigrant and racist rhetoric, advocates a plan to divide the nation into territories by race and warns of an impending yet unspecified attack.
(Ken Alltucker. Who is the El Paso shooter? Investigators search for links, motive in anti-immigrant screed. USA Today. August 4, 2019.)


容疑者の男は移民に対する敵愾心があったとされており、ネットの掲示板ではニュージーランドで発生したテロ事件にも賛同する書き込みをしていたことが分かっています。

また、今回発生した乱射事件の直前には、自身の反移民の主張を2356語に渡って連ねたものをネットの掲示板に投稿していたようです。

ここで記事では見慣れない単語が使われています。


screed


というのがそうなのですが、初めて見る単語だったので、"creed"(信条)のスペルミスかと思わず勘違いしてしまいました。

"screed"の意味は、


(特に非難・攻撃を目的とした)長たらしい話、長談義、長論文


となっています。ちなみに"creed"との語源的な関連は全くありません。


2019年8月2日金曜日

old flame

日本だとかなり抵抗を感じる人が多い入れ墨(tattoo)ですが、外国人は割と気軽に入れ墨を施しているように思えます。

肌を露出する機会が増える夏など、腕や足のふくらはぎに入れ墨をしている外国人を見るのはそう珍しいことではありません。

国際大会やオリンピックに出るような水泳選手でもしています。

一旦施してしまうと除去するのは難しいといわれる入れ墨ですが、簡単に(!?)除去する方法があるそうです。


TRENTON, N.J. (AP) — Does your tattoo sport your old flame’s name? Or the one you got on a whim no longer fits your image?

You’re not alone. Many people have “tattoo regret” and are opting to get the ink removed.

Nearly 3 in 10 U.S. adults have one or more tattoos and 25% want them removed, according to Dr. Paul M. Friedman, director of the Dermatology & Laser Surgery Center in Houston and New York.
(Linda A Johnson. Regret your tattoo? Here’s advice on how to get rid of it. The Associated Press. July 31, 2019.)


引用した記事の冒頭部分に出てくる、


old flame


というのは滑稽な表現だと思うのですが、昔の恋人、愛人、という意味だそうです。

"flame"自体に、恋人という意味があるようですが、愛情を炎(flame)を結びつける感覚は洋の東西で変わらないということでしょう。


2019年8月1日木曜日

get smoked

記事の引用をお読み下さい。


Despite owning 35% of Juul, Altria is getting smoked (pun intended) after reporting results yesterday. Investors are not happy that it revised its forecast for a decline in U.S. cigarette volumes for the second time this year. The company also told investors it's "too soon" to judge the international expansion of its $13B acquisition of Juul.

Altria investors' expectations for Juul are extremely high. The company already has more than 70% of the electronic cigarette market. But since the acquisition, Juul has faced increased pressure as teens’ usage of vapes, particularly Juul, continues to worry lawmakers.
(Altria Hoping That Juul And Pot Will Keep Smokers From Going White Claw All Over It. Deal Breaker. July 30, 2019.)


いわゆる電子タバコと呼ばれる製品が日本でも広く普及しつつあります。気のせいか、従来の紙巻きたばこをくゆらせている人たちを見るよりかは、加熱式のデバイスを手にしている人たちを多く見るようにも思います。

アメリカでは、Juulという製品がヒットしているそうですが、若者の間でファッション性を帯びて広まっているらしく、健康被害の報告などもあり、規制を強める声も高まっているそうです。

このJuulの製造販売元の株式の35%を保有するのが、喫煙者の皆さんにはお馴染みのフィリップ・モリス社を傘下に収めるAltriaグループということなのですが、上述したような規制のあおりを受けて、業績の見通しがどうやら良くないそうです。

記事では、


Altria is getting smoked (pun intended) after reporting results yesterday


というくだりがありますが、この"getting smoked"という表現に着目してみます。

わざわざ、"pun intended"と補足されていますが、タバコメーカーの煙(smoke)と"get smoked"というフレーズをかけているんですね。

ところで、"get smoked"とはどう意味なのでしょうか?

動詞の"smoke"には色々な意味があるようですが、どうやら記事のコンテクストでは、


To defeat decisively, as in a competition.
(American Heritage Dictionary)


というスラングの意味で使われていると思われます。

コーパスで同じような用例を探してみましたが、あまり多くはありません。


Donald Trump is getting smoked in the polls right now because he has run the most inept campaign in the history of campaigns and also he's a fundamentally unlikable racist who lies a lot.
(Mother Jones, 2016)


ランダムハウス英和辞書では、


(人を)出し抜く、負かす


という訳語が載っています。