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2024年11月4日月曜日

Pride comes before a fall.

今日は文化の日の振替休日ですが、取り上げるネタに難渋しました。

ニュース記事を斜め読みしてネタを探しますが、大統領選の結果予想の記事もやや食傷気味。

こういう時はニュース記事からは一旦離れて、過日気になった表現をメモしておいたストックから探すということになります。

今日取り上げるフレーズは、


Pride comes before a fall.


というものですが、直訳すると没落の前にはプライドが現れる、というものです。

つまり、プライドが前面に出てくるようになるとその人の凋落も近い、ということなんですが、これは戒めの諺と捉えるべきフレーズでしょう。


Prince Harry has suffered a humiliating climbdown, with a royal commentator claiming that "pride comes before a fall".
(GB News. November 20, 2023.)


ところでこのフレーズの由来は旧約聖書の「箴言」なのだそうです。


痛手に先立つのは驕り。
つまずきに先立つのは高慢な霊。
(「箴言」16:18;新共同訳)


聖書の英語訳(ウィクショナリー)では以下のような英語になっています。


Pride goes before destruction,
and a haughty spirit before a fall.


日本語ですと、おごるれものは久しからず、など、人口に膾炙した言い回しが相当しますね。

2024年11月1日金曜日

fodder

ウクライナに侵略戦争を仕掛けているロシア軍に、北朝鮮が派兵しているという報道が先日あり、やはり事実として数千名の北朝鮮兵が対ウクライナの前線へ送られているらしいと言われています。

ロシアと北朝鮮がタッグを組むという、何とも不気味な構図ですが、誰もこれを停めることができないという事実に平和や国際秩序が危機に晒されていることをひしひしと感じます。

一方、昨日見かけたニュースでは、既に前線では北朝鮮兵士の戦死者が出ているという報道もありました。

また、以下引用する記事は、北朝鮮兵はロシアに使い捨てにされる運命にある、という韓国国連大使の談話を取り上げています。


North Korean troops headed to fight in Ukraine will "end up as mere cannon fodder," Joonkook Hwang, the South Korean ambassador to the UN, said on Wednesday.

Hwang was speaking at a UN Security Council briefing in New York on the Russian invasion of Ukraine when he referenced North Korea's involvement in the conflict.

North Korea is believed to have sent thousands of troops to aid Russia in its war against Ukraine, per officials from South Korea, Ukraine, and the US.

"As legitimate military targets, they will end up as mere cannon fodder, while the wages they are supposed to receive from Russia will end up squarely in Kim Jong-un's pocket," Hwang said of the Russia-bound North Korean troops.
(Kwan Wei Kevin Tan. North Korean troops will become 'cannon fodder' if they join Russia's war against Ukraine, South Korea says. Business Insider. October 31, 2024.)


「使い捨て」、記事中は、


cannon fodder


とある部分が相当します。

"fodder"とは家畜の飼料という意味ですが、語源は食料(food)です。大量消費されるべく、かき集められるものという意味から、さらに安価に調達できる、使い捨て、というニュアンスが付け加わりました。

"cannon fodder"という表現は、


大砲(cannon)の餌食になるだけの雑兵
(研究社新英和大辞典)


という意味です。

以前取り上げた、"gossip fodder"もご覧下さい。

2024年10月31日木曜日

garbage

アメリカ大統領選、ここ数日沸騰しているキーワードが、"garbage"です。

ゴミ、クズという意味ですが、政策議論を戦わせることなく、対立候補への口汚い非難中傷に終始するのは日本だけではなく、かの大国も同じようです。


The controversy began Tuesday — at the same time Harris was speaking near the White House — when Biden participated in a campaign call organized by the Hispanic advocacy group Voto Latino. Biden used the opportunity to criticize Sunday’s Madison Square Garden rally, where a comedian described Puerto Rico as a “floating island of garbage.”

“The only garbage I see floating out there is his supporters. His demonization of Latinos is unconscionable, and it’s un-American,” Biden said. “It’s totally contrary to everything we’ve done, everything we’ve been.”
(Harris promises to ‘represent all Americans’ after Biden’s remark on Trump supporters and ‘garbage’. The Associated Press. October 31, 2024.)


ことの発端はトランプ陣営がニューヨーク、マジソンスクエアガーデンで開催した集会で、支援者のコメディアンがプエルトリコを「カリブ海に浮かぶ"garbage"」と揶揄する発言をしたことにあります。

この発言を念頭に、今度はバイデン大統領がヒスパニック系の有権者の集会で、トランプ氏支持者は"garbage"だと発言。

お互いがお互いを"garbage"と罵り合うという、何とも醜悪な事態になっているというものです。

バイデン氏の発言を受けてハリス氏は、支持、不支持に関係なく、自分は全てのアメリカ国民のための大統領になる、とオトナの対応を見せましたが、正直なところは投票目前に有権者の離反を招くようなバイデン氏の発言を迷惑に思っているのではないでしょうか。

さて、"garbage"という単語についてですが、辞書の語源欄を見ると元は食肉のはらわた、内臓など、食べられずに捨てる部分のことを指したものだということです。その後、この単語は食肉の内臓に限らず、野菜屑など、いわゆる生ゴミ一般を指すものとなり、くだらないもの、酷いものや人を指すのに使われるようにもなりました。以前取り上げた、"hot garbage"もご覧下さい。

余談ですが、食肉の内臓と聞くとホルモンを思い出します。

「ホルモン」の語源は関西弁の「放る」(捨てる)もん(モノ)、と聞いたことがあります。俗説のようですが、"garbage"の語源解説を読んでいてそんなことを思い出した次第です。

ただ、人を貶す表現としてホルモンという言葉は使われませんし、焼肉にしてもホルモン鍋にしても、捨てるどころか・・・。


2024年10月30日水曜日

gut check

アメリカ大統領選を目前にトランプ、ハリス両陣営は支持率が拮抗しており、票の掘り起こしに躍起です。

以下引用する記事ではユダヤ人票を如何に獲得するかという話と読みました。


In an 11th-hour pitch to Jewish voters, second gentleman Doug Emhoff told a crowd in Pennsylvania that his wife, Vice President Kamala Harris, "feels it in her gut" what it means to support Israel. 

"Let me be direct and answer the question that Jews have asked for generations. Yes, she feels it in her gut. Kamala feels it, as we say, in her kishkes," Emhoff said during an address in Pittsburgh.

The so-called gut test came up during the days of former President Barack Obama, when some Jews questioned how deep his support for Israel was. 
(Morgan Phillips. Doug Emhoff says wife Kamala Harris supports Israel 'in her soul' and passes gut-check for Jewish priorities. Fox News. October 29, 2024.)


記事のタイトルにある、


gut-check


という表現が目に留まりました。

本文中では、


Vice President Kamala Harris, "feels it in her gut" what it means to support Israel


とあります。

これは、(ハリス氏が)イスラエル(ユダヤ人)へのサポートを本心から表明している、という意味だろうと思われます。つまり、上辺だけ、口先だけではない、ということです。

"gut-check"とはつまり当事者の決意の程、本気度を試すこと、という意味で、Merriam-Webster Dictionaryでは、


a test or assessment of courage, character, or determination


と定義されています。

"gut"(内臓、はらわた)が感情や本心、また勇気の源泉と結び付けられるのは"gut"という単語が使われている他の慣用表現などからも自明でしょう。「ガッツ」というカタカナの日本語は英語から来ているものと思いますが、「心の底から」という意味で「腹の底から」という表現を用いる我々日本人にも共通する感覚であろうと思います。


2024年10月29日火曜日

whipper-snapper

Z世代の若者との付き合い方、とりわけZ世代社員の扱い方、みたいな記事はこれまでにも見かけたことがあります。

以下に引用する記事もその類の話なのですが、要はまぁ若者というのはいつの時代も年配者にとっては不可解で扱いにくい存在という話かと思います。


“According to respondents, 29% say Gen Z coworkers are the most annoying to work with,” revealed researchers from LLC.org, Limited Liability Company experts. “Lack of work ethic, complaining and entitlement were the top three annoying traits of Gen Z coworkers.”

Making matters worse, whipper-snappers of the digital era, workers ranging in age from 18 to 27, also rank as the “least productive” folks on the clock as compared to their millennial, Gen X and Baby Boomer colleagues. 
(Asia Grace. Gen Z has the ‘most annoying’ coworkers, study reveals — but they say it’s just hard to fit in. New York Post. October 28, 2024.)


記事によれば、3人に一人くらいの割合でZ世代社員を職場における扱いにくい厄介者と回答しているという調査結果があるそうですが、特に困るのが生産性の低さだということです。

そして、Z世代の若者のことを、


whipper-snappers of the digital era


と総括しています。この"whipper-snappers"とは、


思いあがっているつまらないやつ、生意気な若僧、青二才
(ランダムハウス英和辞書)


という意味なんですが、"snippersnapper"という単語が変化したものという解説が見られます。また、"whipster"という単語も同義で用いられるようです。

"whip"とは鞭で打つこと、"snip"は切り取ったりすること、"snap"は折ったり、鋭い音を立てるような動作をすることですが、これらの表現には急に動くとか(whip)、つまらないことをするとか(snip)、突然キレる(snap)、といった意味合いもあり、これらの意味が組み合わさって、そういった行動を繰り返している人、そんなことに終始しているような見下げた人間、というような意味を形成しているように思われます。



2024年10月28日月曜日

cryptophasia

双子の間だけで通じる言葉、というものが存在するという興味深い記事を見かけました。

双子に産まれた人の約半数がこのような特別なコミュニケーション方法を発達させるという研究があるそうです。

そして、この双子だけの間で通じる言語のことを、


cryptophasia


というそうです。

crypto-とは秘密の、-phasiaとは話す(speaking)の意味のギリシャ語です。


Up to 50% of twins develop their own communication pattern with one another. Most lose it over time, but for the Youlden twins it has become a normal way of communicating.

(中略)

An estimated 30-50% of twins develop a shared language or particular communication pattern that is only comprehensible to them, known as cryptophasia. The term translates directly from Greek as secret speech.

Nancy Segal, director of the Twin Studies Center at California State University, believes there are now better and more nuanced words for the phenomenon, and prefers to use "private speech". In her book Twin Mythconceptions, Segal also uses the phrase "shared verbal understanding" to refer to speech used within the pair.
(Krupa Padhy. 'It's a unique language spoken by two people': The twins who created their own language. BBC News. October 27, 2024.)


"cryptophasia"は双子同士が意思疎通を図る過程で生じ、発達していくもののようですが、多くの場合、外部の言語刺激、すなわち両親や家族が話す言語のことですが、それらの刺激にさらされる中で、やがては消滅していくものだそうです。即ち、母語が"cryptophasia"よりも優勢になって行くということなのですが、稀に"cryptophasia"が双子間だけのコミュニケーション手段として残るケースが認められるそうで、BBCの記事では英国生まれの双子兄弟の例を取り上げています。



2024年10月25日金曜日

doody

世の中、何でもかんでも、AI、エーアイ、とこのところは少し五月蠅くも感じられるくらいなのですが、今日読んだ記事ではAIを実装したトイレ(!?)が取り上げられています。

一体どんなトイレで、何をしてくれるんでしょうか?


A Texas startup named Throne is making waves in scatological circles after devising a camera that attaches to your toilet and photographs your poop.

(中略)

The downward-facing device simply clips onto the toilet rim and snaps videos of your stool. Afterward, doctor-trained artificial intelligence analyzes the stool and provides insight into the user’s daily “digestive and hydration status.”

This doody data, along with tailored health recs, is then made available via an accompanying Smartphone application.
(Ben Cost. AI toilet camera snaps pictures of poop — here’s why you want a fecal record. New York Post. October 24, 2024.)


この「AIトイレ」には便座にカメラが取り付けられているそうですが、トイレにカメラというだけでもう怪しさ満点ではないでしょうか?

しかしながら、このカメラは便器内を撮影するべく下向きに取り付けられているということで、用を足す人ではなく、排泄物を撮影して、その状態から健康状態などを判断するものなのだそうです。

つまりAIが記録、分析する対象は、


doody data


なのですが、この"doody"という単語は初めて見るものです。

そして、辞書に載っていません!

ネット検索すると、唯一Collins Dictionaryのサイトで、


solid bodily waste; feces


とありました。

つまり、う⚪︎ち、のことです。

"doodie"というスペルもあるようです。また、以前取り上げた"doo-doo"もご参考ください。

語源について説明しているものは見当たらないのですが、American Heritage Dictionaryで"do"のエントリ(そうです、動詞、また助動詞のあの"do"です)に、「ウ⚪︎チ」という意味がスラングとして載っており、これが変化したものなのかと思います。


2024年10月24日木曜日

crystallize

米大統領選まで1週間あまりとなりました。民主党候補カマラ・ハリス副大統領は最終の遊説地にワシントンD.C.にあるホワイトハウスに近接した公園(The Ellipse)を選びました。


PHILADELPHIA (AP) — Vice President Kamala Harris plans to lay out her campaign’s closing argument by returning to the site near the White House where Donald Trump helped incite a mob that attacked the U.S. Capitol in January 2021 — hoping it will crystalize for voters the fight between defending democracy and sowing political chaos.

Her campaign says Harris will give a speech at the Ellipse on Tuesday — one week before Election Day — and will urge the nation to “turn the page” toward a new era and away from Trump.
(Harris to give her campaign’s closing argument at the Ellipse, where Trump helped spark Capitol riot. The Associated Press. October 24, 2024.)


この公園は、前回の大統領選でバイデン氏に敗れたトランプ元大統領がスピーチを行なった場所で、その後暴徒と化した支持者らが議事堂の襲撃に至ったという、いわば曰く付きの場所です。

ハリス氏の意図について、


hoping it will crystalize for voters the fight between defending democracy and sowing political chaos


というくだりがあります。ここで使われている"crystallize"とはどういう意味なのでしょうか?

"crystallize"を辞書で引くと、結晶化する(to cause to form crystal)という意味がまず見えますが、「結晶化」ではよく分かりません。

もうひとつの意味としては、具体化する、(考えや思想などが)明確な形をとる、というものがあり、これが近いようです。


To give a definite, precise, and usually permanent form to: 

The scientists finally crystallized their ideas about the role of the protein.
(American Heritage Dictionary)


上記の用例に見られるように"crystallize"の目的語にはアイデア(idea)などの単語が来ています。

引用した記事のくだりに戻りますと、"crystallize"の目的語としては、


the fight between A and B


という形をとっています。つまり、目的語は"fight"(戦い)なのですが、戦いを具体化する、はちょっと変です。

ここでの用例は"crystallize"の後に来る"between A and B"がポイントだと思うのですが、コーパスで検索すると、似たような用例が多く見られます。いくつか拾ってみました。


…but many economists agree that it's the domestic issue that crystallizes fundamental differences between Bush and Kerry.
(Atlanta Journal Constitution, 2004)


Virginia Republican Representative Thomas Bliley said the debate crystallized the differences between the two parties.
(San Francisco Chronicle, 1995)


具体化する、でも特に間違いではありませんが、目的語の"difference"や"fight"を考慮すると、違いや相違点、対立(構造)を鮮明なものにする、際立たせる、といった訳語が適切でしょうか。

前回大統領選で敗北したトランプ氏が引き起こしたとされる議事堂襲撃事件は民主主義に対する脅威と言われます。そのきっかけになった場所を最後の遊説地に選んだハリス氏の意図は、民主主義を守る者と政治的混乱の種をまく者との対立構造を鮮明化することである、ということですね。勿論、ハリス氏は民主主義を守る者という立場であることは言うまでもありません。


2024年10月23日水曜日

slew

今日のネタに難渋したのですが、こういう時、ある文(記事)を読んでいて引っかかった表現を、その後また全く別の記事でたまたま見つけて、やはりそれが気になるということでネタにすることがあります。

最初に見た記事が以下のものです。


Former Donald Trump attorney Rudy Giuliani must hand over his ritzy Manhattan apartment, his collectible Mercedes-Benz and a slew of other treasures as part of the nearly $150 million judgment he owes two women he defamed after the 2020 election, a federal judge ruled Tuesday.
(Kevin Breuninger. Giuliani ordered to hand over New York City apartment, Mercedes, luxury watches to defamation victims. CNBC. Octobeq 22, 2024.)


目に留まったのは、


slew of other treasures


という部分ですが、ここで"slew"の意味は知らなくても、"a slew of"が"a number of"くらいの意味だろうと想像が付くので辞書を引くこともなくスルーしていました。

そうしてまた別の記事を見ていると、また同じフレーズが出てきて、やっぱり気になる、ということになります。


A Massachusetts man wanted by police on child pornography charges was found at a secluded campsite in Woodstock, Connecticut after hiding there for months, the US Marshals Service said on Monday.

Steven Labrecque, 40, was wanted on a slew of charges, including child pornography, photographing intimate parts of a child, intimidation of a witness, reckless endangerment of a child, threatening, obscene matter to a minor, assault, and battery, the Marshals Service said.
(Caitlin McCormack. Child porn suspect from Massachusetts found hiding in Connecticut woods. New York Post. October 22, 2024.)


ここでも同じく、


slew of charges


というもので、解釈には特に困るものではありませんが、"slew"とは何かということが気になってきたところです。

この"a slew of"という言い回しはアメリカ英語のインフォーマルな言い回しとして定着しているようです。殺すという意味の動詞slayの過去形が"slew"ですが、また別の単語です。

アイルランド語slaughから来ているようですが、ケルト語系の語源であり、その意味は大勢の人、群衆、軍隊、兵隊というものだったようです。

それが単に人に限らず、複数あるものについて、沢山の、という意味合いで用いられるようになりました。

なお、以前スローガン(slogan)という単語を取り上げましたが、この単語のスペル、slo-という部分は今日の1語"slew"と関連があります。



2024年10月22日火曜日

kidult

"kidult"という言葉をご存知でしょうか?

スペルから想像が付くと思いますが、kid(こども)とadult(オトナ)を組み合わせた、いわゆるかばn語です。

子供じみた大人、子供のような大人、という意味で、子供が欲しがるようなおもちゃを好む大人が当てはまります。


Wendy's has options for kids and kids-at-heart ("kidults") this Halloween season.

After the release of its Frosty Frights Kids Meals in September, which come with a specialty toy, the burger chain decided it wasn't fair only its youngest patrons get a Halloween treat. The Wendy's Boo! Bags, which launched Monday, are the fast-food chain's solution.
(Mary Walrath-Holdridge. Calling all 'kidults': Wendy’s launches Boo! Bags and they aren’t just for kids. USA Today. October 21, 2024.)


身体は大人になっても心(ハート)は子供のまま、子供心を失わない大人達を購買層に見据えたマーケットが存在します。

"kidult"市場は欧米のみならず、アジアでも熱い視線が注がれています。


Picture a toy store where every corner sparks a childhood memory and every display features the latest trends. Toys “R” Us Asia is making that possible with a fresh concept — blending nostalgic favourites with innovations to entice the young and young at heart.

This blend of old and new is evident in their offerings for the growing “kidult” market, where known childhood brands are paired with collectibles.

The goal is to create “a space where anyone — whether they’re reliving a treasured memory or discovering something new — feels at home,” Toys “R” Us Asia (Holding) Ltd. CEO Leo Tsoi told Retail Asia.

(中略)

Tsoi said the toy market in Southeast Asia is being shaped by the rise of the segment for “kidults” — adults whose interests or media consumption is traditionally seen as more suitable for children — who are returning to the joy of toys.
(Toys ‘R’ Us Asia banks on ‘kidults’ to drive toy sales. MSN. October 2024.)


個人的にはハロウィンのお菓子もトイザラスで売られているおもちゃにも興味はないのですが、子供の頃手にして遊んだおもちゃは心に残っていて、懐かしく感じることは多々あります。小生の世代だと、レゴブロックとかウルトラマンのビニール人形とか、プラモデルなんかですね。

2024年10月21日月曜日

velvet glove

今日は"veltet glove"という表現を取り上げたいと思います。

では記事の引用をどうぞ。


The Princess of Wales's "expertly-manoeuvred rise" since marrying into the Royal Family was hailed by a royal expert who described her as "steel in a velvet glove" just like another key royal was.

Princess Kate may now be one of the most recognisable women in the world but her assured figure is not the same as the one sported by the "once quiet and reserved" Kate Middleton back in the early days of her relationship with Prince William.
(Princess Kate dubbed 'steel in a velvet glove' as she's compared to key senior royal. Express. October 15, 2024.)


キャサリン妃(Kate Middletonさん)と言えば、ガンを公表し、一時健康状態が危ぶまれましたが、つい最近一連の治療を終えたとの発表があったことが記憶に新しいところです。

その前には動静が一時不明であったことなどから、ウィリアムズ王子との不仲が噂されたり、3人の子供と収まった写真を編集していた件で随分とマスコミの好餌になったりもしました。

まあ色んなことがあった訳ですが、一貫して芯の強い女性であるということは衆目の一致するところかと思います。

"velvet glove"(ビロードの手袋)というのはそういう意味合いで使われているのですが、記事には、


steel in a velvet glove


とありますように、ビロードの手袋の中に鋼鉄(の手)を持っている、という表現が元になっているもので、外面は柔和だけれども内面には断固とした強い意志を持っているという意味合いがあります。

"iron hands in veltet glove"(また、iron fists in 〜)とも表現するようです。

キャサリン妃に対するこの表現は多分褒め言葉だと思いますが、批判的に用いられることもあるようです。強い意志や厳しさは時に非情にも思われるものですから、上辺は優しく(人当たりよく)見えて実は・・・、というようなコンテクストで使われることもあります。



2024年10月18日金曜日

T-bone

交通事故のニュース記事からの引用です。


A St. George Police sergeant said “everyone came out pretty lucky” in a T-bone crash, which occurred at 2450 East and Riverside Drive on Wednesday evening shortly before 7:30 p.m.

St. George Police Sgt. Brian Groves said the crash, where a Chevy 1500 truck hit the side of a Honda Fit in the middle of the intersection, resulted in a few minor injuries to the occupants of the Honda. Groves added that nobody was transported to the hospital.
(Nick Fiala. Police say those involved in St. George T-bone crash were 'pretty lucky'. St George News. October 17, 2024.)


交通事故のニュースなのに出てくるのは、


T-bone crash


という言葉です。

"T-bone"と聞いてぱっと思い浮かべるのは、Tボーンステーキではないでしょうか?(食い意地が張ってる!?)

記事では、ステーキではなく、衝突(crash)の話ですが、これは自動車2台が絡む衝突事故のうち、1台のクルマの横腹(側面)にもう1台のクルマが突っ込んだ状態を指す表現です。"T-bone collision"とも言い、交通事故のニュースではよく使われる表現のようです。

事故はシボレーのピックアップトラックが左折時に、直進して来たホンダフィットの横腹に突っ込んだ、ということです。よくある交差点内のいわゆる右直事故の類いですが、左折時の信号無視が原因のようです。(アメリカなので、右側通行。)

2台のクルマの衝突状況がアルファベットのTのような文字に見えることから"T-bone"の名がついたのであろうことは敢えて説明の必要も無さそうですが、ステーキ肉の部位を用いるあたり、牛肉消費大国アメリカならではという感じがしますね。

以前取り上げた"porterhouse"もご覧下さい。


2024年10月17日木曜日

surrogacy

イタリアで、代理出産により子をもうけることを禁止する法律が可決されたそうです。

代理出産は米国やカナダなどでは自由に行われており、イタリアからこれらの国に渡航し、代理出産契約を結んで子をもうけるということが行われてきたところ、今回の法律制定により違反者は禁錮2年、もしくは100万ユーロの罰金を科されるという厳しい内容です。


ROME (AP) — Italy on Wednesday criminalized citizens who go abroad to have children through surrogacy, a measure slammed by opponents as “medieval” and discriminatory to same-sex couples.

The measure extending a surrogacy ban in place since 2004 was promoted by Premier Giorgia Meloni’s far-right Brothers of Italy party and its conservative coalition partner, the League, asserting that it protects women’s dignity.

The Senate after a seven-hour debate passed the bill 84-58, the final step in the process after the Lower House’s approval last year.

Italians seeking surrogacy in countries such as the United States or Canada, where the practice is legal, can face up to two years in jail and up to 1 million euros ($1.1 million) in fines.
(Italy expands its ban on surrogacy to overseas as critics say it targets same-sex couples. Associated Press. October 17, 2024.)


記事に出てくる"surrogacy"という単語がいわゆる代理出産の意味ですが、"surrogate"という単語はこれまで目にすることもあったのですが、"surrogacy"という単語は初めてです。

"surrogate"という単語は代理という意味ですが、ラテン語subrogareから来ています。ラテン語の動詞rogareとは依頼する、願う(to ask)という意味で、これに接頭辞sub-(下へ、代わって)が付いたもので、"subrogate"という英単語もあります。(sub-が、続くrogareのrに引っ張られて、sur-に変わったものです。)

手元の研究社新英和大辞典には"surrogacy"のエントリが無いのですが、Merriam-Webster Dictionaryを検索すると、


the practice of serving as a surrogate mother


とあります。そして例文に、


choosing between adoption and surrogacy


とあるのですが、これは子宝に恵まれない夫婦に与えられる選択肢が「養子か、それとも代理出産か」ということです。

代理出産という仕組みに詳しくありませんが、上述したように米国やカナダでは普通に行われており、契約により費用(報酬)を払って子を産んでもらうというやり方には商業行為との批判がかねてよりありました。関連する報道では"surrogacy tourism"という表現も見られます。

今回の法律の対象は同性婚に限らず、異性間夫婦にも適用されるものですが、イタリアでは同性婚が禁じられており、同性カップルをターゲットとしたものだとの批判が沸き起こっています。特にLGBTQのコミュニティからの反発はデモに発展しているとの報道です。


2024年10月16日水曜日

An apple a day keeps doctor away.

秋、りんごが美味しい季節になりました。先日青森を訪問する機会があったのですが、りんごがたわわに実る畑が広がる地方道をドライブしました。


An apple a day keeps the doctor away.


は恐らく多くの人が学校英語で習う諺のひとつではないかと思います。1日1個のりんごで医者いらず。りんごの滋養が身体に良い事のたとえです。

では記事の引用をどうぞ。


An Apple Watch a day keeps the doctor away.

Some users are astounded by their device’s ability to flag early signs of sickness before an ailment like COVID or a cold arises after the iOS 11 software update rolled out last month.

The startlingly accurate health assessment from the Apple Watch’s Vitals app — available on the Series 8 model and above — harnesses critical metrics taken over a week while a user is asleep, according to Mac Rumors.
(Alex Mitchell. Apple Watch Vitals app predicts colds, flu, COVID days before they hit, users claim. New York Post. October 15, 2024.)


冒頭部分に注目です。


An Apple Watch a day keeps the doctor away.


は恐らく説明の必要も無く、諺にかけたシャレですね。

記事によれば、アップルウォッチが風邪やインフルエンザ症状、新型コロナ等の予兆を知らせてくれるとか。

症状が現れる前に心拍や血圧の僅かな変化を検出してくれるということらしいです。

ところで1日1個のりんご・・・(An apple a day keeps the doctor away.)、という諺はイギリスのウェールズ地方で言われはじめたそうなのですが、その由来を辿ると、


Eat an apple on going to bed, And you’ll keep the doctor from earning his bread.


という言い回しが1866年発行の雑誌に見られ、以降表現のバリエーションを変えながら、現在の"An apple a day keeps the doctor away."に落ち着いたということのようです。(Phrase Finderのサイトによる。)

寝る前にりんごを食べれば、医者が生活に困る、ということなんですが、現代ではアップルウォッチのために医者の商売あがったり、ということになりますか!?テクノロジーの進歩は人間の仕事を奪うというのはこれに限らず・・・。


2024年10月15日火曜日

beat to a pulp

クエンティン・タランティーノ監督の映画「パルプフィクション」が公開から30年という話です。

学生時代、タランティーノ監督の作品をよく観ました。

「パルプフィクション」の"pulp"とは質の悪い再生紙のことで、そうした紙質の雑誌はとかく低俗、猥雑な内容ということから出た表現ということです。

その「パルプ」(pulp)には色々な意味があって、紙原料としての意味の他、果物などの果肉、生体組織としての髄、髄質といった意味もあり、柔らかいもの、どろどろとしたものという概念があります。

以下引用する記事で、


beaten to a pulp


という表現が出て来ます。

これは慣用句のようなもので、"beaten"(殴られた)という動詞に付加された"to a pulp"とは、(殴られて)パルプのように粉砕された、という意味合いになります。

日本語だと、ボコボコにされた、とかコテンパンにやられた、とか言いますね。


A fed-up landlord in the Denver suburb has shared a bloody photo of one of its workers after the man was allegedly beaten to a pulp by members of the brutal Venezuelan prison gang for refusing to let them stay in a vacant apartment they had taken over.

The Brooklyn-based company claimed that the gang effectively stole entire apartment complexes out from under it by threatening employees and tried to extort it for a cut of the rent in exchange for being allowed to keep operating the properties.
(Jennie Taer. Pictured: Aurora apartment worker beaten to a pulp by Tren de Aragua — as owners say migrant gang took over and tried to extort them. New York Post. October 14, 2024.)


Merriam-Webster Dictionaryでは以下のように定義されています。


to a pulp
idiom
—used to say that someone or something is very badly beaten, mashed, smashed, etc.


殴られて顔面や身体の部分が(パルプ材や果肉のように?)ぐしゃぐしゃ、ドロドロになるというのは随分グロテスクな表現です。


2024年10月14日月曜日

thump chest

アメリカ大統領選の投票日まで3週間、その日が刻一刻と迫っています。トランプ元大統領とハリス副大統領の支持率は拮抗していると報じられてきましたが、ハリス氏が接戦州(swing state)での支持率を落としているとの報道があります。


Top operatives from Donald Trump’s presidential campaign are very confident in their ability to close strong in swing states, contending Kamala Harris’ metrics have collapsed in the seven battlegrounds likely to decide the presidential election in just over three weeks.
(A.G. Gancarski. Trump camp thumps chest as Kamala Harris fumbles swing states. New York Post. October 13, 2024.)


事実ならばトランプ氏有利ということになります。最後の最後まで結果は分かりませんが、支持率に一喜一憂するのは両陣営の現実というところでしょう。

記事のタイトルでは、


thumps chest


という表現が使われています。

字句通りには、胸を叩く、という意味になりますが、これは自信を誇示、自ら尊大ぶるジェスチャーです。

"chest-thumping"という表現もあり、見栄を張る行為を指す名詞、また修飾語として形容詞的にも用いられます。


chest-thumping

conduct or expression marked by pompous or arrogant self-assertion
(Merriam-Webster Dictionary)


研究社新英和大辞典では、大みえ、大言壮語、という訳語になっていました。中身が伴わない、自分の実力以上のことを言うという意味ですが、政治家、政治の世界にありがちなことです。

そういう人を指して、"chest-thumper"という表現もあります。




2024年10月11日金曜日

wildcard

米南部フロリダ州などに甚大な被害をもたらしているハリケーンへの対応を巡って、バイデン政権と同政権を批判する共和党側との応酬が繰り広げられているという話題を先日取り上げました。

ハリケーンHeleneが去ったのも束の間、また別のハリケーンMiltonが襲いかかるという状況にあって、フロリダ州のデサンティス知事とハリス副大統領が互いの非難に明け暮れていると報道されています。

デサンティス知事曰く、ハリス氏はフロリダ州に対して何の支援もしていない、ということなのですが、一方のハリス氏はデサンティス氏に電話をしたのに出なかったと言い、子供の喧嘩でしょうか?ハリケーン被害支援の問題は政争の具になっているようです。


Florida Gov. Ron DeSantis bashed Vice President Kamala Harris for attempting to insert herself into the response to hurricanes Helene and Milton on Thursday.

DeSantis and Harris have clashed in recent days after the governor declined to take a call from Harris regarding the hurricane response. He said Thursday that Harris has "no role" in the process and added that she had never attempted to call him during previous storms in Florida.
(Anders Hagstrom. DeSantis fires back at Harris over hurricane response: 'She has no role in this process'. Fox News. October 10, 2024.)


デサンティス氏によれば、同氏はバイデン大統領の支援には感謝していると発言しているらしく、諸々の確執はデサンティス氏とハリス氏の間の個人的なものなのかとも思わされます。

以下に引用するのはニューズウィーク誌の記事からです。


A "wildcard" emerging out of the American Southeast has put Vice President Kamala Harris' campaign on its back foot, "losing" control of a narrative that could spell trouble for the Democrats in the final stretch, said political analysts who spoke to Newsweek.

After two major hurricane landfalls in as many weeks, the Federal Emergency Management Agency (FEMA) has been delivering hundreds of millions of dollars in aid to Americans impacted by Hurricanes Helene and Milton. As of Wednesday, federal disaster assistance for Helene survivors has surpassed $344 million, including $142 million to households in Florida, where Milton made landfall late Wednesday.

Amid that response, one of FEMA's biggest obstacles has been misinformation about the storms, amplified by former President Donald Trump and surrogates like Elon Musk. That information warfare, combined with a series of missteps and a political duel with Florida's governor, has resulted in Harris losing the grip on a story she may need to win to help push her over the edge on November 5.

"These hurricanes are a wild card in the 2024 campaign, and the Biden/Harris administration's response risks losing the narrative, no matter how good they are on the substance," James Haggerty, a crisis communications expert and the president and CEO of PRCG Haggerty, told Newsweek. "Ultimately, of course, it is the Harris campaign that is hurt."
(Katherine Fung. How Kamala Harris Lost Control of the Hurricane Narrative. Newsweek. October 10, 2024.)


ハリケーン対応を巡ってはトランプ元大統領がバイデン政権に対する非難を展開していました。これに対して政権側は、被害者への支援が滞っているというのは誤情報(misinformation)であると反論しています。

一方で、デサンティス氏とハリス氏の応酬に関して、ニューズウィーク誌では、大統領選候補のハリス氏にとっては支持率を減らす要因になりかねないとの見立てです。これはハリス氏、民主党陣営にとっては困った話です。

引用した記事に、"wildcard"という表現が使われています。2箇所出てきますが、引用記事で最後の段落では"wild card"となっており2語ですが、辞書によればスペルとしては両方ありのようです。

「ワイルドカード」と言えば、トランプのジョーカーやUNOのワイルドカードをまずは思い浮かべるのではないでしょうか?あるいは、コンピュータを使ったデータベース検索などで使う文字(アスタリスクやクエスチョンマーク)でしょうか?

トランプの「ワイルドカード」は日本語では万能札と言われ、その札を切るプレーヤーが恣意的にその役割を決めることができるというものです。検索で使う「ワイルドカード」も、不特定の文字として使われるものです。

つまり「ワイルドカード」とはその役割や効果といったものが決まっていないものということになり、そこから派生して、


Slang
An unpredictable or unforeseeable factor
(American Heritage Dictionary)


という意味で用いられるようになりました。

引用した記事のコンテクストに戻りますと、ハリケーン問題は大統領選に行方を左右しかねない、不確定要素になっているということで、とりわけ今回のゴタゴタはハリス氏陣営にマイナスに響きかねないという見方がされています。

"wildcard"は切る方からすればその使い方は思いのまま、如何様にも使えるというところですが、使われる方の身からすれば、影響が測り知れない、困ったもんだ、という意味合いになりますね。

2024年10月10日木曜日

teem


今日見かけた記事はそれと似たような話なのですが、家庭内で最もウィルスにまみれているのはシャワーヘッドと歯ブラシであるという研究成果がこのほど公表されたようです。理由はこれらの場所というのが常に水分と湿気という、微生物の生育条件を満たす環境だからだそうです。


The warm, damp environments of your showerhead and toothbrush are the perfect breeding ground for microbes, and a new study has identified hundreds of viruses that live there, showing the vast biodiversity to be found in the average home.

These viruses, however, are not the kind that will give you the common cold or flu (or worse). Called bacteriophages, or phages for short, they are the natural enemy of bacteria. Each tiny, tripod-looking phage has evolved to hunt, attack and gobble up a specific bacterial species.
(Issy Ronald. Your showerhead and toothbrush are teeming with viruses. But don’t panic – these microbes could save lives. CNN. October 9, 2024.)


引用したCNNの記事のタイトル、


Your showerhead and toothbrush are teeming with viruses


にある、"teem"という単語を取り上げたいと思います。

ある場所などが、"teem with"以下に示されるモノで満ちている、富んでいる、沢山である、という意味の動詞です。

ところで、この"teem"と同じ発音をする単語に"team"があり、これは我々もよく言う「チーム」、すなわち同じ目的を持って行動するグループのことですが、これら2つの単語はいずれも古英語に遡るとその原義に、子孫、子をもうける、という意味があり、語源的には類縁関係にあるものです。

"team"という名詞には元々、子孫、種族という意味がありましたが、現在はその意味で使われることはなく、廃語としtw辞書には載っています。

"teem"という動詞が沢山あるという意味なのは、子孫を残すという原義から派生しているものですね。



2024年10月9日水曜日

text neck, tech neck, or kyphosis

どうも最近肩が凝るというか、首周りの倦怠感がしつこく、これはいわゆる五十肩というやつなのか、などと思っていました。

これまで肩凝りというものを実感したことはほとんど無く、四十肩も経験ありませんが、アラフィフと呼ばれる年代となって以降、色々な衰えを感じています。

薄々感じてはいたのですが、この不快感にはやはりパソコンやスマホの影響があるのだと確信するに至りました。・・・。


Researchers examined the effects of text neck on the spine and found it can affect alignment when you’re running or walking (not just looking at your phone).

The side effects of text neck may also include added stress to joints of the lower body including the hips, knees, and ankles and limited respiratory function—all of which could affect runners’ performance.
(Elizabeth Millard. Text Neck Side Effects Build Up Over Time and That Can Be a Real Problem for Runners. Runner’s World. October 8, 2024.)


パソコンやスマホの画面を注視しているとどうしても顔面はスクリーンに対して前傾し、首の後ろが引っ張られる格好となります。これが記事で指摘されている、


text neck


と呼ばれる状況です。このような表現があることを知りませんでした。"tech neck"とも言うそうです。


From looking down at your phone every few minutes to working on a laptop to slouching on the couch for hours, everyday life is rife with moments of poor posture. One of the most pronounced these days is kyphosis, also known as “text neck” or “tech neck.” 

This happens when your head is leaning forward in a way that elongates the back of the neck, which can lead to muscle strain, headaches, and even numbness or tingling in the hands and arms.
(ibid.)


同じ症状を指すのに、


kyphosis


という医学専門用語も出て来ます。曲がったという意味のギリシャ語kyphosに由来し、後弯症と訳されますが、意味はいわゆる「猫背」のことです。


2024年10月8日火曜日

pig butchering

"pig butchering"という言葉をご存知でしょうか?

字句通りには、豚の屠殺という意味ですが、詐欺の手法を指す用語だそうです。


Pig butchering, while something of an offensive term to myself as a vegan, is popularly applied to describe a scam whereby fraudsters entrap victims in an investment scheme, often involving cryptocurrency, which is designed to relieve them of as much money as possible through nefarious means. The rather disgusting term is applied to these scams as the victim has their trust built up by the attackers before moving in for the kill, in an analogous way to a pig being fattened up before slaughter.
(Davey Winder. iOS And Android Security Scare—2 Very Dangerous Apps Found In Official Stores. Forbes. October 4, 2024.)


いわゆる投資詐欺や金融商品詐欺、ロマンス詐欺などと呼ばれるものが相当するようですが、詐欺グループはSNSや出会い系アプリ等を通じてターゲットに接触、信頼関係を築いた上で仮想通貨での投資の話を持ち掛けます。少しずつ投資額を増やしてゆき、最後には全財産を巻き上げる、というもので、このような詐欺行為があらゆる手練手管で行われるというストーリーは聞いたことがありますが、「豚の屠殺」詐欺という名称があるとは知りませんでした。

元は中国語で殺猪盤という言葉を英語にしたものが"pig butchering"で、記事によればこうした詐欺の温床と疑われるアプリがアップルやグーグルのストアでダウンロード可能になっているとのことです。

被害者を豚に見立て、太らせてから殺す(財産を巻き上げる)、という、何ともおっかない表現です。

2024年10月7日月曜日

stiff-arm

アメリカで猛威をふるったハリケーンHelene(ヘレネというカタカナの記載が見られますが、アメリカ人は「ヘリーン」と発音するようです)による被害の爪痕が報じられています。

甚大な被害を受けた住民に対する支援を巡って、またこれほど激甚化の背景にあるとされる地球温暖化は大統領選の争点にもなっており、共和、民主が対立する構図ともなっています。

ハリス副大統領が、イスラエルによる対ヒズボラ空爆で被害が出ているレバノンに対し185億ドルの資金援助を発表したところ、国内のハリケーン被害をそっちのけで国外に資金提供とは何事かと批判が沸き起こっている模様です。


Users on social media took aim at Vice President Kamala Harris after the Democratic nominee took to X to pledge millions of dollars in aid for Lebanon at the same time residents of North Carolina struggle to recover from Hurricane Helene.

(中略)

"Kamala is touting giving money to the people of Lebanon-while stiff-arming the humanitarian crisis in North Carolina," Texas Gov. Greg Abbott said on X. "This is Kamala’s Katrina."

The controversial tweet comes as the Biden administration has continued to face backlash for its handling of Helene, with former President Trump calling the federal response to the disaster the "most incompetently managed ‘storm,’ at the federal level, ever seen before."
(Michael Lee. Harris slammed for pledging millions to Lebanon as North Carolina suffers. Fox News. October 6, 2024.)


SNSではハリス氏を非難する投稿が相次いでいるようです。そのひとつとしてテキサス州知事の投稿内容を引用していますが、


stiff-arming


という表現が出てきます。恐らく投稿内容(テキスト)をそのまま引用していることから、若干読みづらいものがあるのですが、


Kamala is touting giving money to the people of Lebanon while (she is) stiff-arming the humanitarian crisis in North Carolina


という文になります。

この"stiff-arm"という表現ですが、英和辞書を引くとstraight-armを参照とあり、これはアメフトの用語で、タックルしようとする敵に対して腕をピンと張って押しのける動作を言うようです。残念ながら英和辞書にはそれ以上の説明が見当たらないのですが、これはつまりは相手を押し退けたり、拒絶する動作であり、ここでの意味合いもそのようなものなのだろうと思われます。

ところで、バイデン政権下でのハリケーン対応についてはかねてより対応のまずさを指摘する声があり、先月末の記事ですが以下のようなものがありました。


A indignant President Joe Biden blasted Donald Trump for claiming he was giving the stiff-arm to Georgia Governor Brian Kemp over hurricane relief Monday and accused his rival of lying.

He hit back amid the ultra high-stakes clash over storm recovery, with Trump jetting to Georgia and claiming Biden and Vice President Kamala Harris were mismanaging the crisis. He even said Biden was blowing off a key figure in the response, Kemp – an occasional Trump critic who is supporting his campaign. 

'He's been calling the president, he hasn't been able to get him,' Trump claimed on a trip to Valdosta, Georgia.
(Geoff Earle. Angry Joe Biden rips 'lying' Trump for criticizing his Hurricane Helene response and defends spending weekend at the beach. Daily Mail. September 30, 2024.)


上記引用記事では、


give (someone) the stiff-arm


となっています。これもコンテクストからはやはり拒絶の意味合いだと想像がつきます。

Merriam-Webster Dictionaryによりますと、"stiff-arm"の定義は、


to treat with disdain or neglect


となっています。

手元にある研究社新英和大辞典もランダムハウス英和辞書もアメフト用語という以上の説明が無いのはやや不思議です。

2024年10月4日金曜日

touron

オーバーツーリズム(もしくは"mass tourism")の弊害は今に始まったことではありませんが、受け入れる側である観光地や観光施設の立場からすると、旅行客というものはとんでもないことやアホなことをしでかす、迷惑極まり無いという見方があるということに我々は気がつくべきかも知れません。

例えばの話しは今回引用の記事にも出てくるのですが、こうした「アホな旅行客」を指して、


touron


というそうです。これは、touristとmoronのかばん語です。


Webster added 630 words to its dictionary in 2023. We’d like to suggest one more: “touron.”

Moronic tourists have become an unfortunate fact of life in the digital age — you could even say they’re part of the zeitgeist.

From Yellowstone to Bali, not a week goes by without a touron earning scorn for pestering wildlife or vandalizing a sacred site. Of course, idiot tourists are nothing new: In 1930, even the prince of Wales was among the hordes of sightseers who climbed the pyramids of Egypt.
(Katie Jackson. Moronic tourists are ruining travel — how not to be one on your next vacation. New York Post. October 3, 2024.)


記事の出典であるNew York Post紙は"touron"を辞書のエントリに追加することを提案しています。

この単語を載せている辞書はなさそうですが、実のところ"touron"なる単語は米国の自然公園のスタッフによる創作として1990年代からあるそうです。(Wikipedia)

よほと腹に据えかねるものがあったのでしょうか。私も旅行では"touron"と呼ばれないような振る舞いを心掛けたいと思います。

2024年10月3日木曜日

all over the place

アメリカ大統領選をいよいよ来月に控える10月1日夜(米国時間)、副大統領候補対決となる討論会が行われました。

いわゆるRunning mateと呼ばれる副大統領候補は、共和党はJD Vance上院議員、民主党はWalzミネソタ州知事です。

結論から言ってしまうと、このディベートの勝者はVance氏とのいうのが大方の見方のようです。

ボディーランゲージの専門家が両者の振る舞いを分析したという記事を興味深く読みました。


"JD Vance came across as being very steady, like you can kind of see him as a captain of the ship, and he wasn't too stiff, but you knew what you were going to get. Each time he seemed sure of himself… And so you felt like you would be safe with him. He gave an air of stability," Lieberman added. 

That ran counter to Walz, whom Lieberman said was anxious and jittery, particularly at the beginning of the debate. 

"With Tim Walz, he was all over the place. He was very nervous, and he also had body language signs of lying. His body language was discordant with what he was saying. It was like too much, it made you feel exhausted and scared," she said.
(Michael Dorgan. Vance oozed confidence compared to jittery Walz, body language expert says: 'Captain of the ship'. Fox News. October 2, 2024.)


イェール大のロースクール出身で弁舌に長けるVance氏は終始落ち着いた様子で、討論会を見る人達には安心感を与えるパフォーマンスであったと評されています。

これに対してWalz氏はどこか落ち着きに欠け、神経質で自信なさげな様子を見せる場面が目立ったようです。

専門家のコメントで、Walz氏は、


all over the place


であったとあります。

この"all over the place"という表現は文字通り、至る所に存在する、ある、という意味です。


Restaurants sprang up all over the place.
その辺至る所に料理店が出来た。


至る所にある、ということは単にたくさんのものが存在するというのもありますが、それらが乱雑に、無秩序に拡がっている、増えている、という含意があるようです。

そこから、雑然としている、無秩序である、というような意味にもなり、混乱している、というような意味でも用いられるようになったものです。

特に、ある人について、"all over the place"という時、それはその人が取り乱している、(発言などが)一貫性を欠いている、というような意味になります。

討論会の録画の一部を視聴しました。天安門事件のあった1989年春に香港にいたと過去に発言したWalz氏ですが、それが事実ではないという報道があることについて真偽のほどを問われたWalz氏は、嘘をついていたという自覚からか、質問に直接答えない周りくどい話を落ち着きなく続け、結局自身の発言が誤りであったと認めています。

2024年10月2日水曜日

emophilia

"emophilia"という言葉をご存知でしょうか?

スペルから意味の想像がつきそうですが、恋愛感情に陥りやすい傾向を"emophilia"と呼ぶようです。

emo- はエモーショナル(emotional)、-philiaは偏愛とか傾向、対象に向かい易い性向を意味する接尾辞です。


Are you lucky in love? Or just an emophiliac.

Emophilia is defined as “the tendency to fall in love fast and easily.”

The term, coined by psychologist Dr. Daniel Jones, describes those who “want” to be in love, driven by the excitement of making connections and the whirlwind of emotions that come with it. 

Emophiliacs feel they “need” someone, often due to loneliness or anxiety — and they’ll rush right into a relationship, just to have that desire sated.
(Adriana Diaz. This risky romantic behavior could put you in serious danger, experts warn: ‘Red flags’. New York Post. October 1, 2024.)


心理学者による造語と説明されています。

"emophilia"の傾向のある人のことは"emophiliac"というようですが、こうした人は恋愛感情がもたらす快感みたいなものに突き動かされている訳で、それを満たしてくれる「誰か」を必要としています。つまり、誰でも良い?!

別名、


emotional promiscuity


とも呼ばれるそうですが、"promiscuity"という言葉には不特定多数、相手を選ばない、という意味がありますからやはり・・・。


2024年10月1日火曜日

invective

アメリカ大統領選、トランプ元大統領はハリス副大統領に対する個人攻撃を先鋭化させているとの記事を見かけました。

トランプ氏曰く、ハリス氏は精神障害がある(mentally disabled)というのですが、口汚い罵倒、「口撃」であり、逆にトランプ氏の支持率を下げることにもなるだけとの見方がされています。


Former President Trump sparked a new furor with comments over the weekend in which he disparaged Vice President Harris as “mentally impaired” and “mentally disabled.”

The remarks —  coming initially at a Saturday rally in Wisconsin and repeated in broad terms the following day in Pennsylvania — have thrown Republicans onto the defensive, outraged Democrats and sparked condemnation from disability advocacy groups.

But they also draw puzzlement from political insiders who believe Trump’s penchant for personal invective does him no favors electorally, serving only to turn off some of the undecided voters he needs to win over this November if he is to avenge his 2020 loss to President Biden.
(Niall Stanage. The Memo: Trump sparks new furor with attacks on Harris’s mental capacity. The Hill. September 30, 2024.)


「口撃」という日本語は正しいのか知りませんけれども、使われているのを見かけることはあります。広辞苑には載っていないようです。「攻撃」にかけた表現であることは間違いありません。

記事では、


invective


という単語が使われています。辞書には、激しい非難(攻撃)、悪口、悪罵、ののしり、などとありますが、"insult"や"abuse"といった類語がある中、"invective"はやや形式ばった(フォーマルな)響きがあり、政治のコンテクストで用いられることの多い表現となっています。

ラテン語invehoに由来しますが、このラテン語動詞は運ぶ、もたらす、という意味(vehicleも同語源)の他、攻撃する、襲う、という意味があります。このラテン語動詞の過去分詞形invectusが"invective"に変化していくのですが、意味としては形容詞であったところ、名詞化したものです。

ちなみに動詞としては、


inveigh


という単語があります。

2024年9月30日月曜日

up to scratch

今日取り上げる表現は、


up to scratch


というものです。

まずは用例をどうぞ。


After complaining that Gen Z grads are difficult to work with for the best part of two years, bosses are no longer all talk, no action—now they’re rapidly firing young workers who aren’t up to scratch just months after hiring them.
(Byorianna Rosa Royle. Bosses are firing Gen Z grads just months after hiring them—here’s what they say needs to change. Fortune. September 26, 2024.)


ここで使われている"up to scratch"とは、一定の水準に達している、という意味なのですが、主に否定のコンテクストで用いられることが多く、つまり"not up to scratch"で水準に達していない、期待に沿わないという意味合いで用いられます。

記事では、一定の水準に達していないZ世代の社員を解雇する動きが拡がっていると言っています。

"up to scratch"の"scratch"にはスタートラインの意味があるようです。また、ボクシングのリングのマット中央に引かれたラインのことでもあるらしく、要はこのラインに立って殴り合いの試合を始めるレベルに至っているかどうか、ということだそうです。(Merriam-Webster Dictionary オンラインの解説にあります。)

似た表現に、


from the scratch


というものがありますが、こちらは皆さんもご存知なのではないかと思います。

一から(やり直し、再スタート)、はじめから、という意味ですね。

2024年9月27日金曜日

exonerate

アメリカ国内ニュースで、殺人罪被告の死刑執行の是非を問う報道を目にしました。

Marcellus Williams被告は1998年にミズーリ州で発生した女性殺害の容疑で逮捕、訴追され、その後死刑判決を受けましたが、確定的証拠も無く、死刑執行が見送られてきたという経緯がありました。遺族からも死刑執行の停止を求める嘆願が提出されていたにも関わらず、9月24日火曜日、死刑が執行されました。


The state of Missouri executed Marcellus Williams on Tuesday evening by lethal injection, over the objections of the local prosecutor whose office obtained Mr. Williams’s murder conviction in 2003.

Mr. Williams, who for decades maintained his innocence, had in recent days sought clemency from the governor and a stay of execution from the State Supreme Court. But on Monday, both the governor, Mike Parson, and the State Supreme Court turned him down, and on Tuesday the U.S. Supreme Court, his last hope, declined to intervene.

He was pronounced dead at 6:10 p.m. at a state prison in Bonne Terre, the Missouri Department of Corrections said in a statement.  
(Shalia Dewan. Missouri Man Executed After Long Fight for Exoneration. New York Times. September 24, 2024.)


偶然と言うべきか、時期を同じくして、日本では1966年に発生した一家4人の殺害事件の被告として死刑判決を受けた袴田巌さんの再審で無罪が確定したというニュースが海外でも大きく報道されています。


A pair of blood-spattered trousers in a miso tank and an allegedly forced confession helped send Iwao Hakamata to death row in the 1960s.

Now, more than five decades later, the world’s longest-serving death row prisoner has had his name cleared, according to public broadcaster NHK.

A Japanese court on Thursday acquitted 88-year-old Hakamata, who was wrongfully sentenced to death in 1968 for murdering a family, marking the end of a marathon legal saga that’s brought global scrutiny to Japan’s criminal justice system and fueled calls to abolish the death penalty in the country.
(He’s the world’s longest-serving death row inmate. A court just exonerated him. CNN. September 26, 2024.)


取り上げた2つの記事のタイトルに共通する1語は、


exonerate


です。

疑いを晴らす、無罪を証明するという意味の動詞ですが、重荷、苦労、負担という意味のラテン語onusと、接頭辞ex-からなる単語です。

罪を晴らす(exonerate)ことが出来なかった米国の死刑囚と、45年間を死刑囚として過ごした果てに無罪を勝ち取った(exonerate)日本の袴田さん。

司法という制度の厳格さと理不尽さを感じます。

2024年9月26日木曜日

smithereens

今日の1語、"smithereens"はちょっと変わったスペルですが、粉微塵、という意味の名詞です。

末尾の-sは複数形という訳ではなく、スペルの一部です。つまり"smithereen"という単数形がある訳ではありません。辞書には複数形扱いの名詞ということになっていますが、用例としては、


blow something to smithereens
smash something to smithereens


のいずれかになることがほとんどで、木っ端微塵にする、という意味合いで使われます。


Former President Trump said Wednesday that he’d threaten to blow Iran “to smithereens” if he was back in the White House and a candidate faced threats from Tehran, comments that come after his campaign said he was briefed about Iran’s alleged assassination threats against him.

“If I were the president, I would inform the threatening country — in this case, Iran — that if you do anything to harm this person, we are going to blow your largest cities and the country itself to smithereens. We are going to blow it to smithereens,” Trump said at a campaign event in North Carolina.
(Julia Mueller. Trump says he’d threaten to blow Iran ‘to smithereens’ over candidate threats. The Hill. September 25, 2024.)


引用記事は2度の暗殺未遂にあったトランプ元大統領がイランに対して放った過激な発言を引用したものです。

トランプ氏の暗殺の背景にイランが関与しているのではないかとの分析がありますが、トランプ氏は自分が大統領になったらイランを粉砕するぞ、と威嚇したようです。

"smithereens"という単語の語源はアイルランド語で破片を意味するsmiodarに由来するそうです。

2024年9月25日水曜日

gloom and doom

記事の引用からどうぞ。


The “freebies” mini-scandal dominated coverage of the Liverpool conference, but instead of gloom and doom, the message now is zoom and vroom: a mood shift from pessimism to hope.

There is light at the end of the tunnel, insisted Sir Keir in his keynote speech, prompting sceptical veterans to speculate that it’s an oncoming train.
(Paul Routledge. Keir's speech shifts conference mood from doom and gloom to more hopeful (soon). The Mirror. September 24, 2024.)


ちょっと分かりにくいかもしれませんが、英議会の話です。

何かと落ち着かない、イギリス国内の経済、政治の状況のようですが、スターマー首相(労働党首)の舵取りが注目されているコンテクストです。

"gloom and doom"というのが今日取り上げる表現なのですが、


暗い将来予想、暗いニュース、暗い景気見通し、不況予想
(ランダムハウス英和辞書)


というのがその意味です。

"gloom"は暗がり、憂鬱、"doom"は破滅、悲運という意味ですが、どちらも同じような意味で韻を踏んでいます。

故に単語としての親和性があって結びつきやすいのだと思われますが、冗語表現とも考えられます。

引用した記事では"gloom and doom"ですが、逆の語順で"doom and gloom"として辞書に載せているものもあります。(American Heritage Dictionary)

引用例では続いて、"zoom and vroom"という、これまた倣ったような表現が出てきますが、こちらは"gloom and doom"に対して、明るい兆しや見通しのことを言っているものと思われますが、確立している表現ではなさそうです。


2024年9月24日火曜日

gumption

先日、トランプ元大統領を暗殺する目的で、ゴルフ場にライフル銃を持って潜伏していた男が現場で逮捕されました。元大統領を狙った暗殺未遂事件としては2度目となるところ、メディアの取り上げ方はどこか低調なものがあります。

今日読んだ記事では暗殺未遂の容疑者が残していた手紙が取り上げられています。その内容というのが自ら暗殺の意図を明確に記したもので、重大な証拠となるものと思われます。


The man who authorities say sat with a rifle in the trees where Donald Trump was golfing earlier this month in West Palm Beach, Florida, previously wrote a letter stating “this was an assassination attempt on Donald Trump,” according to a new filing Monday by federal prosecutors.

(中略)

One letter, addressed to “The World” said: “This was an assassination attempt on Donald Trump but I failed you. I tried my best and gave it all the gumption I could muster. It is up to you now to finish the job; and I will offer $150,000 to whomever can complete the job.”

Trump “ended relations with Iran like a child and now the Middle East has unraveled,” the letter says.
(Holmes Lybrand. Man suspected of assassination attempt against Trump left a letter detailing his plans, prosecutors say. CNN. September 23, 2024.)


その手紙の中で使われている、


gumption


という見慣れない単語が引っかかりました。

殺人未遂容疑者の手紙に出てくる英単語を取り上げるのもどうかと思いましたが、


勇気、度胸、根性、積極性


という意味だそうです。

辞書にはスコットランド語に由来すると考えられるとの説明が見えますが、詳しいことは分からないらしく、語源不詳とあります。

Merriam-Webster Dictionaryによると、元々スコットランド語では「常識」というほどの意味だったようですが、勇気といった意味合いが生じたのはアメリカ英語に入ってからのようです。


2024年9月23日月曜日

ball and chain

"ball and chain"とは人を束縛するものの比喩として使われる慣用表現です。

囚人の足に繋がれた重い鉄球(ball)のついた鎖(chain)というのが字句通りの意味です。


Marriage is not worth it for men. It’s not worth the practical and financial sacrifices, the lost romantic and sexual opportunities, and the “lack of freedom.” All in all, marriage is a ball and chain, of little benefit to the average man interested in pursuing his own happiness and well-being.

In light of both the survey data and the continuing decline in the marriage rate for men, it’s fair to say that this viewpoint is becoming more and more entrenched in our society, particularly among younger men.
(Debunking the Ball and Chain Myth of Marriage for Men. Institute of Family Studies. February 7, 2017.)


結婚しない若者が増えているというのはかねてより言われていることですが、それは、


marriage is a ball and chain


と思われているからというのが大方の見方です。結婚して所帯を持てば独身の自由は無くなりますからね。

ところでこの"ball and chain"はこのような意味から発展して(?)、妻、女房の意味でも使われるそうです。


“It’s my night to cook,” one man chuckled while clutching takeaway pizzas. A harmless joke to fill dead air. But a regular theme of conversation emerged. Another man leaned over the counter to my dad and described his wife as his “ol’ ball and chain”, a person who was too demanding and no longer fun.
(Abbir Dib. Unhappy wife, unhappy life: Does anyone actually enjoy marriage any more? Sydney Morning Herald. September 11, 2023.)


夫婦は対等であるべき(!?)ですが、"ball and chain"というのが妻に対してだけというのは差別的というべきか、あるいは女性上位は英語文化においても普遍的というべきか。

好きで始めたことがいつしか重荷になり、義務感から続けているというようなコンテクストでも用いられるこの表現ですが、以下の話は個人的にはよく分かる気がします


While I struggled on throughout that summer, squeezing myself into running like a garment that no longer fitted, I began to regard it as a ball and chain, a drain on my resources. This was a big inconvenience for someone whose career was largely built around running.
(Sam Pyrah. A moment that changed me: I thought fitness was my superpower. Then I realised it was a ball and chain. The Guardian. May 8, 2024.)



2024年9月20日金曜日

stump up

"stump"とは切り株のことで、動詞には重い足取りで歩くという意味があります。

"stump up"という動詞句があり、こちらはイギリス英語の俗語表現となっています。

お金を支払うという意味なのですが、多くの場合、渋々、嫌々ながら支払う、という含意のある表現だそうです。


However, it wasn’t well received, with the man quickly responding and asking her to reimburse him for the coffee he bought her.

“Hey! I agree – we are too different. Wish you the best. PS. Your coffee was $6.”

He concluded by sharing his Payid number so Emily could transfer him the money.

“Six dollars? He asked me to send him six dollars for my coffee,” she shared on TikTok.

She replied, explaining she had “never heard of someone asking a girl out then asking for the money.” In her video, she stated she had no plans to stump up the cash.
(Man’s $6 demand after coffee date fail exposes relationship issue. New York Post. September 19, 2024.)


以前取り上げた"fork over"も同じような意味合いです。ご参考に。


2024年9月19日木曜日

jury-rigged

北海道知床半島沖で発生した観光船沈没事故から約2年半を経て、観光船の運航会社社長が逮捕されました。悪天候時の運行判断を誤った他、船舶のメンテナンスを怠ったことが沈没事故を引き起こし、乗客乗員26名全員の尊い命が失われる原因となったとされます。

変わって、以下はアメリカ、ボルチモア沖で貨物船が橋桁に衝突し、橋が崩壊した事故に関するニュースですが、こちらも貨物船の整備に問題があったと断じられています。


BALTIMORE (AP) — The owner and manager of the cargo ship that caused the deadly Baltimore bridge collapse recklessly cut corners and ignored known electrical problems on the vessel, the Justice Department alleged Wednesday in a lawsuit seeking to recover more than $100 million that the government spent to clear the underwater debris and reopen the city’s port.

The lawsuit filed in Maryland provides the most detailed account yet of the cascading series of failures on the Dali that left its pilots and crew helpless in the face of looming disaster.

The Justice Department alleges that mechanical and electrical systems on the massive ship had been “jury-rigged” and improperly maintained, culminating in a power outage moments before it crashed into a support column on the Francis Scott Key Bridge in March. Six construction workers were killed when the bridge toppled into the water.
(Ship owner cut corners on repairs before deadly Baltimore bridge collapse, US says in $100M lawsuit. The Associated Press. September 19, 2024.)


貨物船は電気制御系統にトラブルを抱えながら運行されていたそうですが、分かっていたのに適切な対処、つまり修繕を怠ったとされ、要はメンテナンスにかかる費用をケチったということのようです。

記事では、


mechanical and electrical systems on the massive ship had been “jury-rigged” and improperly maintained


というくだりがあり、"jury-rigged"という見慣れない単語が使われています。

引用符で括られていることからもやや特殊な表現と思われますが、辞書を引くと、


(マストなどに)応急索具を装着する


とあります。また、英語辞典では"make-shift"、すなわち応急処置、その場しのぎ、という意味合いだとあります。

"rig"には船の装備、また装具などを仕掛けるという意味がありますからこれは納得なのですが、"jury"という部分が引っかかります。

語源欄を見てみますと、"jury-rigged"のjury-は陪審の"jury"ではなく、助けるという意味のラテン語adjutareから古フランス語ajurieを経て英語になったものだという説明があります。古フランス語ajurieのa-が脱落した、いわゆる頭音消失により生まれたものです。

英和辞書に"jury"という単語のエントリは2つあって、陪審の意味の"jury"と、応急の、仮の、という意味の"jury"があります。


2024年9月18日水曜日

perp-walk

学校などを銃器で襲撃すると脅迫した容疑で、米フロリダ州の11歳の男子が警察に逮捕、拘束されたとのニュース記事を読みました。


Deputies perp-walked an 11-year-old boy accused of threatening to carry out a mass shooting at a Florida middle school after the local sheriff said he wanted to set an example amid a recent rise in hoax threats against schools.

The child was filmed being led into a jail cell and shackled Monday after being arrested at his Port Orange home, south of Daytona Beach, on a felony offense of making a written threat to commit a mass shooting. His arrest followed another student reporting having heard about the threats on social media, according to a copy of the arrest report.
(Nina Golgowski. Florida Sheriff Perp-Walks 11-Year-Old To Set Example After Alleged School Shooting Threat. The Huffington Post. September 17, 2024.)


引用した記事の冒頭、


perp-walk


という見慣れない動詞が使われています。手元の英和辞書には載っていないようなのですが、American Heritage Dictionaryでは、


The deliberate escorting of an arrested suspect by police in front of reporters and news cameras, especially as a means of pressuring or humiliating the suspect.


とあり、容疑者を逮捕した際に連行することを指すようです。ただ、その連行という行為は単に容疑者を移送するのではなく、報道陣や衆人環視の中で見せしめにするというような意図があり、今回は未成年の容疑者でもあることから議論を呼んでいるようです。

ちなみに、"perp-walk"の"perp"とは、"perpetrator"(犯人、加害者)の意味です。


2024年9月17日火曜日

a person’s one and only

現代における恋人探しはもっぱらオンラインアプリの出番というところだろうと思われますが、お相手に求める「要件」というのは今も昔も変わらないと思われます。

つまり、見目良くて、経済力があって、というような資質のことですが、欧米や豪州では"6-6-6 rule"なるものが存在するそうです。

詳しくは以下に引用する記事をお読み頂ければと思いますが、"6-6-6 rule"の数字の6は、それぞれ、身長6フィート以上(つまり180センチ以上)、6パックの腹筋(つまり肥満ではない)、6桁の収入(日本円だと一千数百万円台)、ということになります。


People are just now discovering what dating profiles with 6-6-6 mean. No, it’s not satanic — but could lead you to a devilishly eligible bachelor.

The 6-6-6 rule refers to men who are 6 foot, have 6 pack abs and make over 6 figures.

Some women claim to use the rule to find men who fit the bill and help narrow down the seemingly never ending lineup of potential matches on dating apps.

While the wide array of dating apps would appear to help younger adults find their one and only, the endless possibilities of swiping right has made it more difficult for many young adults to settle down.

Especially with things like the 6-6-6 rule making it hard for most men to measure up.
(Adriana Diaz. Women are using the 6-6-6 dating rule to find the perfect man — but is it hurting their chance at finding love? New York Post. September 16, 2024.)


別記事によれば、"6-6-6 rule"を満たす恋人候補(男性)を"6-6-6 men"("triple six men")と言うのだそうです。日本では女性が結婚相手の男性に求める要件は、高身長、高学歴、高収入の3つで「3高」などと言われれてきましたがそれと同じですね。

このようなスペックにドンピシャな候補がそうそういるものではないということも、今も昔も変わらないというのがまた事実であります。

記事では出会い系のアプリを使ったところで、そんな理想の恋人と出会える訳ではないと言っています。

"a person’s one and only"とは最愛の人、理想の恋人を意味する慣用表現ですが、唯一無二、本当にマッチする相手を見つけるのに"6-6-6 rule"は逆に選択肢を狭めることになると警告しています。

2024年9月16日月曜日

chump

アメリカ大統領選の争点のひとつには、勿論ですが、経済対策があります。

インフレによる物価高が進み、生活が苦しくなっている庶民の票を獲得せんと、両候補が議論を戦わせていますが、ハリス氏がトランプ氏は企業経営者などの富裕層だけが恩恵を受ける減税しかしてこなかったと批判すると、トランプ氏側は労働者に対する減税措置として、残業代やチップに課税しないという方針を打ち出しました。

米国民ならずとも、本当か?と訝りたくなりますが、民主党側から早速批判的に取り上げられているようです。


Senate Finance Committee Chair Ron Wyden threw shade at Republican presidential nominee Donald Trump on Friday over Trump’s latest campaign promise: to eliminate income taxes on overtime pay.

“Donald Trump is losing, and these tax proposals he’s floating out of desperation are as fake as his tan,” Wyden said in a statement.

The Oregon Democrat who leads the Senate tax writing panel said the former president “knows Republicans in Congress have no intention of passing this stuff.”

“It’s obvious his newfound concern for working people is a fraud,” Wyden argued, “because as president he undermined overtime protections for workers.”

He added, “You can always count on him to treat workers like chumps he can buy off with empty campaign promises here and there.”
(Kevin Breuninger. Trump tax-free overtime plan ‘as fake as his tan,’ Senate finance chair says. CNBC. September 13, 2024.)


曰く、トランプ氏は選挙に負けそうなのでこんな突拍子もないことを言い始めたのだと、非難しています。


treat workers like chumps he can buy off with empty campaign promises


というくだりがありますが、"chump"という単語が出てきます。"champ"(champion)ではありません。

辞書を引くと、丸太の木切れを指すこの単語は、


ばか、うすのろ;騙されやすい「かも」


を意味するとあります。

語源はよく分かっていないようですが、塊を指す"chunk"と"lump"の混成による単語、いわゆるかばん語のようです。

支持率を上げる為ならば出来ないことでもやると口に出す政治家がいるものですが、有権者もバカばかりではありません。

日本では自民党総裁選、立憲民主党の代表選で候補が乱立、様々な主張を戦わせておりますが、果たして実現可能なのか、そもそも実現する気があるのか?

引用した記事でもうひとつ興味深く思った表現ですが、トランプ氏の減税措置を、


as fake as his tan


と切って捨てています。

面白い表現だなあと思い調べてみたのですが、このような慣用表現がある訳では無いようです。文字通り、トランプ氏の主張する主張の内容が同氏の「日焼け」(tan)と同様に嘘っぽい、というような意味になります。

トランプ氏の顔はよく日焼けしており精悍なイメージを与えますが、あの日焼けはフェイクだという噂がかねてからあるようです。

トランプ氏はゴルフをするので、私はそれでよく日焼けしているのだと思っていましたが、日焼けしているように見せる為にクリームを塗ったり、施術したりすることを"fake tan"というそうで、恐らくトランプ氏も「見栄え」を良くするためにそうした処置をしているという見方が専らのようです。これは知りませんでした。

政治家の見た目や上辺だけの皮相な主張に騙されてはいけません。


2024年9月13日金曜日

friggatriskaidekaphobia

ドーナツチェーンのKrispy Kremeが9月13日にドーナツを13セントで売り出すキャンペーンを実施するそうです。残念ながらアメリカだけのようで、日本の店舗ではそうしたキャンペーンはやっていないようですが。

そう言えば今日は「13日の金曜日」です!

一般に不吉な日として忌避される日付と曜日の組み合わせですが、Krispy Kremeのキャンペーンはその逆張りと言えます。


Do you have friggatriskaidekaphobia? If you’re superstitious, you might. It’s the fear of Friday the 13th, a day often considered unlucky. But why? Several historical theories exist, involving everything from the Biblical story of the Last Supper to the fall of the Knights Templar.

Whatever the origin, Krispy Kreme is flipping the superstition on its head and making Friday the 13th lucky by offering a dozen Original Glazed Doughnuts for just 13 cents. Sounds like good fortune to us.
(Robin Shreeves. Krispy Kreme Has 13-Cent Dozens for 1 Day Only. MSN. September 12, 2024.)


さて、引用した記事の冒頭に出てくる、


friggatriskaidekaphobia


という長いスペルの単語!

これは「13日の金曜日」恐怖症、という意味の単語です。

分解しますと、frigga-という部分は北欧神話に出て来る、愛・豊穣の守護神Friggのことで、Friday(金曜日)の語源になっているものです。

triskaideka-は数字の13を表します。

-phobiaについては説明不要ですね、恐怖を意味する接尾辞として多くの英単語があります。

以前取り上げた、"paraskevidekatriaphobia"もご覧ください。


2024年9月12日木曜日

de-verb

インターネット検索と言えばグーグル。不動の地位を占めているものかと思われましたが、若い人達の間でその地位に揺らぎが見られるようです。


We all are used to saying “Googling” as a verb but a new study shows that Gen-Z are now more used to saying “searching” instead of “googling”. This is because many Gen-Z aren’t only relying on Google for searching up things and often use TikTok and Instagram to look things up. The de-verbing of Google’s name tells us how consumer search behaviors are changing with technology. 20 years ago the word “Google” was added in the Merriam-Webster dictionary and was defined as searching something up on the web.
(Arooj Ahmed. Google is No Longer Being Frequently Used as a Verb Because of Gen-Z Preferring to Say “Searching” Instead of “Googling”. Digital Information World. September 9, 2024.)


検索エンジンの名称としての"Google"が、インターネット検索を行う、という意味の動詞として使われるようになり、それが辞書のエントリになったのは2000年代前半のことです。

ところが若い人達の間では「ググる」(グーグル検索する)はもはや死語なのでしょうか、そんな表現は使わず、単に"searching"という表現を使うようです。

この背景には、グーグル一辺倒だった検索がTikTokやインスタグラムなど、メジャーなSNSに取って代わられている状況を示しているといいます。

記事では、


The de-verbing of Google’s name


とあります。

"de-verb"とは、名詞を動詞化する、即ち名詞として使われる単語を動詞として用いるという意味の"verb"、


to use (a word and especially a noun) as a verb : to make (a word) into a verb
(Merriam-Webster Dictionary)


に離脱の意味の接頭辞de-を付加したものと考えられます。

そもそも"de-verb"なる単語は存在しませんが、動詞化するという意味での"verb"を載せている辞書もMerriam-Websterのオンライン版くらいです。


2024年9月11日水曜日

on the up and up

今年3月にがんであることを公表した英国のキャサリン妃が、化学療法を終えたと公表しました。SNSに投稿されたビデオメッセージでは治療に一区切りがついた安堵を吐露したということです。

その後、公の場に姿を現したウィリアム王子の様子を報じた記事から引用しました。王子は髭をたくわえ(治癒の願掛けでしょうか?)、にこやかな様子であったとあります。


An unshaven Prince William stepped out for his first public appearance since Kate Middleton revealed she had completed her cancer treatment.

The Prince of Wales, 42, greeted fans while rocking his new beard with a big smile on his face outside of the Swiss Valley Primary School in Llanelli, Wales, on Tuesday.

“It’s good news, but there is still a long way to go,” he told one person of his wife’s prognosis.

Several royal watchers sent along their well-wishes during the visit, expressing to William how happy they were to hear that the Princess of Wales’ health was on the up and up.
(Leah Bitsky. Prince William — and his beard — step out for first time since Kate Middleton’s cancer-free reveal. Page Six.  September 10, 2024.)


英王室を見守る人々らは王子に対して、キャサリン妃が回復したことへの祝意を表したということなのですが、記事のくだりで、


the Princess of Wales’ health was on the up and up


という部分があります。

ここで使われている"on the up and up"という表現を初めて見ます。"up"が2度出て来ますが、ひょっとして(電子媒体ではよくある)タイポか?と思ったくらいです。

が、これはれっきとした慣用表現で、"up and up"という言い回しは英和辞書にも載っています。

研究社新英和大辞典では、


進捗、成功;正直な生活

うまく行って、成功して、上向いて
正直な、公明正大な


とあります。

コンテクストにより意味が違ってくるのだと思いますが、ここではキャサリン妃のがん治療がうまく行き、健康を取り戻したということを言っているものだと解釈されます。

"up-and-up"のようにハイフンで繋げる場合もあるようです。

日本語の「あっぷ、あっぷ」とは意味が違いますね。


2024年9月10日火曜日

thespian

朝一番、ニュースをチェックしていたら、米有名俳優の訃報が目に留まりました。

James Earl Jonesさんという名前は知りませんでしたが、映画「スターウォーズ」シリーズのダースベイダー役で有名、とあるのを読んで、あの特徴的な声音が思い出されました。


Legendary actor James Earl Jones, best known for his innumerable movie roles and the booming voice of the character of Darth Vader in the "Star Wars" franchise, has died, his representative confirmed to ABC News.

He was 93 years old.

Jones died on Monday morning at his home in Dutchess County, New York, surrounded by his family, according to longtime agent Barry McPherson.

The thespian, whose powerful, deep voice brought to life the iconic villain of Darth Vader, acted for more than six decades and won three Tony Awards, including a lifetime honor in 2017, two Emmys and a Grammy. He was recognized for lifetime achievement by the Academy Awards in 2011.
(Michael Rothman. Legendary actor James Earl Jones dies at 93. Yahoo! News. September 10, 2024.)


引用した記事に、


thespian


という単語が出てきますがこの単語の意味を知りませんでした。辞書には、


テスピス(Thespis)の;悲劇の、戯曲の、演劇の


という意味の形容詞だとあります。ここでは名詞として使われていますが、名詞の意味は、俳優、役者、です。(記事タイトルでは"actor"ですね。)

"thespian"のすぐ下には、Thespisの説明があり、紀元前6世紀ギリシャの伝説的悲劇詩人で、ギリシャ悲劇の祖とされる人物、とあります。

Merriam-Webster Dictionaryの解説によると、ギリシャ悲劇はコロス(chorus)が歌う言葉で物語が進行しますが、Thespisはそこにコロスとは独立した役柄を登場させる試みを初めて取り入れた悲劇作家であったということです。これが現代における役者、俳優(つまり、"actor")の原型と考えられており、故に"thespian"は役者の意味で用いられるようになったということなのです。(以前取り上げた"choseograph"も参照ください。)

ダースベイダーは見た目もその声音もあまりに特徴的で見る者に強い印象を残します。Jonesさんがあの声の担当、つまりは声優で、真っ黒な装束に身を包んでいるのは別人だとは知りませんでした。

出演作品は多岐に渡りますが、ライオンキングの父親ライオン役Mufasaも担当したとあり、記憶が確かならば大学生の時に映画館で鑑賞したのですが、こちらも鮮やかに記憶に蘇ってきます。

幼少期には吃音であったそうですが、自作の詩の朗読で克服したという逸話も。

享年93歳、ご冥福をお祈りします。


2024年9月9日月曜日

honeymoon is over

アメリカ大統領選はいよいよカマラ・ハリス氏とトランプ元大統領の討論会での直接対決が近づいているところですが、最新の情勢分析によると、支持率においてトランプ氏がハリス氏を僅かに(1ポイント!)上回るという結果が出ているようです。


Nate Cohn and his colleagues have published the first high-quality survey since KAMALA HARRIS replaced President JOE BIDEN on the ticket that suggests the VP’s hot streak may be coming to an end.

The Times poll shows DONALD TRUMP leading Harris by 1 point — 48 percent to 47 percent — among likely voters.

(中略)

The Trump campaign is giddy about the NYT poll.

“The honeymoon is officially over,” Trump spokesperson JASON MILLER told Playbook this morning, “and Kamala Harris has been exposed as a Radical Left individual who owns the destruction of our economy and our border.”
(Playbook: Sobering new polls for Harris. Politico. September 8, 2024.)


戦線を離脱したバイデン大統領からバトンを受け継いだ直後のハリス副大統領は支持率でトランプ氏を上回る勢いということでしたが、情勢が変わりつつあるということなのでしょうか。

トランプ陣営は最新の情勢分析結果にほくそ笑んでいるようですが、


The honeymoon is officially over…


とのコメントが引用されています。

"honeymoon"とは新婚旅行のことですが、派生した意味合いとして、


An early harmonious period in a relationship
(American Heritage Dictionary)


というものがあります。

新しい人やモノの登場は得てして歓迎されるものですが、その人気や歓迎ムードもまた長続きしないものです。新婚カップルの蜜月の日々も・・・。

つまり、ハリス氏の支持率は初期の一時的な人気によるもので、早や翳りが見え始めたということなのかもしれません。

最新の情勢分析によれば、ハリス氏の政策を過激であると感じている有権者は民主党支持者層でも4割以上にのぼっているそうです。これに対してトランプ氏に対しては中道的であるとの評価が定着しつつあり、これがトランプ氏が支持率でハリス氏を僅かに上回る状況につながっているとの見方があります。

2024年9月6日金曜日

giddy

トランプ元大統領は今年の大統領選で大統領に選出されたあかつきには、イーロン・マスク氏を閣僚に起用すると明言しています。

マスク氏に期待するのは政府のコストカッターとしての役割で、無駄な支出や業務プロセスを徹底的に排除する、"Government Efficiency Commission"を設立し、その長に就任してもらうということのようです。

マスク氏はこのポジションに非常な関心を抱いているらしく、是非挑戦してみたい、とXに投稿したとか。


Elon Musk says he “can’t wait” to take on a role in Donald Trump’s administration.

For the past several months, Trump’s team has been plotting the creation of a “government efficiency commission” to help him audit and cut government programs, should he return to the White House, according to The Washington Post. Musk has been floated as one of the top business leaders who could join the commission.

Just after midnight on Tuesday, Musk giddily posted, “I can’t wait. There is a lot of waste and needless regulation in government that needs to go.” 
(Paige Oamek. Elon Musk Giddily Accepts Idea of Joining Trump’s Cabinet. The Republic. September 3, 2024.)


引用した記事で、


Elon Musk Giddily Accepts Idea…
Musk giddily posted…


とありますが、"giddily"というのは"giddy"という形容詞に-lyが付いた副詞形で、


めまいがする; 舞い上がっている、有頂天になっている


という意味です。

めまいがする、という意味の単語に"dizzy"がありますが、"giddy"というスペルは"dizzy"のもじり(音位転換)のようにも見て取れるところ、それは違うようで、辞書にはそういった説明はありません。

興味深いのは、"giddy"は古期英語gidigから来ており、その意味は「狂気の」というものだということです。

神を意味する"god"と関連しており、神に取り憑かれた、というのが原義だということです。

マスク氏は支持するトランプ元大統領のご指名に有頂天の様子ですが、電気自動車関連で政府補助金を受けているテスラ社のCEOであるマスク氏が閣僚になることには利益相反(COI)の指摘もあり、果たして!?


2024年9月5日木曜日

straw that broke the camel’s back

記事の引用からどうぞ。


Fed up workers for Southampton Village on Long Island fought back against the town’s mayor and his cronies after their cost saving became so dramatic they stopped supplying hot beverages.

The straw that broke the camel’s back was that the Mayor, William Manger Jr., and his employees had the bright idea to remove the coffee, plates and utensils from the lunchroom.
(Jeanette Settembre. Southampton mayor ripped for gutting perks for town workers: ‘Straw that broke the camel’s back’. New York Post. September 4, 2024.)


記事のタイトルと本文に出て来る、


straw that broke the camel’s back


という諺が今日取り上げる表現です。

"last straw that broke the camel’s back"とも言います。

ラクダの背骨を折るのは最後に載せた藁の一本、というのが字句通りの意味ですが、藁一本のような軽いものでも積み重なれば重大な結果をもたらす、という含意があります。

よって忍耐(我慢)の限界とか、堪忍袋の緒が切れる、というような意味で使われることの多い表現です。

Collins Cobuild Dictionary of Idiomsに以下のような解説があります。


You can say that something is the straw that breaks the camel’s back when it is the latest in a series of unpleasant or difficult events, and it makes you feel that you cannot tolerate a situation any longer.


単に"last straw"と言う時もあります。

記事の内容としては、知事が主導するコスト削減策が福利厚生にまで及び、遂にスタッフの怒りを買ったというものです。具体的には、職場での無料のコーヒー提供が無くなってしまったということらしく、これは反発を買うだろうと思います。日本だと給茶機ですが、どこの職場にもある給茶機のように、アメリカ人にとって職場のコーヒーマシンは福利厚生の一環として無料が当たり前になっています。




2024年9月4日水曜日

two's company, three's a crowd

レストラン業界に異変、というところでしょうか。

アメリカではレストランでの「おひとり様」利用の予約が増えているそうで、レストラン側も「おひとり様」に合わせたテーブルやメニューを用意して対応しているそうです。


More Americans believe that when it comes to dining out, one’s company, two’s a crowd, a survey shows.

Solo dining at restaurants is booming — with single-person reservations rising 29% at American eateries over the last two years, according to reservation platform OpenTable.
(Alex Oliveira.Solo dining at restaurants is booming — here’s why. New York Post. Sepember 3, 2024.)


記事の冒頭で、


one’s company, two’s a crowd


とありますが、これは"two's company, three's a crowd"というフレーズをもじったものです。

このフレーズは英和辞書にも載っているかと思いますが、例えば小生の手元にあるランダムハウス英和では、


2人なら仲間、3人なら仲間割れ


という訳になっています。

Merriam-Webster Dictionaryでは以下のように説明されています。


two's company, three's a crowd
idiom
—used to say that a third person is not welcome when two people (such as two lovers) want to be alone with each other


仲の良い2人(例えば恋人同士)に3人目が加わると邪魔以外の何物でも無い、ということですね。

最近は「おひとり様」ブームというか、ひとりでいることを孤独と感じたり、看做したりしない傾向にありますが、レストランのおひとり様利用もこの傾向を反映していると言われます。

記事ではスマートフォンの普及が背景にあると分析しています。

もはや夫婦や恋人同士の2人ではなく、「おひとり様」が居心地が良くて理想だという現代社会・・・。

2024年9月3日火曜日

a knife fight in a phone booth

昨日月曜日はアメリカはLabor Dayの休日だったせいか、少し静かだった印象です。

一方、大統領選は休日など関係がある筈もなく、逆にこのタイミングでの戦況は11月の結果を占う重要な意味合いがあると言われているようです。

トランプ候補とハリス候補は支持率では僅かにハリス氏がリードする傾向にあるそうですが、果たして?

ニュースヘッドラインを斜め読みしていましたら、Politico紙のリードが目に留まりました。


A race that Kamala Harris leads nationally is the equivalent of a knife fight in a phone booth, and it’s set to be decided in a smaller-than-usual number of states.


ここで使われている、


a knife fight in a phone booth


というのが今日取り上げる表現です。

どこかで見かけたような気もするのですが・・・。

記事の本文にも出て来ます。


Labor Day is a critical mile-marker on the road to the general election, and Kamala Harris has reached it with a slim advantage over Donald Trump. But the former president would still be well within striking distance if the election were held today.

Because of Republicans’ advantage in the Electoral College, a race that Harris leads nationally by between 2 and 4 percentage points, on average, is the equivalent of a knife fight in a phone booth, and it’s set to be decided in a smaller-than-usual number of states.

The polls are extraordinarily tight in all of them, and that isn’t expected to change much over the next nine weeks. In modern presidential elections, where the race stands on Labor Day is usually pretty close to where it ends up once the votes are counted.
(Steven Shepherd Where the race between Trump and Harris stands on Labor Day, according to our polling expert. Politico. September 2, 2024.)


小生が指摘するまでもなく、アメリカ大統領選挙は熾烈な戦いです。

"a knife fight in a phone booth"を字句通りに訳すならば、公衆電話ボックスの中でのナイフを使った闘い、となると思いますが、電話ボックスみたいな、人ひとり入れるのも窮屈というような狭いスペースでナイフでやり合うというのは甚だおっかない話です。

コンテクストから、両候補者の接戦の状況を言っているものと思われます。適当な翻訳を求めて辞書を引いてみるものの、この表現を載せている辞書は無さそうです。

ネット検索をしていると、いくつかの用例が見つかります。

やはり政治のコンテクストですが、以下のような記事がありました。


San Francisco politics are often described as a knife fight in a phone booth and this year’s mayoral race has done everything to reinforce that belief. The city was jarred last year when the popular and quiet mayor Ed Lee died suddenly of a heart attack. This shocking event sent SF politics into a tailspin and laid bare the divisions between the different political factions in the city.
(Jacob Ganz. A Knife Fight in a Phone Booth: The Saga of the San Francisco Mayor's Race. Davis Political Review. June 1, 2018.)


記事の内容は知事の突然の死去に伴って後継候補が入り乱れ、大変な混乱が生じているというものです。

"a knife fight in a phone booth"はそのような状況を言い表したものということなのですが、この表現は大混乱、騒擾というような意味合いがあるようです。

由来についてはよく分かりませんが、ボクシングの試合で見られる接戦を言ったものという説明も見られます。

両者が極めて近い距離で、時には組み合いながらパンチを撃ち合う状況を、電話ボックスという狭いスペースの中での果たし合いに譬えたという説明で、なるほどと思いました。

2024年9月2日月曜日

get bent

SNSの投稿で、ドイツの女性議員を肥満("fat")と中傷したとして、ドイツ警察当局が投稿したユーザーの情報開示をSNSの運営会社に要求しているというニュース記事を読みました。

SNS上での誹謗中傷は今日大きな問題となっていますが、ドイツはオンライン上の侮辱行為に関しては世界でも最も厳しいとされるそうです。

一方、SNSの運営会社側は言論の自由とプライバシー保護の観点から情報開示を拒否しているということです。


German officials attempted to start a criminal investigation into a Gab social media user who allegedly called a left-wing female politician "fat," but the platform refused to comply with the German authorities' invasive demands to uncover the person's identity, the platform told Fox News Digital.  

The Federal Criminal Police Office (Bundeskriminalamt-BKA) contacted Gab about a user insulting the weight of politician Ricarda Lang, a prominent leader of an environmental party in Germany. It requested information that would identify who the individual was, under the suspicion they resided in Germany, so that they can continue their criminal investigation. 

Torba called Germany's request "one of the more ridiculous foreign data requests that Gab received… [T]hey wanted us to dox a user for calling a female politician fat." 

Gab's official response was to inform the German government they should "get bent," the CEO, Andrew Torba, told Fox News Digital.
(Hannah Grossman. Germany started criminal investigation into social media user for mocking politician for being 'fat'. Fox News. September 1, 2024.)


ドイツ当局の要請に対するSNS運営会社の対応姿勢について記載しているくだりで、


get bent


という表現が出て来ますが、意味が分かりませんでした。

"they should get bent"とあるのですが、ここで"they"はドイツ当局のことを指していると思われます。また、"bent"は曲げるという意味の動詞"bend"の過去分詞形(p.p.)です。動詞"get"と共に使われており、いわゆる被害の意味合いを持つ受身形(get + p.p.)になっていると思われます。"get bent"は曲げられる、というような意味になるかと思いますが、いまいちピンと来ません。

記事の後半部では引用符付きでSNS側の文書での回答と思われる内容が引用されており、ここでも改めて"get bent"を確認できます。


"We stand firmly by our commitment to free speech principles and will not compromise the privacy or civil liberties of our users. We categorically reject any requests from governments, including the German government, that seek to stifle free speech or violate the privacy rights of our users for speech which is protected by US law. In this instance, we will not be providing any user data related to the alleged offense against a German politician. Accordingly: you can get bent," Gab said. 
(ibid.)


ここでは言論の自由、プライバシー保護云々とSNS側の主張が述べられた後、"Accordingly: you can get bent"と結ばれています。助動詞の違いはあれ、おおよそ同じです。

考えても始まりませんので色々調べてみると、このフレーズは俗語表現ということのようなのですが、Merriam-Webster Dictionaryのサイトに以下のような説明が見つかりました。


get bent
slang  —used as an angry or contemptuous way of dismissing someone's statement, suggestion, etc.

I try to call him the next morning to apologize, but he tells me to get bent.
—Chuck Klosterman


これを読みますと、"get bent"というのは相手の言う事を否定したり、提案や要求を拒否する場合に用いられるフレーズということのようです。

日本語に何と訳したものでしょうか?

辞書で"bend"、あるいは"bent"を引くと、


get bent out of shape


という慣用句があり、怒っている、不機嫌である、というような意味で用いられるとあります。

この他、"bent"には酔っ払ったとか、不正直な(straightという表現に対して「曲がっている」ということかと思います)とか、異常な、また(差別的に)同性愛の、といった様々な意味が載っています。(「酔っ払った」の意味は、"elbow-bending"や"bender"という表現にも関連するようです。)

こうした意味から、"bent"はおよそ相手に対する罵詈雑言の類いのようにも思われます。

よって、"you should get bent"や、"you can get bent"というのは、字句通りに翻訳できるものではなく、相手に対する拒絶の態度をあからさまに示す、捨てゼリフみたいなものではないかとも思いました。

失せろ!(Get away!)とか、くたばれ!(F*** you!)、クソ喰らえ!(Get f***ed!)といったフレーズに近いのではないかと。

2024年8月30日金曜日

lie-in

歳のせいか(!?)、最近目覚めが早くなってきました。若い頃は寝ようと思えばいくらでも寝ることが出来たように思いますが、最近は夜が明ける前に覚醒してしまいます。

今日読んだ記事によると、普段寝不足傾向にある人が週末の睡眠時間で「補填」すると新血管系疾患のリスクが下がるという研究成果が公表されたそうです。


Catching up on missed sleep at the weekend could reduce heart disease risk by up to a fifth, according to research presented at the European Society of Cardiology (ESC) this week.

Previous research has emphasized the importance of a regular sleep schedule, discouraging weekend lie-ins in favor of consistent bedtimes and wake times. However, this study, using data from 90,903 subjects involved in the UK Biobank project, seems to have reached the opposite conclusion.

"Sufficient compensatory sleep is linked to a lower risk of heart disease," study co-author Yanjun Song from China's National Center for Cardiovascular Disease said in a statement.
(Hatty Willmoth. Sleep: Scientists Reveal 'Significant' Heart Benefit From Weekend Lie-Ins. Newsweek. August 29, 2024.)


睡眠、寝る、という時に使う表現として真っ先に思いつくのはもちろん"sleep"です。記事では、


weekend lie-ins 


という表現が使われています。英和辞書で"lie-in"を引くと「朝寝」と載っています。

誰しも、あと5分、あと10分・・・、と少しでも睡眠を貪りたくなるものですが、それぞれの勤めというものがあって仕方無く起床します。

平日は仕事や用事のため決まった時間に起床しなければならない人も、週末の朝寝(weekend lie-in)で不足分を取り返せる、ということのようです。

睡眠、寝ることを表す英語表現ですが、以前取り上げた、




もご覧下さい。

それでは、"weekend lie-in"で良い週末を!